2000.8月  はなのほろ酔い小部屋

ようこそはなの屋根裏へ
天窓からお星様も覗いています
少しの間はなのおしゃべり聞いてね

暑くて食欲減退の午後に
ビールを飲むわけにはいかないような
そんなとき、
アイスティがおいしいですね!
パッケージも可愛い「メープルティー」
ホットにすると、甘い香りが強すぎる気がして、
私は、もっぱらアイスティです。


今日のおはなし・・・・奈良の夏です


奈良へ行きました。
昨年から、8月のお盆の時期に新しくはじまった
「燈花会(とうかえ)」という行事を見に
行ったのです。
何千本ものろうそくがゆれる
古都の夜です。
蒸し暑い大阪の下町を離れて、
ろうそくのほの明かりに誘われて、
夕涼みと参りましょう・・・。



近鉄奈良駅を降りると
行基様の像があります。
「行基さんのとこで」
というのが、奈良駅の
待ち合わせの定番です。
行基さんの横をぐるりと廻って、
東向通りをずっと行くと
猿沢池のまわりをぐるりと
ろうそくが取り巻いていました。
「ほたるとろうそくのエリア」と
名付けられたところ。
昼間とは全然違う表情の猿沢池です。
道に並ぶ提灯にも
「なら燈花会」の文字が
浮かび、
雰囲気を盛り上げます。
次のエリアへ行く左手には
ライトアップされた
興福寺の五重塔も
見えます。
五重塔に見とれながら、
進んでいくと、正面に一の鳥居が・・。
鳥居を右に行くと、
「船灯りとろうそくのエリア」
そして「竹灯りのエリア」と分かれます。
可愛いぼんぼりのような灯りの
ともる道をおぼつかなげに
進みます。
ろうそくの灯りのイベントなので、
余分な街灯などはすっかり
消えています。
スニーカーでよかった・・^^;
と、私は思いました。
右は、「江戸三」
ひとつひとつのお部屋が独立して
奈良公園内に分散する
料理旅館です。
静かな古都の夜によく似合う
たたづまいですね。
たどりついたところは
「船灯りとろうそくのエリア」
鷺池に浮かぶ浮見堂です。
写真には写っていませんが、
池に浮かぶボートも舳先に
ちょうちんをつけてゆらゆら
池の表を進んでいました・・。
空には夏の月・・今夜は上弦の月です。
浮見堂から少し戻ると、
左手にぼぉっと、たくさんの灯りが
見えてきました。
近づいていくと、たくさんの竹組みの中にともる
ろうそくの灯り
「竹灯りのエリア」浅茅が原です。
高い灯り、低い灯り、
昔の人が狐や狸が出ると思った林の中に
たくさんの灯りが美しく揺れていました。

竹組みの中に浴衣姿の女の子・・・。
灯りに誘われてやってきた、何かの化身?
もしかして、可愛いしっぽが
のぞいてるのでは?と、    
ふと思ってしまいました・・。
 

夢を見ているようなふうわりした気分で、
浅茅が原を後にして、
メイン会場の新公会堂前の浮雲園地へ・・。
途中に見えたこの美しいライトアップの建物は
旧・奈良県物産陳列所。
現在は仏教美術資料研究センターに
なっています。
メイン会場のエリアは
「一客一燈ろうそくのエリア」
ろうそくの販売も行っていて、
自分で火をともすこともできます。
地面に延々と並べられたろうそくは、
約4,000本。
夏の一夜の夢のような風景です。

お仕事の帰りに
立ち寄った人。
浴衣姿で、
夕涼みにやってくる人。
さまざまな人が
ふと日常を離れて、
灯りに見入っています。
たくさんの灯りも
ひとつひとつは
こんなふうな
カップに入った
ろうそくです。
灯りの間をそぞろ歩くうちに
そろそろ終わりの時間が近づいてきました。
ちなみにイベントは午後7時にはじまり、
9時半頃に終了の予定です。
 
係の人の「はい、消して下さーい・・・」という声に
見ていた人も、主催する人も、
いっせいに、近くのろうそくを消してゆきます。
地面に揺れているひとつひとつを手にとって、
そっと吹き消します・・・。

夢の一夜の終わりです・・。
消えはてて、真っ暗になったあたりは、
まるで一つのお芝居が終わって幕が下りたように
感じられました。
なお、この催しは、
8月6日〜15日まで、
10日間だけの灯りの祭典です。
毎日毎日、夕方5時になったら
ろうそくをひとつひとつ置いて、火をともすそうです。
雨が降ったら、一巻の終わり。
係の人のご苦労を思ってしまいました。
お近くの人はぜひお出かけしてみてはいかがでしょうか・・・?