平成12年5月      戻る

コンピュータと通信が融合した情報技術「IT」革命は、社会にどんな変化を及ぼすのかを理解しなければ、間違いなく時代に取り残されることになるだろう。

最近コンピュータ社会の移り変わりに関して「ドッグイヤー」の言葉はよく使われるが、犬の年齢は、人間の1年が7年に相当するそうで、そのくらいのテンポで進化することをさすものである。
☆ちなみに情報技術の普及スピードを比べてみると(世帯普及率10%)、電話の普及に76年の歳月を要し、FAXは19年、インターネットは5年で達成した

この驚くべき情報技術の変化を「IT革命」を呼び、2000年は情報産業の革命元年と捉えるべきである。

「コンピュータ」「通信」「放送」「ソフトウェアー」の4大ハイテク産業がインターネットによってネットワーク融合される時代を迎えた。
インターネットの通信量は100日とに倍増しているが、金融ビックバンとIT革命がドッキングした金融IT革命は、オンライン銀行・証券・電子商取引(E-コマース・ネットスーパー・オンラインビジネス等々)に象徴されるように我々の身近にその姿を見せている。

経済のグローバル化は至極当然と受け止められているが、この傾向を加速させたのはインターネットであり、ネットワークを通じての国際化は顧客・市民・個人などの草の根レベルで進んでおり、情報数新政策の立ち遅れが懸念されるに至った。(サイバーテロ対策・個人の認証等々)

わが国におけるITの特徴はモバイル・コミュニケーションにインターネットが結合した「iモード」である。

携帯電話が仮設電話の台数を越え、移動体通信で動画が送れる時代がそこまで来ている。
テレビは本年12月からデジタル放送が始まり、双方向の時代がそこまで来ている。テレビは見る時代から利用する時代を迎えた。

ソ二一社長の出井伸之氏はかく語った。
「英語でタンカが切れる日本人」の募集広告をみて応募、入社後3年目に自費でスイスに留学、9年間欧州で過ごし帰社。
14人抜きでソニーの社長に就任。

ブロードバンドと呼ばれる通信インフラの大容量時代が訪れる。
インターネット以前に存在した社会のあらゆる仕組みはことごとく生存の危機に立たされる。企業だけでなく、企業も個人も新たな生存環境へ適応することを迫られる。
個人と企業の情報格差はほどんどなくなり、何処にいても同じ情報を大量に入手する事が可能になる。 人々を遮断していた時問距離や組織の壁がなくなる。
オーケストラをインターネットで聞いたり、世界に発信する個人放送局や双方向テレビなど新たな情報手段がビジネスや生活の場を変える。

モノ作り産業はピラミッド型の大組織で巨大な資本が必要。算入障壁は高く、集団的な規律で仕事をするが、インターネット社会は算入障壁が低く、創意工夫さえあれば誰でも事業を起こせる。ネット上で商売するサイバー企業がどんどん現れ、リアル企業が築いた常識を次々に覆す。
アメリカのサイバー企業の代表格のAOL(アメリカ・オンライン)が、リアル企業の代表格であるタイム・ワー ナーを吸収した。サイバーとリアルの融合が始まった。
デジタル・デバイドと呼ばれる情報を使いこなす能力の差が、人々の間に深刻な格差を生むだろう。

マイクロソフトと覇権を争うリナックス社長のリーナストーバル氏はかく語る。
コンピューターを買えない人は技術に取り残されて、より貧しくなり、買える人はより豊かになる。
モノ作りは設備投資や開発費がかかり、生産量が増えるほど利益が膨らむ膨張逓増のビジネスだが、サイバービジネスは利用者が増えると二乗、三乗で価値が増殖する収獲爆発の法則で伸びる。携帯電話を無料で配ったり、ネット証券が端末を無料で配るのはそのためである。
企業は既に銀行的な機能を持っている。トヨタは銀行からではなく市場から資金を集めるし、子会社を 自立させ融資する方法をとっている。ローンでモノを売れば融資と同じで、モノと情報と金を一体で運用したほうが得策だ。
銀行に関して、みんなが端末を持てばネットが支店に代わり重い組織は要らなくなる。既存の銀行が悩んでいるのは、ネットで業務ができる分野に店舗や従業員を抱えていることだろう。
コンピューターとの付き合いが疲れるのほ、機械が進んでないからだ。自分のできる範囲と好きなこと だけをしておれば機械の方が追いついてくる。

インタ‐ネット産業はコンテンツ産業である。付加価値の時代からコンテンツの時代へ。
コンテンツの菩し悪いこよって企業の成否が間われる時代。 Ex)ソフト産業・Eコマースのホームページ・テーマパーク・テレビ番組等々。
モノを売る商売の将来像はどうなる? 店舗とは何か。個店の存在理由は何か。 ワンストップショッピングか専門店かいずれかしが生き残れないのでは? 中央市場と青果物商いの変化。〔産直と規格化による変化〕

おじさん・おばさん族にぜひお薦めしたい「情報化時代の理解の仕方」
パソコンは難しい!今さらそんな必要はない!キーボードなど見るのも嫌だ!
そんな気持ちはよく判ります。私も同じ気持ちなのです。
しかし、エンジンが何故動くのかが判らなくても自動車の運転は出来るのです。
どうして映るのかを知らなくても、チャンネルのリモコンさえ扱えればテレビは見れるのです。
詳しいことを知る必要はありません。必要最小限の知識だけ覚えればよいのです。

そこで、これだけは知っておいてください。
「インターネット」とは世界を結ぶ情報網のことです。 デジタルとアナログの違いがIT革命の基本です。ISDNはデジタルの初歩的なサンプルです。
双方向テレビとは? キーボートを操作しなくても、インターネットに接続できる方法はあるのです。
「iモード」の電話でインターネットやEメールのやり取りができます。
〔小学生のEメールの普及率をご存じですか?〕
これくらい知っていて、ちょっとだけ講習を受ければ、ボチボチ楽しめるのがパソコンなのです。
さあ、始めましょう。そうしなければ孫たちに馬鹿にされ「情報貧民」になりまずぞ!!