その11

「んんっ・・・っあっ・・・あぁっ・・・」
片岡の熱いモノが、おれの内壁を擦り上げ、挿抽を繰り返す。
繋がった部分から紡ぎだされる淫靡な音が、片岡の腰使いとベッドのスプリングが奏でるユニゾンが、耳を刺激し、心を乱す。
重ねられた身体の熱さ、肩に乗っかっている片岡の口から漏れる熱い吐息、お互いの汗や体液、すべてを身体中で感じ、自分のポイントに当たるように、片岡の動きに合わせて腰を使った。



「あっ・・・イイ・・・そこっ・・・」



片岡にもわかってもらいたくて、思わず声が出た。
すると、うつぶせだったのを、仰向けに回転させられた。
もちろん、繋がったままで・・・
「あぁぁっ・・・」
角度を変えられ、変なところを擦られ、声をあげたおれに、片岡はキスをくれた。
「やっぱ正常位だよな・・・顔見ないと・・・」
腕を伸ばすと、片岡がいる。
背中に手を回し、ギュッと抱きしめた。
「意地悪してごめんな・・・亮があまりにかわいいから・・・もうしない。キモチよくしてやるからな」
再び律動し始めた片岡は、今度はおれの感じる部分をグリグリとついてきた。



「やっ・・・強いって・・・ンッ・・・はぁっ・・・」



胸につくほど膝をまげられ、腰を進められ、深い部分までえぐってくる。



「イイか・・・？亮・・・キモチいいか・・・？」
「イイッ・・・キモチい・・・峻・・・んんっ・・・」



片岡の腰を足で挟み込んで、もっともっととねだる。
壊れてしまってもよかった。



「峻・・・どう？・・・イイ・・・？」
「おまえ・・・すっげえ締めるから・・・サイコー」



前も律動に合わせて扱かれ、張り裂けそうなほどになっていた。
さらに、早まる律動に、身体がガクガク揺れる。



「もう・・・出る・・・イク・・・ア、アッ、あぁ・・・」



ビクンビクンと身体が震えなんとも言えない快感と脱力感と共に、おれが片岡の手を汚すと同時に、後ろがきゅっと締まったのがわかって、熱いほとばしりがおれの中に放たれた。
べたつく身体もかまわずに、片岡がおれの上に身体を重ねる。
その重みが愛しくて、背中に回していた手で髪を梳くと、啄むキスを何度も交わした。
まだ、おれの中におさまったままの片岡自身が、熱くて仕方がない。
「おれ、おまえのことすっげえ好きだから・・・もうウソなんてつくなよ？泣くのはおれの前だけにしろよ？」
はぁはぁと息を荒げるおれを見下ろして、汗で顔にひっついたおれの髪を指先ですくいながら、片岡は柔らかな笑みを漏らした。
返事のかわりに片岡の首にしがみついた。
「おれだって、あんたが好きだ。あんたしか・・・あんたにしかこんな顔見せないよ・・・」





片岡だから、どこにふれられても許せる。
片岡だから、ふれられると感じる。
片岡だから、キモチいい。



片岡だから、冷たくされると悲しい。
片岡だから、優しくされると、とんでもなく幸せ気分になる。



片岡のことだから、おれは悩む。
片岡のことだから、おれは臆病になる。



いつの間にか、片岡中心にまわっている。
いつの間にか、片岡がいちばんになっている。



おれと同じように、片岡もおれのことを思っていてくれたらいいな・・・・・・



「まだまだやるんだろ？それとももう歳でダメか？」
甘い雰囲気は好きだけど、苦手でもあるおれが片岡に冗談ぽく囁くと、片岡がぐいっと腰を動かした。
「んあっ・・・」
思わす声をあげたおれにクスリと笑いかける。
「言ったな？じゃあ覚悟するんだな。声が出なくなるほど喘がせてキモチよくさせてやるからな」









クリスマスの朝。
おれは挑発したことを後悔した。
なぜなら朝まで一睡もさせてもらえなかったから。
でも、キモチよかったことは確かだ
。足腰が立たなくなり、夕方まで動けなかったけれど・・・・・・
片岡と過ごした初めての聖夜は、満ち足りた夜となり、忘れられないイブの夜となった。