2004.11月 はなのほろ酔い小部屋
今日のお話・・共に生きてゆきたい 今年の秋、 私は学生時代の友人と、3つ年下の従姉妹と、 二人をおくりました。 50歳の誕生日を目前にすると さすがにこういうこともあるのか・・と思う反面、 寂しさと悔しさが募ります。 二人とも、思ってもいなかった病に 突然襲われ、 この世を去ってしまったのです。 一人は親を看取った直後のことであり、 一人は高校生の一人娘を残して。 私たちの世代は、 働き盛りと言われる年代で、 親の世話をしたり、だんなさんのサポートをしたり また、子育ての最終段階として小さい子を育てるのとは別の忙しさを抱え、 自分の健康を省みるときがあまりありません。 そして、病は、そんな隙を狙って 容赦なく襲うこともあるのです。 「もっともっと生きていたかったに違いない・・・!」 学生時代のアパートの一部屋で笑い転げている彼女、 お洒落談義に花を咲かせた彼女、 子供の頃、一緒にプールで泳いだ彼女、 呑気に、好きなコミックスのことを手紙に書いてきた彼女、 子育てのことや働きながら家事をする忙しさのことをもらす彼女、 二人のいろいろなシーンが、秋の陽射しの中で ふと思い出され、仕事の手を止めて、少し涙がこぼれます。 今この忙しい年代をくぐり抜けたら、 またゆっくりと再会し、昔のこと、今のことを語り合うはずだった 彼女たち。 今はもうそんなことは、夢になってしまいました。 離れていても、お互いに、元気に一緒に年を経ていると思っていたのは まちがいだったのです。 シワが増えた、体型が崩れた、シミが増えたと そんな他愛のないことで、また一緒に笑い転げたかったのに それはもうできないことなのです。 今年のはじめに、こういう終わりが増えてくるはずだと思っていたのに また日常の忙しさの中で、いつの間にか、 私はそれを忘れて暮らしていたのです。 そして、 少し涙をこぼした後で、私はいつも思います。 親よりは絶対に長く生きよう、生んだこと育てたことを哀しませないために。 主人より絶対に長く生きよう、一人残って立ちすくむ姿にさせないために。 子どもより・・子どもよりは長く生きられなくても、 せめて、早過ぎると泣かれないように、一人前になるまでは生きよう。 そして、 早く亡くなってしまった彼女たちのことを ずっとずっと覚えていて語りたいから、 私の中で共に生きているように感じていたいから、 私は、少しでも、健康で長く生きよう。 生命が消えるのは、ほんとうにつらいものです、 ましてそれが、早過ぎる終わりであるとき。 燃えるような紅葉を見るたび 花々の蕾がふくらむのを見るたび、 夕日の美しさ、月の静けさ、それらを見るたび、 彼女たちの思いと共に生きていこうと思います 私の命のある限り・・ |