christmas serenade

甘い夜







第七話






「あっ、あっ、や・・・・・・ぁ・・・・・・っ、アッ・・・あ・・・ん・・・・・・」
絡めた手をシーツに縫い付けて、隆弘は凛を揺さぶっている。
華奢で細い身体が波打つように踊り、白い足は隆弘の腰にしっかり絡み付いていた。
背中に回された指先に力がこもり、隆弘の背肌を刺激するたびに、凛の感度の具合がダイレクトに伝わってくる。
もっと優しくしようと思っていたのに・・・・・・
可愛い言葉を並べ立てる凛に我慢できなかった。
凛に触れているだけですっかり臨戦態勢が整ってしまった。
親の愛情も知らずに育った凛は、誰かと肌を合わせたことなんてないのだろう。あまりの敏感さに隆弘は驚いた。
本来なら、親に抱き締めてもらうことで、多少なりとも人肌をいうものを知っているはずなのに。
しかし、隆弘はそれゆえの凛の無垢さに感謝していた。
隆弘の愛撫に逐一反応する凛が可愛くて可愛くて、隅から隅まで触りまくった。
男性同士のセックスには、挿入行為が伴わないこともあると知っているし、そういうカップルもかなり多いようだ。
しかし、隆弘は凛とひとつになりたかったし、凛もそれを望んでくれた。
いちばん近いところで、お互いを感じたい。
ふたりの気持ちに相違はなく、隆弘は十分すぎるほど凛の後ろを蕩かせた。
その甲斐あってか、凛も痛みを訴えることはなく、初めてにしてはかなりスムーズなインサートだったと思う。
それでも、凛にとっては、すべてが初めての経験だから、ゆっくりを心がけていたのだ。
しかし、今、隆弘は凛を思う存分貫いていた。
「い・・・や・・・ん・・・、たかひ・・・さ・・・・・・」
大きく脚を開き、薄目を開けて隆弘を一生懸命見ようとする凛は壮絶に色っぽい。
隆弘の律動に合わせて揺れる欲望に触れてやると、後ろがキュッと締まった。
「凛・・・イイか・・・・・・?」
コクコクと頷いて、絡めた手をギュッと握ってくる。
潤んだ瞳は目元が赤く染まり、見上げる視線はすがるような、それでいて先を促すような、何とも言えない色香を醸し出していた。
「熱・・・中熱い・・・たかひ・・・さんで、いっぱい・・・・・・」
キスしてほしそうにくちびるを舐めるのは反則だろうと思いながらも、身体を倒してキスをすれば、さらに結合が深まり凛は嬌声を上げた。
「ふ・・・ぅ・・・ん・・・・・・」
ディープなキスを交わして、汗で額に張り付いた髪を梳いてやり、顔中に口付ける。
触れ合うどこかしもが熱く、ふたりの感度をますます上げていった。
「あ、あ、アァ・・・ッ・・・・・・」
「きつくないか?」
スムーズだと言えども、凛にかかる負担はかなり大きいはずだ。
わかっているのに聞かずにはいられない。
そして、たとえ実際にきつくてもそれを隠し、凛がそう答えることもわかっているのに。
ただの自己満足だ、それよりももっと気の利いたことが言えないのかと情けなくなりながらも、何も頭に思いつかなくて、しかも揺さぶりを止めることもできずに、隆弘は凛の身体を貪り続けた。
すぐにイってしまわないように、探し当てた凛の感じるポイントを擦り上げれば、凛の艶めいた声が室内に響き、隆弘をキュッと締め付けてくる。
柔らかく絡みつく粘膜は、逃がさないとばかりに隆弘を包み込み、翻弄した。
「隆弘さんは・・・イイ・・・?きもち・・・い・・・・・・?」
「凛が上手だから・・・すごくイイよ・・・?」
そう答えれば、恥ずかしそうに、それでいて安心したように、ふわりと笑顔を浮かべる凛に、隆弘の欲望はグンと大きさを増した。
「や・・・だ・・・おっきくしないで・・・・・・?」
そんなこと言われてもどうしようもない。
可愛い可愛い可愛すぎる・・・
ふたりの下半身は、ローションと体液でベトベトになっていた。
そろそろ限界だ・・・・・・
これ以上可愛らしさを見せ付けられたらイってしまうぞ?
隆弘は揺さぶりを大きくした。
「あ、あっ、あっ・・・あぁ・・・っ、たかひろさ・・・そん・・・い、イッちゃう・・・・・・」
動きに合わせて凛の前を扱いてやると、すぐに悲鳴を上げて、隆弘に縋ってきた。
「いいんだ、凛。一緒にイこう・・・な?」
返事も聞かずに隆弘は高みへと昇りつめるために動き出す。
凛の片足を高く抱えなおせば密着度が増し、さらに奥へと腰を進めて揺さぶった。
「凛・・・凛・・・・・・」
「たかひ・・・さ・・・す、好きっ・・・好き・・・っ・・・・・・」
ある日突然隆弘の心にスルリと入り込んできた凛。
今までの人生、楽しい思い出よりも辛いことの方が多かったに違いないのに、孤独や悲しみを全て受け入れ、それらを生きる糧に変えて、一生懸命生きている。
誰に頼ることもなく、ひとりで社会と向き合い戦っている。
真っ直ぐで正直で、慎み深くおとなしいかと思えば、男性らしい行動力も持っている。
それでいて、隆弘を優しく包み込んでくれる柔らかさも持っている。
「おれも・・・凛が好きだよ・・・・・・愛してる・・・・・・・凛・・・・・・」
隆弘は全てを注ぎ込むように、凛に腰を打ちつけた。
「あ、あっ、あっ・・・も、も・・・ダ・・・やっ、あっ、あぁっ・・・・・・」
甘く濡れた声がひときわ高くなったと同時にものすごい収縮が隆弘を襲い、隆弘は凛の最奥を濡らした。
そして凛も、熱い迸りでふたりの肌を濡らした。






おわり





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