天王寺に着くと、まずは植物園に入り、その後、動物園に入った。 動物園は小学校の遠足以来だったが、久しぶりに見て回ると結構楽しいものだった。 しかも、前にはなかった平次の知らない施設もできていて思ったほど退屈はしなかった。 一番面白いのは、やはり猿山のサルたちか。 人の社会の縮図を見るようだというのは頷けるかも。 快斗はペンギンが気に入ったようだった。 だからなのか、快斗はお土産売場でペンギンのキーホルダーを買った。 幼なじみへのお土産だという快斗に、平次はへえ〜という顔になる。 「幼なじみって、勝手にモデルに応募したっていう?」 そう、と快斗は頷く。 「あいつ、まだハワイ行きを諦めてなくってさあ。今度はテレビのクイズ番組に出ようとか言ってんだぜ」 オレの意志なんかねえんだもんな。 たまんねえよ。 「へえ、そりゃオモロイやん。もしかして、アレか?超難解ウルトラクイズ」 ピンポ〜ンvと快斗はニカッと笑って手を叩く。 「あれ、かなりむつかしいで。大丈夫なんか?」 「う〜ん。その前に出られるかなんだよね。あいつ、せっせとハガキ書いてるみたいだけどさ」 結構倍率高いんだよなァ。 それでも、ちゃんとつきあってやる快斗は、その幼なじみの少女のことをとても大事にしているのだろう。 「そういや服部にも幼なじみがいるんだってな。どんな子?」 快斗が尋ねると、平次は途端に渋い顔になった。 「どんなって・・・母親が二人もいるって感じの、やかましい女や」 おやおや。 「その子になんか買っていかなくていいの?」 「あ〜ん?なんでオレが大阪土産なんか買ってやらなアカンねん」 そりゃそうだけどさ。 「でも、女の子って、なんかもらえると嬉しいんじゃないの?」 余計なお世話や、と服部はプイとそっぽを向いた。 (意外と照れ屋だよな、こいつ) 快斗は、ククッと笑う。 「それより、どっかで昼飯食おか」 「あ、んじゃオレ、お好み焼き食べたい!」 「それやったら、ええとこあるわ。和葉が前にテレビで見て、一度行ってみたい言うてた店がこの近くや」 へえ〜、と快斗は細めた目で隣を歩く平次を見る。 「和葉っていうんだ、服部の幼なじみの名前v」 関係ないやろ、と平次はニヤニヤ笑う快斗にムッツリとなった。 動物園を出て通天閣が右手に見える通りに入った二人は、お好み焼きと書かれた赤い暖簾をくぐった。 いらっしゃいませ!と元気のいい声で出迎えられる。 「すいません、ちょっと待ってもらえますか」 エプロンをつけた若い女性店員が寄ってきて彼等にそう言った。 「構へんか?」 別にいいよ、と快斗が平次に向けて肩をすくめたその時、店の奥から意外な声がかけられた。 「平次くん!」 いきなり名前を呼ばれた平次は、え?と驚いた顔で店の奥を見る。 「アレ?有田はん?」 有田に手招きされた二人は奥のテーブルへいった。 鉄板のついた4人用のテーブルには、有田の他にもう一人、若い男が座っていた。 「えらい偶然でんな」 ホンマや、と平次は笑い、有田の隣に座った。 快斗も向かいの若い男の隣に腰を下ろす。 「あ、オレ、ミックスで頼むわ。おまえは?」 「オレもそれでいいよ」 「じゃ、ミックス二つな。メシは大盛りにしといて」 「メシ?ご飯も食べるの?」 快斗はビックリした顔で平次を見る。 「当たり前やん。大阪の常識やで」 そ・・なの? 「じゃあ、オレも〜v」 「ミックス2つとライスが2つですね」 注文を聞いた店員はすぐにテーブルを離れていった。 「お友達でっか?」 「ああ、黒羽いうんや」 「黒羽って・・・工藤さんじゃないんですか!」 快斗の隣に座る男がびっくりしたように訊いた。 工藤さん?なにそれ? 隣の若い男にじっと見られた快斗は眉をひそめる。 「ちゃうちゃう。よお似とるけどな。こいつは工藤やない」 「よく間違えられるんだよねえ。自分ではそんなに似てるとは思わないんだけどさ」 いや、そっくりだよ、と若い男はまだ信じられないという顔をしている。 「有田はん、こん人は?」 「平次くんは初めてやったな。警視庁から研修に来てる溝口くんですわ」 「警視庁から府警にかいな?」 「関西に二度、怪盗キッドが現れましたやろ?その事件のことを調べるためでもあるそうですわ」 怪盗キッド〜〜? 「私の上司が怪盗キッド逮捕に刑事生命をかけてる人なもんで」 そう苦笑を浮かべながら溝口が答える。 「へえ〜、刑事生命を賭けてかいな。そりゃご苦労なことやけど」 「それって、中森警部のこと?」 ふいに快斗が訊くと、溝口はびっくりしたように目を丸くした。 「え?どうして・・・」 「なんや、知っとんのか黒羽?」 オレの幼なじみの親父さん、と快斗が答えると平次は、ああと頷く。 「あのペンギンの子かいな」 ペンギンの子って・・・キーホルダー買っただけなんだけどね、と快斗は苦笑い。 「そういや、オレも中森警部に会うたことあるわ。蒼の館で会ったあの警部やろ?」 確かに熱血刑事って感じやったな。 なんか、やたら怒鳴ってばかりいてたが、と平次は思い出す。 「それで、ですね・・・実はまたキッドから予告状が届いたんですわ」 え?と平次は瞳を瞬かす。 「ちょっと・・・いいんですか、有田さん?そんなことを彼等に話しても」 中森警部を知ってるというだけで、彼等はどう見ても高校生だ。 マスコミも発表してないことを教えていいのか。 「ああ、構へんのや。平次くんは府警本部長の息子さんやから」 「え!じゃ、西の名探偵と言われている!」 あの服部平次・・・! 溝口は目の前に座る少年をマジマジと見つめた。 彼もよく知る工藤新一と同じ、関西で活躍している高校生探偵服部平次の名は、警視庁でも耳にしたことがあった。 日本警察の救世主とも言われている工藤新一は、溝口にとっても尊敬と憧れに近い存在だった。 最初は工藤新一が一番だと信じていた溝口だから、彼と同じ存在だと言われる服部平次のことは殆ど気にもしていなかったのだが、現金なもので工藤新一も認めている探偵だとわかると気になって仕方なくなった。 今回、大阪に来ることになった時、実は西の名探偵に会えるかもしれないというミーハー的な期待もあったのだ。 それが、こんな所で偶然会えるとは。 「で?今度は、なに狙ろとるんやキッドは」 「イタリアの旧家に代々伝わっていた“聖なる水”と呼ばれるダイヤモンドですわ。なんでも、神の力によってもたらされた奇跡の水が宝石の形をとったのだとかなんとか・・・まあ、私らにはよおわかりまへんが、とにかく、キッドが好みそうなビッグジュエルだそうです」 「それってどこにあるんや?」 「今日、南港にアメリカの豪華客船が寄港することになっとるんですけど、その船に展示されてるそうですわ」 我々はこれから警備のために港へ向かうんでっけど、平次くんはどないします?と有田が都合を聞く。 平次は、う〜ん・・と考え込んだ。 「キッドには舐められっぱなしやから、オレも参加したいんやけどな。生憎、夕方からちょー用事があるんや」 「そうですか・・・平次くんがおったら心強かったやけど」 「(おいおい・・・・)」 そんなんでいいのか、大阪府警?と快斗は内心苦笑を浮かべた。 まあ、天下の警視庁も新一に頼っているのだから、いずこも同じってことかあ・・・・ そんなことを話しているうちに、店員が焼かれたお好み焼きを運んできて彼等の前の鉄板に一枚ずつのせていった。 見た目こってりした感じのソースを塗り、鰹節をのせていく。 熱でふわふわと踊る鰹節が目に楽しい。 「もう食べていいの?」 「おお。後は好きに青のりやマヨネーズ、カラシを塗ればええで」 マヨネーズにカラシ? (おんもしれえ〜〜) 快斗は平次がやる通りにトッピングしていくと、小さめのヘラで食べやすい大きさに切って口に運んだ。 「すっげー旨い!なあなあ、服部。おまえ、これの作り方わかる?」 「たこ焼きもお好み焼きもちゃんと作れるで」 「よっしゃあvんじゃ、これも教えてよね」 ええで、と平次は幸せそうな顔でお好み焼きを頬ばる快斗に向けて頷いた。 お好み焼きを食べ終えると、有田は少年たちのレシートを一緒に手に持った。 「じゃ、私らは現場に向かいますので」 「あ、ご苦労さん。頑張ってや」 平次と快斗は、ごっそさん!と礼を言って彼等を見送った。 「さて、どうする黒羽?他、行きたいとこあるか?」 う〜んと・・・と、快斗は答える前に壁に貼ってあるメニューを眺めた。 「モダン焼きって何?」 「ああ、お好み焼きにソバが入っとるやつや」 「あれ?それって広島焼きって言うんじゃないの?」 「それとはまたちゃうんや」 ふうん・・と快斗は好奇心に瞳を輝かす。 「食ってみるか?」 平次が言うと、快斗は嬉しそうにうんうんと頷く。 それから、また30分、二人の育ち盛りの高校生は特大のモダン焼きにパクついた。
お好み焼き屋を出た後、地下鉄でミナミに出た二人は、地下街でぶらついた後、新聞記者の関からもらったメモの店へと向かった。 夕方5時を過ぎると、仕事帰りのサラリーマンやOLが目に付く。 暗くなれば、繁華街はさらに賑わってくるだろう。 「ここやな」 平次はメモと目の前のビルの名前を見比べる。 「黒羽、おまえここでちょー待っとれや」 「ええーっ?一緒に行っちゃ駄目なのかあ?」 「おまえは顔見せん方がええ。ちゃんと待っとんのやぞ」 ちぇー、と快斗は不服そうに口を尖らせ、地下へと降りていく平次の背中を見送った。 平次が店の扉の向こうに消えると、快斗はむくれた顔を一転させ、ニパッと楽しげな笑みを浮かべた。 「やっぱり甘いね、服部くんv」 盗聴器が一個とは限らないのだよ、明智くん!とばかりに快斗はくくくと笑うとイヤフォンを耳につけた。 平次とバーのマスターの会話が聞こえてくる。 感度はバッチシ!
「魚住さんは今日は来ないんじゃないかな」 マスターがそう言うと、店の女の子たちもそうだと頷いた。 「なんか約束があるからって、昨夜飲みに来た時、朱美ちゃんに言ってたもんね」 「あ、アタシも聞いた!確かさあ、海遊館に行くって言ってたよね」 「そうそう。そこからジンベエ鮫の話になったのよね」 「あの人さあ、名前が魚住っていうからなのか、魚のこと詳しいのよ。専門的なことはわからないけど、あたしが熱帯魚飼うとき相談にのってくれたし」 お喋り好きな女の子たちは、こっちが聞かないことまでどんどん話してくれる。 まあ、相手が若くて男前の服部だからだろうが。 これが冴えない中年男なら、刑事でもない限り口を挟んではこなかったろう。 とにかく聞くことは聞いた。 魚住が来ないなら、この店にいても仕方ないので平次は礼を言って出ていくことにした。 名残惜しげな女の子たちの声に、快斗はクスリと笑いを漏らす。 いや、モテるねえ平次くん! 「待たせたな、黒羽」 「別にいいよ〜。退屈しなかったし」 え? 「服部が降りてってから、3人に声かけられちゃってさあ。いくら?とか、一晩10万でどうとかさあ」 なにぃー! 「黒羽、それって!」 「大阪人ってさあ、ケチでも使う時は派手だって聞くけどホントだよな。10万だよ、10万!快ちゃん、迷っちゃう〜〜」 「何アホなこと言うてんねん!そんな、男に声をかけるような変態は蹴飛ばしてやれや!」 「なんで〜?遊ぶには最適じゃん!」 おまえなぁ・・と平次は眉をひそめて快斗を睨む。 「まさか、歌舞伎町あたりで立ってたりせえへんやろな?」 やだなあ平次くん、と快斗はパンと平次の肩を叩く。 「冗談だよ、冗談!」 「おまえ、ふざけ過ぎやぞ」 まあ、こんな場所に立って待ってろと言ったオレもうかつやったが。 工藤新一によく似た顔立ちの快斗は、女性的な甘い雰囲気はないが、それでも人形のように綺麗に整った顔立ちを持っていた。 はっきり言って、この辺を歩き回っている若者など比べものにならないくらいの美貌の持ち主なのだ。 話していると、コロコロとよく表情が変わる快斗に、そうとは感じないが。 確かにこの顔で立ってたら、声をかけられるのも当たり前かもしれない。 「で、どうだった?」 あ、ああ・・と平次は目を瞬かす。 どうしようかと迷ってる平次の顔を、快斗は首を傾げながら見つめた。 ま、聞くまでもないんだけどね、と快斗は内心笑みを浮かべているが、そこは慣れたポーカーフェイスで知らん振り。 「おまえ・・他に行きたいとこあるか?」 「エ?」 そうだなあ、と快斗は考えるように腕を組み、視線を上に向けた。 しばらくして、ポンと軽く手を打つ。 「オレ、キッドが見たい!」 「はあぁぁぁぁ??」 なに言うとんのや? 「だって、さっき刑事さんが言ってたじゃん?今夜キッドが出るってさ!面白そう〜V」 それにアメリカの豪華客船ってのも見たいし、と快斗が言うと平次は深々と溜めていた息を吐き出した。 そやった・・こういう奴やったわ・・・・・ 平次はポリポリと頭をかく。 ま、ええか。 どうせ南港へ出んならんのやし。 「ほな行こか」 「えっ?服部もキッドが見たいの?」 誰がや!と平次は喚いた。 いや、機会があればこの手でとっ捕まえたいが。 「小宮と接触する可能性の高い奴が海遊館におるらしいんや」 ついでやついでと平次は言って地下鉄の駅に向かう。 カイユウカン? はて?なんだっけ?と快斗は首を捻る。 「それって、どう書くの?」 「なんや、知らんのか?結構、大阪の観光名所になってる思たんやけど」 まあ、USJと違うて真新しいもんやあらへんし。 「海で遊ぶ館って書くんや」 う〜ん・・海水プールかなんかあんのかな? 行ってみればわかるか、と快斗は方をすくめ、足早に階段を降りていく平次の後を追っていった。
遊園地にありそうな変わった形の建物が快斗の目の前にあった。 が・・・ あれって、やっぱりアレだよな・・? 海のそばということで気が付けば良かったと快斗は後悔する。 「何しとんのや?行くで」 「なあ、もしかして・・・あれて水族館?」 そうや、と平次は答える。 「・・・・・・」 「ああ、やっぱり知らんかったんか」 こくこく、と快斗は頷く。 「でかいジンベイザメがおるんやで。土産話に見ていけばええわ」 じょーだん! 「オ・オレいい!アレに乗るからさぁ」 「観覧車?」 天保山の名物の一つ、巨大な観覧車を見上げて平次はふ〜んと鼻を鳴らす。 「一人で乗ってもおもんないで」 「オレ、高いとこ好きだからV」 「ほんなら好きにしたらええわ」 平次にしてみれば、快斗がいない方が都合がいいのだし、とりあえず待ち合わせ場所を決めて二人は別れる。 平次が海遊館に入っていくのを見届けてから快斗は、ホッと胸を撫でおろした。 平次にまで自分の苦手を知られてなるものかというのが快斗の本音だ。 だいたい・・・ 「あ、いけね!電話しとかなきゃ」 快斗は持っていたショルダーバッグから携帯電話を取り出した。 「あ・・オレ。今、南港にいるんだけどさ・・・服部は小宮の知り合いに会うために海遊館へ入っていった・・・え、オレ?」 外・・・と快斗が答えると案の定というか不機嫌な声が返ってくる。 『なんでオメーも一緒に行かねえんだ?』 「だって・・!水族館なんだよ!」 入れるわけねえじゃん、オレが。 数秒の沈黙。 『・・・・盗聴器は仕掛けてんだろうな?』 「もうバッチリ!」 『じゃあ、しっかり状況を探ってろよ。で、もしなんか怒ったらすぐに飛び込め』 「・・・・・・・」 飛び込めって、そんなあなた・・・ 「あの・・水族館なんだけど・・・・」 ねえ、新ちゃん?新ちゃんってば(泣) 『問答無用だ!』 新一は冷たく言い放つと、あっさり通話を切った。 「〜〜〜〜」 快斗は情け容赦なく切られた携帯電話を、半ベソかいた顔で凝視する。 新ちゃんのオニ〜〜〜!
「バカ野郎が・・・・!」 水族館がなんだってんだ! 新一は眉をしかめた顔で携帯電話を上着のポケットに突っ込んだ。 「それを言ったらマジックが気の毒ですよ、ミスティ」 車を運転していたフォックスが快斗への同情の言葉を口にするが、その顔は完全に面白がっていた。 快斗の魚嫌いは筋金入りだ。 ちっぽけな水槽の金魚でも避けるのに、まわりを魚に囲まれるような水族館など耐えられるわけないだろう。 「オレは気の毒じゃねえのかよ?オレは意にそまないことを3度もさせられたんだぞ!あいつのおかげで!」 そりゃそうなんですけどね、とフォックスは苦笑いを浮かべる。 しかし、それは全て新一の身の安全のためだった。 そういえば、彼に最初に会った時が初めての女装だったのだなとフォックスは思い出しクスリと笑った。 新一が眉間に皺を寄せて睨んでくるが、フォックスは素知らぬ顔でハンドルを握っていた。 いくら怪盗キッドと騒がれていても、フォックスの方が場数を踏んでいるだけあって肝が太い。 彼女に比べれば、新一も快斗もまだまだ子供だ。 しかし、そんな子供が大人の身勝手な欲望のために命の危険にさらされるのだ。 それを黙って見逃すことなど出来るわけはなかった。 新一はむぅと口をへの字に曲げ、膝の上にのせていたファイルを開いた。 それは、今、大阪湾に寄港しているアメリカの豪華客船《プリンセスビーナ》号の船内図とその詳細を記した資料だった。 新一はファイルに挟んであった写真を手に取る。 写真に写っているのは、美しい輝きを見せるビッグジュエル“聖なる泉”と呼ばれるダイヤモンドだった。 推定価格は数億にもなるという宝石である。 ファイルには船内の詳しい見取り図と宝石の展示場所の詳細、それに船の警備員の数とその配置そして今回キッドの予告状で出張ってくる日本警察の警備配置までが事細かく記されていた。 全く、短期間でよく調べ上げたものである。 「小宮と会う段取りはつけられたのか?」 「ええ、勿論。小宮もミステリアスブルーには並々ならぬ関心を持っていますからね。特に、目の醒めるような美少女だという噂が流れていますから、絶対に現れる筈。ま、オマケも一杯引き連れて来るでしょうが」 それは、わたしと彼がキッチリ片づけておきますので安心して下さいね、とフォックスは微笑んだ。 「・・・・・・・・・」 ハァ・・と新一は疲れたように息を吐き出した。
世の中、バカが多すぎる・・・・・
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