名探偵水乃サトルの大冒険 二階堂黎人 著             12

 翠さんのお勧め本!図書館で借りて読んでみました。
 ここんとこ、推理小説から遠ざかってたから嬉しかったわ(^^)
 この本は4つの短編からなっていて、どの話もきちんとキャラの説明をしてくれているのでどの話からでも読めます。
 麻希利が読んで楽しかったのは一本めの「ビールの家の冒険」
 なんというか、ポンポン調子よく飛び出す会話が実に楽しい!
 主人公の水乃紗杜瑠(サトル)は旅行社の社員。
 顔はモデルか俳優かというくらいいいのに、まわりから変人扱いされている独身男。学生時代はいろんなサークル(それも、どっか変なのばかり)に入っていて、いろんなものを集めるマニアで、そして、奇妙な事件があればすぐに首を突っ込むという、やっぱ変人以外何者でもないという男。
 それにしても、実際にあるメーカーや名称が飛び交う小説って初めてだなあ。ま、実際にあるからすぐに頭に浮かぶから便利だけどね。
 しかし、探偵に必要なのは、まず自分自身が犯人の心理になってみることだとのことだけど、ビールの缶にするなんてそんな面倒なことはやりたくないから、きっと思いつかないと思うな。
 だいたい、偽装だけでお金かかっちゃうし。


 

 ある朝 海に 西村京太郎 著                 11

 ある日本人カメラマンが、南アである計画をもちかけられる。
 それは、豪華客船乗っ取りの計画。しかし、それは単なる犯罪とは異にしていた。これは人種差別をテーマにしたサスペンス小説です。
 シージャックのメンバーにはさまざまな国の人間がいて、いずれも個性的なのでついついストーリーにひきこまれ、結構ページがあるのに一気に読めてしまいます。
 麻希利は、西村さんの作品の中では、こういう理不尽な社会をテーマにした話が気に入ってます。他に「四つの終止符」もおすすめ。
 


 

 燃える男 A・J・クィネル  著                      10

 ハードボイルド作品だけど、主人公のもと外人部隊の兵士の優しさについつい心惹かれる話です。
 ある富豪の娘のボディガードになった彼は、その少女ととても優しい交流を交わすのだけど・・・少女は誘拐され惨殺されてしまう。
 怒り狂った彼は、バズーカと手榴弾を持って敵地になぐり込む。
 だけど、少女を殺した犯人は、意外な人物だったという・・・
 とにかく、おすすめ!イメージとしては、メル・ギブソンかな。


 

 ユダの山羊 ロバート・B・パーカー 著                 

 麻希利が書店でバイトしてた頃、とにかく人気のあったシリーズ。
 私立探偵スペンサーが主人公の、ハードボイルドだけど、とにかく読みやすいのでおすすめ。
 「ユダの山羊」は妻子を爆弾テロで殺された男から依頼を受け、テロ組織と対決するスペンサーのお話です。
 シリーズの中では、この作品と、孤独な少年との交流を描いた「初秋」がおすすめ!


 

 東京大地震M8 生田直親 著                     

 20年前に発行された小説なんだけど、今でも十分危機感を覚える話です。なんたって、麻希利は実際に阪神大震災にあってますからねえ。とはいえ、被害は微々たるものでしたけど(壁にヒビが入ったくらい)

 それでも、生まれて初めて感じた地震の恐怖でした(地面が持ち上がったもの・・・まるで、シェーカーでした)

 で、この話はフィクションですが、身近で明日にも起こりうるネタなので、読み進むにつれてもう恐怖一杯になります。

 下町でね、井戸の水が真っ赤になったから地震がくると逃げ出す一家の話があるわけです。で、車はトンネルに入るんだけど、そこって、真上は東京湾なんですよねえ。怖いですねえ・・

 とにかく、電車に乗ってて地震にあい、逃げる途中で赤ん坊を見つけたOLが避難所に避難してから一生懸命世話をするという話や、デパートで地震にあった時の客たちの反応とか、いろんな人のその時の対処が本当にリアルに書いてあるんです。推理小説ではないけど、一度は読んでみて損はないと思いますね。


 

 河童殺人事件 斉藤栄 著                    

 鎌倉の病院で看護婦が殺され、川崎の産院からは赤ちゃんが誘拐される・・・となれば悲惨な事件のようなのだけど、その赤ちゃんのそばに看護婦が一緒についていることで、なんか安心感が・・・

 誘拐の現場に居合わせたことで、一緒に連れていかれた看護婦が必死に赤ちゃんを犯人から守ろうとする様子がもう感動もの!

 斉藤氏の作品は魔法陣シリーズが面白いけれど、最近はタロット日美子シリーズや彼女のダンナの二階堂警部シリーズが面白いですね。

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