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S-E-Tの臨床応用は、特定な患者の特定な訓練を行うものではありませ
ん。運動ツールの1つであり、スリングの部位、スリングの高さを任意に調節 することで患者個々の体型、能力にあわせた最適な訓練環境が設定できま す。 1.患者の痛みの軽減
2.早期からの自動運動
3.リラクゼーション、筋収縮の減少
4.抵抗ゼロから最大負荷まで
5.セラピストの負担の軽減
日本SET研究会ホームページより
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リハビリテーションにおいてオーバーヘッドフレーム等を利用したスリングは、
第一次世界大戦後の戦傷者やポリオ患者を中心に理学療法の治療手技とし
て使用されました。当初はスリング(吊り帯び)を使用する事により重力を除
去することが大きな目的として使用されていました。後にこのスリングを利用
して骨折後の治療・背柱のモビライゼーション・痙性のある神経筋疾患の弛
緩運動等、様々な疾患に対する独自性のある治療方法が考案されました。ま
た、現在スリングを使用し、小筋群(ローカルマッスル)を刺激することにより
生体の安定化を促す研究もなされております。
この様に単純な吊るという動作の中から様々な治療方法の可能性を全世
界のセラピストが独創的に考案しております。我が国でも大幅な医療・福祉制
度改革に伴い医療・福祉の現場も多く変貌を遂げなければならない中、リハ
ビリテーション医療を担う医師・各セラピストの責任と期待は大きく膨らんでお
ります。従って今後、益々臨床現場では独創性・個別性のある治療プログラ
ムを要求されます。 この度我々はスリングセラピー先進国であるノルウェー
王国の後援を得て、我が国でもスリングを用いた理学療法に関する研究と実
践を行う事を目的とした研究会を発足することになりました。単に整形疾患の
訓練としてスリングを使用するだけではなく、脳血管障害、小児疾患、呼吸疾
患、スポーツリハビリテーション等の幅広い分野でのスリング使用による治療
アプローチ方法を創造し、従来おろそかになりがちだった手の感触を取り戻
し、画一的な訓練プログラムではなく患者ごとの細かい治療プログラムの実
施を臨床現場で実践することを目的としております。またスリングセラピーの
先進国であるノルウェー王国との学術交流と全国的な規模でのセミナーを通
じてアクティブな理学療法、プロフェッショナルな手法を習得し理学療法の技
術を高めていきたいと考えております。
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