1、湯浣腸(微温湯浣腸)の薦め
                             
 初めに湯浣腸というものを説明します
湯浣腸とは水道水で良いのですが、30°〜36℃くらいのぬるいお湯を普通 の浣腸(グリセリン浣腸)のようにおしりから入れて出すこと をいいます。一種の(腸を洗うという意味で)腸洗浄でもあ りますが、それほど沢山の量ではなく30〜60mlくらいが1回 量ですので、肛門のちょっと奥を洗い流す程度のものです が、それが肛門には良いのです。特に軟便の方は一回の排便ではすっきり とは便が出ず、残便感があることが多いのですが、この湯浣腸を行うとその 残便感がとれてお尻がすっきりとします。私はそれを「お尻のうがい」と呼 んでいます。歯磨きをしてその後に「うがい」をするのと同様に湯浣腸はお 尻の便をした後の「うがい」の様なものです。ウォッシュレット(肛門洗浄 装置)が最近便座に着けられるようになって結構肛門の感じが良くなったと 云われますが、その比ではありません。遙かに少ない量で肛門がすっきりと しますし、実際きれいになります。このすっきりした感じが肛門にはよいので す。考えてみれば肛門は食物の出口に当たります。口腔の衛生がさけばれ て歯磨きが奨励されている割には肛門の衛生はあまりさけばれません。ウォ シュレットくらいなもので、肛門は排便するところだから汚くて当たり前の感じ が否めません。本当にそうでしょうか?肛門の衛生についてもあまり聞いたこ とはありません。トイレで紙で拭くが原則で、後はあまり気にせずにいます。 パンツが少しくらい便で汚れていても洗濯しておしまいではないでしょうか? それで肛門は良いのか?これが私の発する問いです。肛門科 には多くの肛門疾患で困っておられる方々が受診されますが、多くの場合、 肛門の直ぐ奥には便があります。しかし本人にとってそれは異常事態とは感 じてはおられません。肛門の痛みだったり、出血だったり、腫れだったりと 云った訴えはされますが、実際肛門の直ぐ奥にある便についての違和感は 感じてはおられないのです。かく云う私も少しくらい便があってもそれほど気 にはならないことがあります。つまり肛門は便に対して鈍感になっていると云 えます。でも、鈍感だから異常だといっているわけではありません。鈍感な のには訳があります。確かに少量の便が肛門にあってそれがいちいち気にな るようでは四六時中便所に入り浸りになって何も出来なくなってしまいます。 従って肛門が便