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マンモグラフィで描出すべきもの

乳房組織 腺吸収係数 乳腺の係数との差
正常組織 乳腺 0.80 -
脂肪 0.45 0.35
皮膚 0.80 0
病巣 腫瘤 0.85 0.05
石灰化 12.50 11.7

20keVにおける乳房組織の線吸収係数(単位:cm-1)     ―乳房撮影精度管理マニュアル他より引用―
 

マンモグラフィでは、乳腺の構造、微細な石灰化ならびに、乳腺とほとんど濃度が変わらないような乳腺内の腫瘤病変を描出しなポイントければならない。

■組織に吸収されやすい低エネルギーX線(軟X線)の使用。
■高感度・高コントラストのフィルムスクリーンシステムの使用。
■適正な画像濃度での撮影。⇒ 乳腺濃度が1.5前後であること。

乳房X線像の影響因子


マンモグラフィ用X線管装置


Moターゲットの利点なぜターゲットがMo(モリブデン)なのか?

■マンモグラフィでは、正常組織とのX線吸収差が極めて少ない病変組織を高コントラストで描出しなければならないため、15keV〜25keV程度の低エネルギーX線が利用される。
 管電圧にして25〜35keV程度のX線で、この領域のX線を選択的に取り出すには連続X線だけではなく、
特性X 線を利用したほうが、必要なエネルギーのX線を相対的に多く取り出すことが出来ます。
そしてモリブデン(Mo)は丁度この領域に特性X線を発生する性質を持っているため、
マンモグラフィ用X線管のターゲットとして使用されています。