紫宸殿
私が、「源氏物語」に興味を持ち始めたのは中学生の頃、
ちょうど古文を習い始めた頃でした。
難しくてわかりにくいけど、なぜか昔の人々の暮らしや気持ち、装束に関心がありました。
ちょうどその頃、女の子の間で漫画のまわし読みが流行っていました。
その中に私が初めて源氏物語に触れる事になる「あさきゆめみし」がありました。
京都に住んでいながらも歴史にはまったく興味がなく暮らしていた私に、
その本は美しいイラストとわかりやすいストーリーで、
こんなにも”私の京都観念”を変えてくれました。
今は、平安京(源氏物語)を身近に感じられる京都が大好きです。
このページでは、源氏物語のあらすじを
私が知っている範囲で、自分なりに
わかりやすく簡単に読んでみたいと思います。
勉強不足ですので、間違って解釈している部分も
たくさんあると思います。m(_ _)mよろしく
目 次 | ||||||||
光源氏の年齢(歳) | 1〜12 | 17 | 17 | 17 | 18 | 18〜19 | 18〜19 | 20 |
巻名 | 桐壺 | 帚木 | 空蝉 | 夕顔 | 若紫 | 末摘花 | 紅葉賀 | 花宴 |
光源氏の年齢(歳) | 22〜23 | 23〜25 | 25 | 26〜27 | 27〜28 | 28〜29 | 28〜29 | 29 |
巻名 | 葵 | 賢木 | 花散里 | 須磨 | 明石 | 澪標 | 蓬生 | 関屋 |
光源氏の年齢(歳) | 31 | 31 | 31〜32 | 32 | 33〜35 | 35 | 36 | 36 |
巻名 | 絵合 | 松風 | 薄雲 | 朝顔 | 少女 | 玉鬘 | 初音 | 胡蝶 |
≪桐 壺≫きりつぼ
いつの時代の帝であったのか。女御や更衣が数多くいた中で、
帝の寵愛を一身に集めている女性がいました。
その女性、桐壺更衣は周囲の女性たちや、
第一皇子(朱雀帝)の母・弘徽殿女御らによる
嫉妬や憎悪のために嫌がらせを受けるなかで、
光り輝くような美しい若宮(光源氏)を御産みになられます。
その後、執拗な弘徽殿女御らの嫌がらせのため
桐壺更衣は若くして亡くなられます。
帝はこの若宮を皇太子に望んでいましたが、
後見に恵まれない事を心配し、臣下にしました。
そして、若宮の祖母がお亡くなりになって、父帝が引き取られます。
若宮は母や祖母が幼くして亡くされたぶんも、
父帝にこの上ない愛情を注がれ育ちます。
それから何年か経ち、宮中に先帝の四の宮(藤壺女御)が、入内されました。
この時若宮は九歳、藤壺の女御は十四歳でした。
その女御は、亡き桐壺更衣に生き写しのようで、帝に寵愛されました。
若宮も母の面影を求め、藤壺女御に慕うようになります。
若宮は十二歳で元服し、左大臣の娘(葵の上)を妻としました。
この時から、源氏の姓を名のり、光源氏と呼ばれるようになります。
しかし、葵の上は幼い時から東宮妃にと育てられ
気位が高く、おまけに年上という事で
源氏との仲は溝が深まるばかりで、うまくいきません。
そんな光源氏は、亡き母の面影を持つ、藤壺女御に
継母以上の気持ち・恋心を持つようになっていきます。
≪帚 木≫ははきぎ
ある五月雨の降る夜、宮中に宿直をする源氏のもとに、
左大臣の息子(葵の上の兄)頭中将らが訪れてきました。
いつしか女性論になり、経験談もはずみます。
正妻の葵の上ともうまくいかず、藤壺宮への気持ちも抑える事が
出来ずにいる源氏は、さみしさでいっぱいでした。
源氏はあの五月雨の夜に、中流の女性の中にも魅力のある女性がいることを聞き、
その翌日、方違いにかこつけて、中川のほとり近くにある紀伊守邸に行き、
そこへ来ていた、紀伊守の父の伊予の介の若い妻(空蝉)と契ります。
源氏はその後も、空蝉の事が忘れられずに、近づこうとするのです。
≪空 蝉≫うつせみ
源氏はその後も空蝉に近づこうと文を託すのですが、
空蝉は自分が人妻である事を自覚し、拒みつづけます。
我慢できなくなった源氏は、ある夜更けに空蝉の寝床に
忍び込みました。かすかな衣擦れの音と、高貴な薫物の香りで
源氏の気配を感じた空蝉は、小袿を残したまま立ち去りました。
ひくに引けなくなった源氏は、その場にいた
空蝉の義理の娘(軒端荻)と契る事に。
源氏はその小袿をまるで透き通った蝉衣にも似た、
恋のぬけがらのように感じ、二条院へ持ち帰りました。
「空蝉の身をかへてける木のもとに なほ人がらのなつかしきかな」
実は空蝉も年老いた旦那に比べ(泣くなく結婚しなければならなかった)
美しく光る輝く源氏の君を嫌いになる訳がなかったのです。
しかし、伊予の介の哀しそうな後姿を見たくなくて拒み通したのでした。
≪夕 顔≫ゆうがお
源氏が六条御息所と付き合っている頃、
大弐の乳母を見舞いに五条を訪れました。
そんな折夕顔の花が咲く隣の家に隠れ住む女性から
歌を書いた扇子を贈られ通うようになります。
お互い名前も素性も知らない関係でしたが
源氏はやすらぎを得られました。
ひと時の幸せも束の間、ある日源氏はその女性を
古びた屋敷に連れて行きました。
風もなく、くちなしの匂いが強い夜
その夕顔の君は物の怪により亡くなりました。
(嫉妬に苦しむ、六条御息所の生霊により)
源氏の悲しみは、とても深く、病に伏し
北山で夕顔の供養と祈祷を受ける事にしました。
その後あの夕顔の君は、五月雨の夜、友人の頭中将の話した
ゆかりの女性で二人の間には三歳になる娘がいる事を知りました。
その娘は後に登場する、玉鬘(たまかずら)であります。
≪若 紫≫わかむらさき
北山に祈祷を受けに行った源氏は、その山里で
藤壺宮に良く似た面影の少女に出会います。
その少女は僧都の妹の娘と兵部卿宮の娘でした。
兵部卿宮は藤壺の兄なのでどうりで似ておいでです。
兵部卿には本妻がおり、気難しい方なので
こちらにはお越しになれない様子で。
僧都や祖母の尼宮は、少女の行く末が心配でなりませんでした。
そんな頃、源氏は宿さがりをしていた藤壺に会いに。
命婦の手引きで、お互い誰よりも愛しているのに
越えてはならない契りを交わしてしまうのでした。
つらくて、かなしい愛です・・・
そして藤壺はその夜の出来事で懐妊してしまい、
罪の深さに、悩み苦しむのでした。
一方源氏は、北山の少女の尼宮(祖母)がお亡くなりになり
そして兵部卿宮邸へ引き取られる事を聞き
急いで少女を二条の自分の屋敷に連れて帰りました。
少女も源氏がお気に入りのようです!
≪末摘花≫すえつむはな
夕顔の事を忘れられず、寂しさを受け止めてくれる女性を探していた源氏は
亡き常陸宮の忘れ形見の姫(末摘花)のうわさを聞き
乳母の子、太輔の命婦の手引きにより
古びた屋敷を訪れるのでした。
また、あの源氏のライバル、頭の中将もその姫に興味があり
源氏はますます姫に熱心に。そして源氏と姫は契るのですが、
情趣もなく物足りなく感じた源氏の足はすぐに遠のくのでした。
ある雪の日の夜明け、雪の明かりのなかで
初めて見た姫の容姿はやせ細り、鼻は高く、鼻先が赤く
それにどうみても変な衣装を着ており
あまりのショックに哀れに想うほどでした。
その年の暮れに不器用なその姫から
古びた衣装と手紙が贈られてきました。それを見た源氏は
これでもあの姫が一生懸命考えてくれたんだと
これからもお世話してあげようと思いました。
※末摘花は姫の鼻の赤い色と、赤い花(紅花)をかけて
源氏がよんでいたのです。(@^-^@)