297a山野草料理の部(レシピ)
(c)2014-, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan. (田園科学室)
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イタドリの塩漬け('14年05月03日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室) |
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図1:イタドリ、簡単に折れる部分を。 | 図2:皮を剥き1晩水にさらす。 | 図3:塩とイタドリを交互に詰める。 |
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図4:下漬け後、しぼって本漬けへ。 | 図5:絞って塩をまぶす。 | 図6:ラップ後ポリ袋で密封、冷凍。 |
1940年代から生きているが私の住む村近辺でイタドリを加工・保存する習慣はない。子供が春の野山で採って、おやつ代わりに、皮を剥いて生食したり、遊び(水車を作る)に使ったりしていた。 ただ、地方によっては塩漬けにして保存するらしい…とは耳にしていた。 最近(2014年)になって、山野草に詳しい人が作ったイタドリ料理を食べさせていただいたが、これがなかなかの美味。酒の肴にもなる…となれば、作る価値あり。 生食以外、イタドリ料理の出発点は「塩漬けのイタドリ」が素材。塩漬けをそのまま漬物として食べるわけではない。 以下は試してみた塩漬けの手順と注意点。 なお、予備知識として20℃の水100mlには最大35.9gの塩が溶ける(濃度は26.4%)ことを記憶して作業にかかりたい。 (採取) (1)野山で、肉厚で軟らかい若い茎を採る(図1)。 *刃物を使わず、手で簡単に折って採れるものが良い。 (皮剥き) (2)10〜15p程度に手で折り、折れた端から皮を剥く。 (さらし) (3)大量の水(または水を取り換えながら)、水にさらす(図2)。 *体に悪いシュウ酸を減らすため。 *僅かな酸味は残す。 (4)ザルにあげ、布巾等で軽く包んで水を切る。 (下漬け) (5)ポリ袋を用意。 (6)底に粗塩を振り、イタドリを1層敷きつめる。 (7)以後、塩とイタドリを交互に(図3)。 (8)最後に塩を振った後、周囲に若干量の飽和食塩水(26.4%)を回し入れる。 (9)重石をして1日置く(図4)。 (本漬け) (10)浸み出してきた水を捨てる。 (11)イタドリを、手で軽くしぼる。 (12)下漬けと同じ手順で3〜4日漬ける。 (保存) (13)イタドリを手で軽くしぼり(図5)、ボールに入れる。 (14)塩をまぶす(塩漬けイタドリの約5%)。 (15)1回の料理に使いそうな分に分ける。 (16)ラップで包み、手で圧して空気を追い出す(図6)。 (17)ポリ袋(フリーザーバッグ等)に密封または真空パック。 (18)冷凍庫で保存。 *解凍は冷蔵庫内、または室温で。 |
イタドリの味付ポン酢漬け('14年05月23日) |
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図1:塩漬けを水/流水で塩抜き。 | 図2:封筒水に30秒〜1分。 | 図3:水/流水で急冷、10〜30分。 |
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図5:縦裂き、揃えて4〜5pに切る。 | 図6:味付ポン酢に漬け込む。 | |
イタドリの調理は、ほぼ全て塩漬けの材料が出発点。 ここに紹介するオリジナルは名付けて「味付ポン酢漬け」。熱々ご飯に載せて、酒肴として、楽しめる。コリ・コリした心地よい歯ごたえは快感。 塩抜きの念押しとシュウ酸除去のために熱湯をくぐらせる過程を入れたが、この時間が長過ぎると食感が損なわれる。事前の水洗いを念入りにして、熱湯の時間を短くしたい。 手順と注意点は以下のとおり。 (イタドリの塩抜き・アク抜き) (1)別項「イタドリの塩漬け」のように塩漬け冷凍していたイタドリを準備。 (2)流水で(または何度も水を換えながら)塩抜き(図1)。 (3)時々味見、塩辛さと酸味の程度を確認。 (4)10〜30分ほど経って、塩辛さと酸味の変化が少なくなれば湯通しへ。 (5)湯どおし:は熱湯に30秒〜1分、(2)〜(4)を入念にして、短く済ませる(図2)。 (6)引き上げて流水/冷水で急冷、10〜30分さらしておく(図3)。 (漬け込み) (7)材料(2人分): ・イタドリ(軽く手で絞って)…30g ・味付ポン酢………15ml ・刻んだダシ昆布…2g*料理鋏で切る ・カツオ(削り節)…1つまみ ・七味唐辛子…少々(適宜) (8)イタドリを好みの幅で縦に裂き、揃えて適当な長さ(4〜5p)に切る(図4)。 (9)上記材料を混ぜ合わせ、容器に入れ、ラップして冷蔵庫へ(図5)。 (10)1晩〜1日置けば完成。 *昆布から粘りが出るので、混ぜてから食べる。 |
イタドリとワカメのキンピラ風('14年05月23日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室 |
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図1:塩漬けイタドリ、ワカメ、などを準備。 | 図2:ショウガ、ワカメ、イタドリの順に炒める。 |
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図3:火が通ったら、調味料、最後にゴマとゴマ油。 | 図4:完成。 |
イタドリそれ自体に深い味わいはない。長く漬けこんで発酵させればメンマのような感じになって(?)味わいが増しそうな予感はありますが、この課題はまた来年へ持ち越し。 今のところ、コリコリして快感を覚える歯ごたえを大事にしながら、どんな味を纏(まと)わせるかだけを考えて調理。 今回は、海で拾ってきて「湯抜き乾燥ワカメ」にして保存していたワカメと併せて、キンピラ風に炒りつけました。 以下は、手順と注意点。 (イタドリの準備) (イタドリの塩抜き・アク抜き) (1)別項「イタドリの塩漬け」のように塩漬け冷凍していたイタドリを準備。 (2)流水で(または何度も水を換えながら)塩抜き。 (3)時々味見、塩辛さと酸味の程度を確認。 (4)10〜30分ほど経って、塩辛さと酸味の変化が少なくなれば湯通しへ。 (5)湯どおし:は熱湯に30秒〜1分、(2)〜(4)を入念にして、短く済ませる。 (6)引き上げて流水/冷水で急冷、10〜30分さらしておく。 (炒りつけ)) (7)材料を準備(4〜5人分): ・ゴマ油(炒め用)…大匙1〜2 ・生姜………………5g *粗い微塵切り(図1) ・イタドリ(軽く手で絞って)…100g *縦裂き後長さ5p前後に切る(図1) ・ワカメ(乾燥ワカメ)………5g *数分水にもどして2p角程度に切る(図1) ・調味料 酒・…大匙2 味醂…大匙1 砂糖…大匙1.5 ダシの素顆粒(本だし)…小匙1 醤油(濃口)…大匙2 ・七味唐辛子…少々(適宜) ・ゴマ(炒り胡麻)…大匙2 ・ゴマ油…適宜*仕上げの香り付け (8)フライパンにゴマ油。 (9)生姜を炒める。 (10)ワカメを加える(図2)。 (11)イタドリを加える(図2)。 (12)ほぼ火が通ったら調味料を上記の順に加える。 (13)なお、醤油は少しずつ加えながら味見、味を調える。 (14)味が整ったら、ゴマを加える(図3)。 (15)七味を加え、ゴマ油で香り付け。 (16)盛り付ける(図4)。 |
ウド(ヤマウド)の酢味噌和え('14年05月03日) |
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図1:ウド(野生のウド、ヤマウド) | 図2:皮を剥いた茎(下)。 | 図3:酢水にさらす。 |
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図4:縦に薄切りした後、酢水に。 | 図5:好みの酢味噌を添える。 | |
ウドは、本来は野生植物に付けられた名(和名)。しかし世間では、これを山菜として採る場合にヤマウド、栽培(白化栽培)する場合にウドの名をあてることが多い。 したがって、どちらの食べ方も同じ(大きな違いはない)。 ヤマウド即ち野生のウドはアクや香りが強過ぎないか…という心配は、晩春の未だ短い(若い)茎については要らないと思う。 以下は、最も普通なウド、ヤマウドの食べ方、即ち皮を剥いだ若い茎で作る酢味噌和え。 (アク抜き) (1)若く柔らかいウド(図1)の茎を適当な長さ(10p余り)に切る。 (2)端から手で皮を剥く(図2)。 (3)酢水(水1.5リットルに酢大匙1)に投入、10分ほど置く(図3)。 (4)引き上げて、包丁で縦に薄く切る(厚さは好みで)。 (5)新たな酢水に投入、10分置く(図4)。 (酢味噌和え) 酢味噌: ・味噌の量は適宜(好みで)決める。 ・擂鉢(すりばち)で擂った味噌に味醂、砂糖、酢を味を見ながら少しずつ加える。 ・子供には、酢は少なめ、甘味が感じられるほうが好まれる。 (6)食べる直前にウドをザルに揚げて水を切る。 (7)酢味噌は各自に分配、和えるのは各自に任せる(図5)。 |
ウド(ヤマウド)の皮のキンピラ('14年05月04日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室) |
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図1:ウド(野生のウド、ヤマウド) | 図2:皮等を酢水に集める。 | 図3:肉厚の皮を選んで縦に細く切る。 |
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図4:葉柄、芯芽は縦に細く割る。 | 図5:酢水に半日曝した後、炒める。 | 図6:出来上がり。 |
ウドは、本来は野生植物に付けられた名(和名)。しかし世間では、これを山菜として採る場合にヤマウド、栽培(白化栽培)する場合にウドの名をあてることが多い。 種(種類)が違うわけではない。したがって、どちらの食べ方も同じ(大きな違いはない)。 ヤマウド即ち野生のウドはアクや香りが強過ぎないか…という心配は、晩春の未だ短い(若い)茎については要らないと思う。 以下は、若い茎で酢味噌和えを作る際に残る皮や若い未展開の葉で作るキンピラの作り方。 (アク抜き) (1)若く柔らかいウド(図1)の茎を適当な長さ(10p余り)に切る。 (2)端から手で皮を剥き、これはアクをとって酢味噌和え(別項)などに使う。 (3)残った皮などを酢水(水1.5リットルに酢大匙1)に全て投入(図2)。 (4)引き上げて、皮は肉厚の皮だけを選び、包丁で長さ4p程度に切り、 縦に細かく割る(太さは好みで)(図3)。 (5)軟らかい葉の柄や茎先端の新芽部分は縦に細く割り、 幼い葉は2〜4pに切る(図4)。 (6)新しい酢水に投入、以後2〜3回換えながら、半日前後(6〜8時間)置く(図4)。 (キンピラ) 材料: ウドの皮、葉柄、新芽、幼い葉 (*上記のように準備したもの) サラダ油(4〜6人分で大匙1〜2) 調味料:下記の割合を目安に、好みで。 酒大匙2、味醂大匙2、濃口醤油大匙2、砂糖小匙1、 カツオ削り節1握り、炒り胡麻大匙2、好みで一味唐辛子少々) (7)ウドをザルにあげて水を切る。 (8)フライバンに油入れて熱し、ウドを炒める(図5)。 (9)途中、調味料を上記の順に入れ、味を確認しながら炒り付ける。 (10)通常汁気がほぼ無くなるまで炒りつけるが、味が整えば途中でやめても良い。 (11)盛り付ける(図6)。 |
ギボシの炒め物(ベーコンと)('14年05月12日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室 |
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図1:流水で洗う。 | 図2:折りながら硬い部部を除く。 | 図3:水洗の後茹で、おひたしに。 |
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図4:適当な大きさに切る。 | 図5:サラダ油で炒め、味付け。。 | 図6:盛り付ける。 |
野菜、特に香りの強いセルリーとベーコンを炒めると美味しい。ベーコンの香りは強く、それに張り合う野菜の青臭さの組み合わせが食欲を掻き立てる。 ギボシの場合はどうだろうと、葉柄を炒めてみた。期待したほどではなかったが酒肴には悪くない。 手順と注意点は以下のとおり。 なお、ギボシは若いほうが良い。今回、既に葉が大きく展開していたので葉は捨て、葉柄だけを調理した。 材料: ・ギボシ(葉柄)………片手で1握り余 *青い部分が良い、赤紫色の根元部分は硬い。 ・塩……………………1つまみ(茹で水へ) ・ベーコン(スライス)…2枚 ・サラダ油……………大匙1(炒め油) ・醤油(濃口)…………小匙1程度 ・胡椒(粗挽き黒)……適宜 (1)ギボシ(葉柄)を洗う(図1)。 (2)随所で葉柄を折りながら、硬い部分を除く(図2)。 (3)水にさらす。 (4)引き上げ、塩1つまみを入れた熱湯で軽く茹でる(図3)。 (5)直ぐに水に放ち、急冷。 (6)握ってゆっくり圧して水気を切る。 *ヌメリが感じられる。 *要するにおひたしができる。 (7)適当な長さにに切り、ベーコンを刻む(図4)。 (8)先にベーコンを炒め、ギボシを加えて炒める。 *強火で。 (9)胡椒を加える。 (10)醤油を加える。 |
ギボシのおひたし(ごま和え)('14年05月12日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室 |
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図1:ギボシ。 | 図2:今回は葉柄だけを調理。 | 図3:折りながら硬いスジを除く。 |
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図4:流水に浸す。 | 図5:短時間茹でる、塩は1つまみ。 | 図6:流水に浸す。 |
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図7:ゴマを摺り、調味料を混ぜる。 | 図8:和えて、カツオとともに盛る。 | |
ギボシは若ければ葉柄だけでなく、葉の広い部分(葉身)も食べられる。今回は葉が既に大きく展開していたので葉柄だけを用いた。 最もポピュラーな調理法はおひたし。少しヌメリがある独特の食感を楽しみたい。 以下は、おひたしの手順と注意点。 材料: ・ギボシ(葉柄)……片手で1握り余(図1、図2) *青い部分が良い、赤紫色の根元部分は硬い。 ・塩……………………1つまみ(茹で水へ) ・炒り胡麻・…………大匙2〜3 ・醤油(濃口)…………大匙1〜2 ・麺つゆ(旨み調味料)……適宜 *要・・不要は好みで。 ・かつお(削り節)………適宜 *旨み調味料を使わない場合多い目に。 (1)ギボシを洗い(図1)葉柄だけにする(図2)。 (2)随所で葉柄を折りながら、硬い部分を除く(図3)。 (3)しばらく(10分ほど)水にさらす(図4)。 (4)引き上げ、塩1つまみを入れた熱湯で軽く茹でる(図5)。 (5)直ぐに水に放ち、急冷する(図6)。 (6)握ってゆっくり圧して水気を切る。 *ヌメリが感じられる。 (7)炒り胡麻を擂鉢で摺る(図6)。 (8)醤油、旨み調味料を加える。 (9)擂鉢の中へ、適当な長さ(約4p)に切り揃えたギボシを加えて和える。 (10)カツオ節を添えて盛り付ける。 *擂鉢に残った胡麻は掻きだしてかける。 |
コシアブラの天ぷら('14年04月29日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室 |
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図1:コシアブラ。 | 図2:天ぷら。 |
コシアブラは木の名前。その新芽を食べる。 山菜の女王と呼ばれるほど有名。定番の調理法は天ぷら。なお、それ以外の調理法は別の機会に。 若い芽(図1)を摘んでくるが、上の図より葉柄が伸びていても、天ぷらならそれほど心配しなくてよい。 以下は天ぷらの手順と注意点。なお、衣のレシピはそれぞれの家庭で愛用されている方法で良い。 (コシアブラの若い芽) (1)流水で、または水を換えながらよく洗う。 (2)ザルに揚げて、水きり。 (3)木部や芽を包んでいた殻状ないし鱗状の硬い皮を除く。 (天ぷらの衣) *以下に「割合」を示す。 材料: ・小麦粉(薄力粉)……1カップから大匙1を減じる ・片栗粉(またはコーンスターチ)……大匙1を小麦粉に混ぜる ・卵…………1個 ・冷水………卵をカップに割り入れ、溶いた後、 冷水を追加してカップを満たす。 (4)「小麦粉+片栗粉」を「卵+冷水」で溶く。 *練って粘りが出てしまわないよう、さっくり混ぜる。 *温まらないよう、使用直前に準備する。 (揚げる) (5)サラダ油(ナタネ油など)を使用、170〜180℃で香ばしく揚げる。 |
サワオグルマのおひたし('14年04月29日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室 |
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(上右)図1:サワオグルマ、茎葉。 (上中)図2:若く軟らかい茎葉だけを選ぶ。 (上右)図3:熱湯に少量の塩を加えた後、短時間茹でる。 (下左)図4:冷水/流水で急冷、向きを揃えて絞り、切って、カツオ節を添える。 少量の醤油で食べる。 |
サワオグルマ、正直言ってこの草が食べられるなんて思ってもみなかった…が、教えられて初体験。*オグルマは別属の植物で、食べられない。 私より百倍野草に疎(うと)く先入観が一切無い妻が思わず発した言葉は「あっ、ホウレンソウより美味しい!」。なるほど、言い得て妙。 おひたしの作り方は簡単。ホウレンソウのおひたしと何ら変わりはない。異なるのは、どこを食べどこを捨てるのか…つまりどの部位を摘んで来るのか、その選択だけ。 以下はおひたしの作り方の手順と注意点(念のため)。 (1)若く柔らかい茎、および若く軟らかい葉…蕾(つぼみ)のついている茎や大きく展開したもののまだ色やや浅く成長し切ってない葉、を食べる(図1)。 (2)花、蕾は捨てる。茎の下部は摘んで帰らない。なお、花は水盤やグラスの水に浮かべれば1、2日飾れる。 (3)流水で、または水を換えながら、揉まず泳がせるように優しく洗う。 (4)葉柄の最下部、虫食い跡等、花・蕾の直下などを切り捨てる(図2)。 (5)なるべく多量の水で短時間茹でる。塩は水1リットルに対し1つまみ程度。オグルマを投入して湯が再び沸騰始めて1分以内が目安(図3)。 (6)直ちに流水で急冷。 (7)引き上げて、材料を縦に揃え、手でウナギを掴むような形で、徐々に強く圧して絞る。 (8)棒状になった材料を、適当な長さ(4p前後)に切り、カツオブシを添えて盛る(図4)。 (9)少量の醤油で食べる。好みで麺つゆを使ったり、また胡麻を振るのも一興。 |
ツクシのなたね(炒り卵)('12年04月08日) |
(c)2012, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室) |
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図1:ツクシ(左)は、ハカマを除去(中)、よく水洗いする。 | 図2:つくしの「なたね(炒り卵)」 |
おからに多少の具を入れて「炒(い)る」と「卯の花」になる。卯の花とは初夏に咲く純白のウツギの花のこと。同様に、卵に(ときに多少の具材を入れて)炒ると「なたね」になる。「なたね」とは早春に咲く黄色の菜の花(=ナタネ油を採るために栽培するアブラナの花)のこと。こんな美しい料理の名前、どこの国にある?使い続けて、永久に残したい。 ここで紹介するのは、ツクシを具材にいれたなたね。なお油や、調味料は、好みで増減するが、以下の分量にこだわらず必要最小限にとどめることを薦める。 |
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I. 材料と準備 | ||||||
記号 | 材料名 | 規格 | 使用量 | 備考 | ||
4人前 | 人前 | |||||
<素材> | ||||||
A | 1 | ツクシ | (野生) | 100g | g | ハカマを除去、水洗いする |
B | 2 | 卵 | ― | 2個 | 個 | ほぐして使う |
<炒め油> | ||||||
C | 3 | サラダ油 | ― | 1大匙 | 大匙 | 可能な限り少なく |
<調味料> | ||||||
D | 4 | 酒 | ― | 2大匙 | 大匙 | |
5 | 花カツオ | 削り節 | 1つまみ | つまみ | ||
E | 6 | 塩 | ― | 少々 | ||
7 | コショウ | ― | 少々 | |||
F | 8 | 醤油 | 濃口 | 1小匙 | 可能な限り少なく |
U. 作り方(手順) (1)ツクシのハカマをとり除く。 (2)水で何度か洗い(=過剰な胞子を流し去って)、水を切る。 (3)フライパンにサラダ油を入れ、強火でツクシを炒める。 (4)軸が少し柔らかくなったら、火を止めて、酒とカツオを入れ、蓋をする。 (5)弱火で酒蒸し状態にし、ツクシの頭に火を通す。 (6)蓋をとり、塩、コショウを振る。 (7)同時に強火にして、酒・水分を一気に飛ばす。 (8)ほぐした卵を回し入れ、素早く、ヘラでかきまぜる。 (9)卵をかきまぜては、フライパンをあおる。 (10)卵に火が通ったら、火を止め、醤油を回し入れる。 V. 備考 *若いツクシが多いほど、苦味が残る。 *また、食後に残る渋味が嫌なら、ツクシを軽く下茹でしておく。 *胞子の飛び去ったツクシは軸が硬い場合がある。 *手順の(7)〜(9)を素早く行い、また醤油の量を減らせれば、美しい「なたね」の花が咲く。 |
ツワブキの炒め煮('14年04月18日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室) |
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図1:摘んで来たツワブキ。 | 図2:アク抜き(*茹でない場合) | 図3:出来上がり。 |
春、ツワブキを摘む機会が偶(たま)にある。 葉が未だ小さめで緑色が浅いものの葉柄に触り、柔らかくて曲げるとポキッと折れるようなら、とても美味しく食べられる。 普通のフキよりアクが強いのでは?と心配・敬遠する人もいるが、そんなことは全くない。 以下は、最も簡単な調理法、炒め煮。 なお、以下の調味料の量はおおまかな見当、味をみながら増減のこと。 (アク抜き) (1)葉は採取時に捨て、葉柄の部分だけを持ち帰る。 (2)最下部に曲げて折れない部分があるなら、切り捨てる。 (3)各々を長さ12cmぐらいに折る。 (4)沸騰中のお湯に投入、10〜20秒で素早く引き上げ、流水で急冷。 *この(4)は省略しても良い(上の図2は省略した場合) (5)端から、手で皮を剥き、ボウルに張った水へ投入。 (6)20分〜1時間置く(水を2回以上換える)。 (炒め煮) 材料: ・ツワブキ………500g(*図1中の量はこれより少ない) ・サラダ油………大匙2 ・酒………………大匙1 ・ミリン……………大匙2 ・砂糖……………大匙2 ・濃口醤油………大匙2 ・淡口醤油………小匙1 ・カツオ削り節……1握り(またはダシの素顆粒2〜4g) (7)ツワブキをザルに引き上げる。 (8)まな板上に揃えて、4cmまたは好みの長さに切る。 (9)フライパンにサラダ油を熱し、切ったツワブキを炒める。 (10)表面を炒めたら上記の順に調味料を入れる。 (11)混ぜながら熱し、味を見ながら、好みの程度まで煮つめる。 (12)適当な容器に移し、翌日まで置いてから食べる。 (13)すぐに食べる場合も、冷めてからのほうが良い。 フキの場合より色が濃く(黒く)なるが、苦みや渋みは概してフキより少ない。 |
ヨメナご飯('14年05月05日) |
(c)2014, ABA, Lab. Sci. Rural Life, Kobe, Japan(田園科学室 |
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図1:ヨメナ、先端の若い芽・葉。 | 図2:少量の塩を入れ短時間茹でる。 | 図3:冷水/流水で急冷。 |
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図4:絞って細かく刻む。 | 図5:カツオ節、醤油を加え混ぜる。 | 図6:ご飯に混ぜ、電子レンジで加熱。 |
ヨメナの料理で最もお薦め、したがって最もポピュラーなのが菜飯。ヨメナ飯、ヨメナご飯などと呼ぶが、作り方には大別して2つある。 1つはご飯に炊きこむ方法、もう1つは炊いたご飯に混ぜ込む方法。 ヨメナ飯はとても良い香りがするが、それを楽しむ風流を解さない家族(たいていは子供)もいるから、炊きこむよりは、混ぜ込むほうが気楽。 多くの山菜同様どの部位を摘んで帰るかが一番の問題で、調理法はとても簡単、おひたしの作り方と何ら変わらない。 刻んで混ぜる、この手間が最後に加わるだけのこと。 以下は、ヨメナ飯、特に混ぜ込み法の手順と注意点。 (1)若い芽の先端付近だけを摘む。長く伸びた茎の先端よりは、未だ短い茎の先端が遥かに良い(図1)。 (2)選んで摘んだとしても茎の固い部分が付いている場合もあるから、改めて確認して固い部分を切り捨てる。 (3)流水で、または水を換えながら、洗う。 (4)なるべく大量の水で茹でる(図2)。塩は水1リットルに対して1つまみ程度。湯が再び沸騰始めて30秒以内が目安(図2)。 (6)直ちに流水で急冷(図3)。 (7)引き上げて、手で徐々に強く圧して絞る。 (8)細かく刻み、カツオブシ、醤油少々、麺つゆか液体だしを極く少量、加えて混ぜる。 (9)炊いたご飯に混ぜる。 (10)炊きたてが望ましいが、炊きたてでなくても良い。混ぜた後、どちらの場合もラップを掛け、しっかり加熱する。 (11)茶碗が熱くなるので手と口の火傷、およびテーブルの損傷(焼け・溶け)に要注意。グラタンの場合のように、ミトンで持ち皿の上に置くこと。 |