分布と気候
サザナイミンコは、南メキシコからパナマにかけての山岳地帯に分布していると言われています。
コスタリカのタラマンカ山脈に沿っては、特に多く見られます。
サザナミインコ亜種 分布地
和名 : トラフインコ 
学名 : bolbrbyncbus tigrinus

上の赤色の部分が、サザナミインコの生息する地域です。南メキシコの、南シェラマドレイ山脈付近から始まり、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマの山岳地帯に広がります。ここの一帯は、標高が1500m以上の火山脈が連なっており、同じ国内でも場所によって、熱帯雨林気候、熱帯雲霧林気候、サバナ気候、山岳地帯気候など、細かく分けると11ほどの気候が存在します。全体的には雨季と乾季の二季で構成されているのですが、同じ季節であっても、場所によってまったく異なった気候になります。

多様な気候に分かれた一帯ですが、サザナミインコは共通して、1500m〜2300mの高地の熱帯雨林を中心に生活していると言われています。日本で言えば富士山の5合目と同じ標高になります。普段耳にする熱帯雨林は、多量の雨から水分を得ていますが、サザナミインコの住む高地の熱帯雨林では、霧から水分を得ています。このような森を、熱帯雲霧林と言います。日本ではこのくらいの標高になると、霧は発生しても全体の水分を補えるほどではなく、また雨雲もあまり発生できず、水不足になりがちです。同じ標高でも、中米では熱帯性の植物が群生する土地になります。しかしやはり高地であるため、気温は低地に比べずっと低くなり、雨季には暖房器具が必要になるほど冷え込むようです。
一般的に、標高が100m増すごとに気温は約0.6℃下がると言われています。
したがって、1500m〜2000mの標高では、0mの海辺付近より約9℃〜12℃ほど低くなります。


トップページでもご紹介しましたが、サザナミインコの分布が特に多いとされている熱帯雲霧林は、湿度100%の霧が育てる森で、様々な珍しい動物が生息しています。幻の鳥と言われるケツァールも、このような森で多く見かけるそうです。

移動範囲は、森付近の、木が多く茂っている農村地でも確認されています。だいたい30〜50羽ほどで1グループとなって移動して、その中でそれぞれがペアになって行動します。

青い帯で示した辺りは、サザナミインコ亜種、トラフインコの分布地と言われています。以前は、サザナミインコの別名がトラフインコだと言われていましたが、現在は亜種に分類されたようです。このトラフインコの分布は、ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー北部の山岳地帯と言われています。
何かの違いがあって、わざわざトラフインコがサザナミインコから分けられたのでしょうが、何が違うのか、自分の勉強不足で分かりません。亜種とされているため、サザナミインコとトラフインコとの間にはそう激しい種別の違いはなく、2種間のハイブリッドも産まれるものと考えています。




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