日記+α

インターネットには、こんな、話も出回っています。もちろん全てジョークですから、本気にしないで下さいね。

HANAGE

日本経済新聞 11月16日 朝刊
(ジュネーブ発 西山 章宏)

 スイスの保養地、ダヴォス・プラッツで11月10日から11月14まで、行われた、世界知覚認識学会(ミシェル・ポーター会長)で、北海道大学医学部の斉藤信(まこと)教授が提唱した、痛みを表す「hanage」と言う単位を、世界で共通の単位とする事が承認された。
 本来、痛みは、個人差が大きく、同じ刺激でも主観によって感じ方が異なるため、客観的に数値で表すことは、不可能であると思われていた。
しかし、斉藤教授は、「鼻の粘膜は、人体の中で一番個人差が小さい。」事に注目し研究を進めた結果、1pの鼻毛を、1N(ニュートン)の力で、引っ張る時に生じる痛みを、1hanageと定義出来ることを発見し、そして今学会で単位として承認された。
斉藤教授によると、足の小指を角にぶつけたときの痛みは、2〜3Khanage(キロハナゲ)、お産の時の痛みは2.5〜3.2M hanage(メガハナゲ)になるのだそうだ。
「痛みを数値で表すことにより、正確な治療に役立つ。」(斉藤教授)そうで、今回の発見は、大変画期的だそうだ。
「日本人の提唱する単位が、世界で認められるのは、非常に珍しい。」(京都大学 横田昌平教授)そうで、日本発の「グローバル・スタンダード」は、驚きをもって迎えられている。
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 日本や欧米各国の政府は、来年から痛みの統一単位、「ハナゲ」を採用することに決めた。ニュートン、ヘクトパスカルに続く新単位の登場で医療機器や薬品のメーカーは対応に追われている。

 国際標準化機構(ISO)によれば、1ハナゲの定義は「長さ1センチのハナゲを鉛直方向に1ニュートンの力で引っ張り、抜いたときに感じる痛み」

 大気汚染とハナゲの成長速度の相関性について研究していた永井花外・室蘭私立医科大学教授が、二年前、鼻毛を鉛直方向に抜いたときの痛みに、性別さや個人差がまったくない事を偶然発見したため、この基準が採用された。

 これまで、痛みについてはその程度を示す明確な数値がなかったため、「子どもを産んだときはすごく痛かったわ」「痔の手術の後の抜糸は痛いなんてもんじゃない」「ムチがいいか、ロウソクがいいかと問われれば私は迷わずムチを選ぶ」といった論争が起こっていた「ハナゲ」の採用で、これらの無意味な論争にも決着がつくとみられる。

 中高生の間では番長選出度の透明化への期待が高まっている
永井助教授によれば、麻酔なしで虫歯を抜いたときの痛みは=500ハナゲ、タンスの角に足の小指をぶつけたときの痛みは=200キロハナゲ、分娩の痛みは=2、3メガハナゲ程度だという(安産型骨盤の場合)

 なお、日本政府では恥ずかしさの単位として、見知らぬ人の面前でお稲荷さんがポロッと露出してしまったときの恥ずかしさ「イナリ」を採用することも検討している。

関係者各位
以下の国際標準化機構(ISO)の発表に伴い、昨日、東京・国際フォーラム
において行われた日本非政府団体連盟主催の標準化単位認定評議会が
行れましたので、議事録を送付致します。宜しく御査収下さい。


HANAGE2

            標準化単位認定評議会議事録

     開催日時:11月19日(木)  19:30〜21:30
     場所:東京・国際フォーラム 大ホール

1. 痛みの基準「ハナゲ」の単位認定に関しては、委員会メンバーは概ね賛成。
「長さ1センチの鼻毛を鉛直方向に1ニュートンの力で引っ張り、抜いたときに感じる痛み」という定義に関しても大きな反対意見、懸念事項はなし。

2.騒音に対する単位として「デジベル」が挙げられるが、さぶいギャグを言われた際の場の静けさを表わす単位として「カエレ」を新たに認定しようという意見あり。基準としては、1つのおやじギャグがすべった静けさを1カエレとした場合、10カエレで、強制退場に匹敵するのではないか?との見解あり。今後も論議を続ける予定。尚、英語表記では1GHM(Go Home/ゴー・ ホーム)が簡潔で良いのではとの意見。

3.快楽度を表わす単位としては、コロンビア大学小里助教授から「アハン」が 望 ましいとの見解。但し、これは性的快楽度のみならず、一般的な快感度・不快度 も表わすことができる。 例えば、満員電車で隣のおやじのくしゃみに出くわした場合、−15アハン。 首のツボを指圧された場合、約7アハンが相当されるとの事。 尚、毎年12/24、25頃には、お熱
いカップルの熱気で地球全体で5万メガア ハンが記録されるとの見込み。科学者達の間では約4万メガアハンを超える と、地球の表面温度が1℃上がると予想されるため、世界地球温暖化を防ぐために も対策案を練ることが急務。

4.イナリの単位については、各界からの見識者達から「単位が大きすぎるのではないか」との声。 男性が短パン着用時に起きる現象を基準にしているが、補助単位としてブルーマ ー着用時にパンツがはみ出した状態を基準とした、1ハミパン、他にも1ポロリ 、1チクビ等も検討すべきではとの意見も出た。 次回の開催については、未定だが世論の反応次第では、今後論議を沸かしそうである。

2月1日からブリュッセルで催されている、臨床心理学世界大会(CPA)で、北海道大学医学部の斉藤信(まこと)教授が提唱した、悲しみを表す単位 「ネロ」が世界で共通の単位として承認され、注目を集めている。 従来より、悲しみなどの感情は個人差が大きく、男女の性別や世代によっても 感じ方が異なるため、計量化して数値で表すことは、不可能であった。 しかし、斉藤教授は、世界中に広く知られている物語として有名な「フランダースの犬」 の最終回を見たときに感じる悲しみが、男女間や世代間で差異がない事を 発見し研究を進めた結果、最終回で主人公のネロ少年が天国へ上って行く瞬間に生じる悲しみを「1ネロ」と定義できるとしている。 斉藤教授によると、財布を落とした時の悲しみは、男女共通で約2〜4ネロ、 失恋の悲しみは男女差、及び個人差が大きく、男性で1〜7ネロ、女性では1. 8 から20ネロ近くに達することもあるとい
う。 斎藤教授は、昨年11月の世界知覚認識学会でも、痛みを表わす世界共通の単位「ハナゲ」を提唱したことで注目を集めており、「ハナゲ」に続く今回の発見により 「今世紀最後の、日本人によるノーベル科学賞受賞者になることは、間違いない。 (東北大学 阪田明寛教授)との声も上がっている。更に斎藤教授は「ネロ」を 補助する単位として「パトラッシュ」(1パトラッシュ=0.0001ネロ)を 使用することも提唱しており、これらを併用することによって、「JRの7人掛けシートの真ん中の割れ目に座ってしまったときの悲しみ等、より細かな悲しみも数値化することができる」としている。

以上は明らかにチェーンメールの類です。人に送るのはやめましょう。

ドラえもん

のび太とドラえもんに別れの時が訪れます。それは、なんともあっさりと...。

のび太はいつものように、宿題をせずに学校で叱られたり、はたまたジャイアンにいじめられたり、時にはスネ夫の自慢話を聞かされたり、未来のお嫁さんであるはずのしずかちゃんが出来杉との約束を優先してしまう、などなどと、とまあ、小学生にとってはそれがすべての世界であり、一番パターン化されてますが、ママに叱られたのかもしれません。とにかく、いつものように、あの雲が青い空に浮かんでいた、天気のいい日であることは間違いないことでしょう。そんないつもの風景で、

ドラえもんが動かなくなっていました...。

当然、のび太にはその理由は分かりません。喋りかけたり、叩いたり、蹴ったりしっぽを引っ張ってみたりもしたでしょう。なんの反応も示さないドラえもんを見てのび太はだんだん不安になってしまいます。付き合いも長く、そして固い友情で結ばれている彼ら、そしてのび太には動かなくなったドラえもんがどういう状態にあるのか、小学生ながらに理解するのです。その晩、のび太は枕を濡らします。

ちょこんと柱を背にして座っているドラえもん...。

のび太は眠りにつくことができません。泣き疲れて、ただぼんやりしています。無駄と分かりつつ、いろんなことをしました。できうることのすべてをやったのでしょう。それでも何の反応も示さないドラえもん、泣くことをやめ、何かしらの反応をただただ、だまって見つめ続ける少年のび太。当然ですがポケットに手を入れてみたり、スペアポケットなんてのもありましたが動作しないのです。

そして、なんで今まで気付かなかったのか、のび太の引き出し、そう、タイムマシンの存在に気がつくのです。ろくすっぽ着替えず、のび太はパジャマのまま、22世紀へとタイムマシンに乗り込みます。

これですべてが解決するはずが...。

のび太は、なんとかドラミちゃんに連絡を取り付けました。しかし、のび太はドラミちゃんでもどうにもならない問題が発生していることに、この時点では気が付いていませんでした。いえ、ドラミちゃんでさえも思いもしなかったことでしょう。「ドラえもんが治る!」、のび太はうれしかったでしょう。せかすのび太と状況を完全には把握できないドラミちゃんはともにかくにも20世紀へ。

しかしこの後に人生最大の落胆をすることになってしまうのです。動かないお兄ちゃんを見て、ドラミちゃんはすぐにお兄ちゃんの故障の原因がわかりました。正確には、故障ではなく電池切れでした。そして電池を交換する、その時、ドラミちゃんはその問題に気が付きました。

予備電源がない...。

のび太には、なんのことか分かりません。早く早くとせがむのび太にドラミちゃんは静かにのび太に伝えます。『のび太さん、お兄ちゃんとの思い出が消えちゃってもいい?』当然、のび太は理解できません。なんと、旧式ネコ型ロボットの耳には電池交換時の予備電源が内蔵されており、電池交換時にデータを保持しておく役割があったのです。そして、そうです、

ドラえもんには耳がない...。

のび太もやっと理解しました。そして、ドラえもんとの思い出が甦ってきました。初めてドラえもんに会った日、数々の未来道具、過去へ行ったり、未来に行ったり、恐竜を育てたり、海底で遊んだり、宇宙で戦争もしました。鏡の世界にも行きました。どれも映画になりそうなくらいの思い出です。

ある決断を迫られます。

ドラミちゃんは、いろいろ説明をしました。ややこしい規約でのび太は理解に苦しみましたが、電池を交換することでドラえもん自身はのび太との思い出が消えてしまうこと、今のままの状態ではデータは消えないこと、ドラえもんの設計者は、設計者の意向で明かされていない(超重要極秘事項)ので連絡して助けてもらうことは不可能であるという、これはとっても不思議で特異な規約でありました。

ただ修理及び改造は自由であることもこの規約に記されていました。

のび太、人生最大の決断をします。

のび太はドラミちゃんにお礼を言います。そして「ドラえもんは、このままでいい。」と一言、告げるのです。ドラミちゃんは後ろ髪ひかれる想いですが、何も言わずにタイムマシンに乗り、去っていきました。のび太、小学6年生の秋でした。


あれから、数年後...。


のび太の何か大きく謎めいた魅力、そしてとても力強い意志、どこか淋しげな目、眼鏡をさわるしぐさ、黄色のシャツと紺色の短パン、しずかちゃんが惚れるのに時間は要りませんでした。外国留学から帰国した青年のび太は、最先端の技術をもつ企業に就職し、そしてまた、めでたくしずかちゃんと結婚しました。そして、それはそれはとても暖かな家庭を築いていきました。ドラミちゃんが去ってから、のび太はドラえもんは未来に帰ったとみんなに告げていました。そしていつしか、誰も「ドラえもん」のことは口にしなくなっていました。しかし、のび太の家の押入には「ドラえもん」が眠っています。あの時のまま...。

のび太は技術者として、今、「ドラえもん」の前にいるのです。

小学生の頃、成績が悪かったのび太ですが、彼なりに必死に勉強しました。そして中学、高校、大学と進学し、かつ確実に力をつけていきました。企業でも順調に、ある程度の成功もしました。そしてもっとも権威のある大学に招かれるチャンスがあり、のび太はそれを見事にパスしていきます。そうです、「ドラえもん」を治したい、その一心でした。人間とはある時、突然変わるものなのです。

それがのび太にとっては「ドラえもんの電池切れ」だったのです。修理が可能であるならば、それが小学6年生ののび太の原動力となったようでした。自宅の研究室にて...。

あれからどれくらいの時間が経ったのでしょう。しずかちゃんが研究室に呼ばれました。絶対に入ることを禁じていた研究室でした。中に入ると夫であるのび太は微笑んでいました。そして机の上にあるそれをみて、しずかちゃんは言いました。

『ドラちゃん...?』

のび太は言いました。

『しずか、こっちに来てごらん。今、ドラえもんのスイッチを入れるから。』

頬をつたうひとすじの涙...。

しずかちゃんはだまって、のび太の顔を見ています。この瞬間のため、まさにこのためにのび太は技術者になったのでした。なぜだか失敗の不安はありませんでした。こんなに落ち着いているのが辺だと思うくらいのび太は、静かに、静かに、そして丁寧に、何かを確認するようにスイッチを入れました。

ほんの少しの静寂の後、長い長い時が繋がりました。


『のび太くん、宿題は済んだのかい?』


ドラえもんの設計者が謎であった理由が、明らかになった瞬間でもありました。


あの時と同じように、空には白い雲が浮かんでいました。


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