わが家の稲作 >>更新実行
-- 稲作 --
1.
田の土づくり ①株起こし ②年明け ③代かき
2.
田植え
3.
稲の生育中
4.
稲刈り
5.
我が家の稲作「こよみ」
5.
トビイロウンカ対策
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1.田の土づくり
- ①株起こし
- 身体の省エネを考えるようでしたら、寒くなり雑草が枯れ出してからの方がよいようです。しかし、当方のように裏作を考えますと、部分、または全体に、耕すことになります。当方では、野菜を2、3畝ほど作っていますから、耕運機を何度も出すのが面倒で、たいてい全体を耕します。畝の所は別として、田の土作りの肥料として石灰窒素(1袋20kg:1~2袋/10a)を入れます。
昨年は、稲刈り後に雨が降り、ジャガイモの植え付けが遅くなるので焦ったものです。土が十分乾燥しないと、耕運機でこなせなく土が団子状になり、ジャガイモ・ダイコンの成長に支障をきたします。
- ②年明け
- 寒さも緩んだ頃に、とれ太郎を必要数(1袋20kg:4~5袋/10a)を入れます。
- ③代かき
- 当方、幼稚園「どろんこ遊び」をしてもらっている関係で、田は2回こなします。2回なら普通ですね。ただ、仕事をしているときは、ほとんど1回でした。それでも何とか実りはありました。当時は「水が抜けて仕方がない、もっとこなして」とよく言われました。田の中を(耕運機で)「回ってや」とも。今では、時間的な余裕もあり、理解できなかったことが実地でわかります。耕運機で「回ってや」というのは、つなぎ目をなくすためでしょう。
また別の水漏れ対策として、田の周りのコンクリート壁を剥き出しにせず、土の畦を作っています。昔の方はよくしたもので、これは非常に効き目があります。しかしこれも一長一短んで、水漏れの効果はありますが、畦の雑草刈りに苦労します。
基肥については、2回目の代かきの前に化学肥料14-14-14を入れます。古くは「リンカーン」(製造中止か)でした。RiNnKa-nnで、Riリン・Nn窒素・Kaカリからの命名でしょうか。「リンカーン」の成分から言うと化学肥料14-10-13になります。来年からは考えます。
2.田植え
農協から購入した苗に箱処理剤フルスロットル(予定でしたが違ったもの)をパラパラと降りかけます。その苗箱を田植機にセットし「さあ!いくぞ!」と、掛け声はいいものの、しばらくして苗が出ません。当方の田植機は、妻の友人から子犬・柴犬との交換でもらい受けたものです。2条植えの「連れて歩く」ものです。いや、「連れられて」歩き疲れます。いまでは、田に目印を付ける棒もありません。何でもセンサーが付いていて作付け間隔をよみ走るのがあるようで。まあいいのです。てなことで、起伏のある水面を見当を付け植え付けていきます。
この後、お日様が照らす中、田の四すみを手差で植えます。もちろん、田植機が「サボった?」ところも手差し。苗が足りないと、分糵した株を引っこ抜き、空いたところへ手差し。お隣のおばさまからは、「せっかく根が張ってきたのに」と叱られています。私にとっては、「僅かながらの見栄え」が大事なのです。
5月9日、除草剤デリカット(田植え4日前までに)投入。
5月14日、田植え。
5月30日、除草剤エーワンジャンボ投入(田植えから14日までに)。
3.稲の生育中
6月3日、追肥(化学肥料14-14-14と鶏糞(粒)の混合) 1.0kgほど生育が悪い所に投入。
6月8日、手差しの補植。6回目最終。分糵盛んなところを抜き取り、植わっていないところに植える
6月19日、追肥(化学肥料14-14-14) 500gほど生育が悪い所に投入。
6月24日、苗が足りない時の補植はどうしても、幼根を痛める。成長がかなり遅い。JAの方、大阪・奈良辺りでウンカが飛来していると。
--- ここまでは2021年の、ここからは昨年(2020年)の記録です ---
7月4日、少し干す。時期的には6月中旬がよい。
7月14日、「鹿」発見。田の北を走り去る。
7月15日、田に”おどし”する。(昨年、穂肥NK5kg投入)
7月17日、穂肥(NKバケツ1.6杯)ほど投入。
7月21日、稲穂に花が咲き始める。
8月15日、稲穂が少し色づき始めるか。
8月27日、ウンカ発生。JAの方に立ち会ってもらう。ビームスタークル購入。
8月28日、27日と本日に、粉剤まく。お隣に機械を貸してもらう。
8月31日、ウンカ発生状況、近所見て回る。南と北で発生。
4.稲刈り
昨年は、中国経由の「砂漠飛びバッタ」がくると、早くから唸っていましたが、見事に外れトビイロウンカでした。ウンカの稲はコンバンインに絡み、小さい田んぼだが、水分(ウンカの体液)多く2日かかりました。
5.我が家の稲作 「こよみ」
★キヌヒカリ・こよみ★
月 日 | 農作業 | 備考 |
2021 令和3年 |
2020 令和2年 |
1月~2月 | 土づくり(とれ太郎など投入) | 裏作の関係で遅い(早く) | ? | 2.6袋 活緑6袋 3/22 |
2月頃? | 苗箱購入申込 | JAより注文書がくる | 来年はヒノヒカリ?17箱がよい | 16箱 |
五月上旬 | 代かき (基肥の投入) | こなし水を張る | ①5/3 ②5/8 | ①5/4 ②5/9 |
5月上旬 | 田植機の点検 | 田植10日前がよい | 5月12日 | 田植2日前 |
5月上旬 | 除草剤 デリカット乳剤 | 田植4日前までに | 5月9日 | 5/11 |
5月10日前後 | 田植え(前に箱処理剤) | 箱剤:病気対策 | 5月14日 | 5/15 |
5月24日 | 除草剤 エーワンジャンボ | 田植後から14日までに | 5月30日 | 5/27 |
5月末までに | 田の水路、畦シート張り | 田中央からの水出しのため | 風通(ウンカ対策)により中止 | |
6月までに | 補植(田の四すみ、中) | なるべく除草剤前に | 5回 最終6/8 | 6回 7/4 |
5月~8月 | 畦草刈り(田植後~) | 風通しをよくし病気予防 | ①5/29 ②6/24③7/14④8/1 | ①6/10 ②7/12 ③7/19 ④8/1 |
6月上旬までに | 追肥(分糵促進) | 化学肥料14-14-14と鶏糞など | ①6/3:1.0kg ②6/19:0.5kg | ①6/19:1.5kg ②6/27:0.5kg |
6月中旬から | 中干し | 1株20前後に分糵後に | 7/11 | 7/4水抜き |
7月15日前後 | 田に"おどし" | すずめ対策 | 7/17 | 7/15 |
7月15日前後 | 穂肥(※1) | NK投入 |
①7/15:3kg②7/26:1kg | 7/15 バケツ1.6杯 |
7月20日前後 | 稲の出穂と開花 | 出穂のちに花咲く | 7月23日 | 7/21 |
8月上旬 | カメムシ・ウンカ対策(※2) | スタ-クル豆粒 出穂7日前後に | 8/7,9 | 不投入 |
8月下旬 | 水抜き | 10日ほど前から水抜く | | |
9月上旬 | 稲刈見極め 田の中央で | 稲軸中央まで黄色になれば | | |
9月上旬 | 稲刈り(事前に機械の点検) | 田の四すみ稲刈取 | 9月3日予定 | 9/3,4 ウンカ発生 |
9月上旬稲刈り直後 | 株おこし(石灰窒素投入) | (9月10日前後) | (9月10日前後) | 9/9 |
※1.基肥一発肥料(セラコートRなど)を投入すれば、穂肥のNKは必要なし。
※2.スタークル豆粒(1袋250g/10a) カメムシは250g、ウンカは500g必要
★項目順★
農作業 | 備考 |
2021 令和3年 |
2020 令和2年 |
2019 令和元年 |
土づくり(とれ太郎など投入) | 裏作の関係で遅い(早く) | ? | 2.6袋 活緑6袋 3/22 | 4袋 3/24 |
代かき | こなし水を張る | ①5/3 ②5/8 | ①5/4 ②5/9 | ①5/4 ②5/8 |
田植機の点検 | 田植10日前がよい | 5月12日 | 田植2日前 | 田植2日前 |
除草剤デリカット | 田植4日前までに | 5月9日 | 5/11 | 5/10 |
田植え | 箱処理剤(病気対策)投入 | 5月14日 | 5/15 | 5/14 |
除草剤 エーワンジャンボ | 田植後から14日までに | 5月30日 | 5/27 | 5/24 |
補植(田の四すみ、中) | なるべく除草剤前に | 5回 最終6/8 | 6回 7/4 | 5/24 |
畦草刈り(田植後) | 風通しをよくし病気予防 | ①5/29 ②6/24 ③7/14④8/1 | ①6/10 ②7/12 ③7/19 ④8/1 | ①6/9 ②7/9 ③7/28④8/1 |
追肥 | 化学肥料14-14-14と鶏糞など | ①6/3:1.0kg ②6/19:0.5kg | ①6/19:1.5kg ②6/27:0.5kg | 6/11:1.5kg |
中干し | 1株20前後に分糵後 | 7/1水抜き | 7/4水抜き | 7/6~10 |
田に"おどし" | すずめ対策 | 7/17 | 7/15 | 7/30 |
穂肥 | NK投入 | 7/15,7/26:計4kg | 7/15 バケツ1.6杯 | 7/15 5kg程度 |
稲の出穂と開花 | 出穂のちに花咲く | 7月23日 | 7/21 | 7/22 |
稲刈り | 10日ほど前から水抜く | 9月3日予定 | 9/3,4 ウンカ発生 | 9/3 |
株おこし(石灰窒素投入) | 裏作:大根、ジャガイモ | (9月10日前後) | 9/9 | 9/15 |
*農業も、これまでの経験則で行うのがよいのか、科学を重視した方がよいのか、どちらとも断定できません。要は、その家のやり方で、無理をせずやればよいようです。
当方、いまでこそ、「中干し」を意識し始めましたが、「中干し」は、なかなか水が入らない関係で、ほとんどやりませんでした。それでも、「どうってことない」状態でした。しかし、稲刈りどき、機械の「煮え込み」がよくあり苦労しました。「煮え込み」とは、機械が前進も後退もできず、天を仰ぎ「ブツブツ」(?)と沈んでいく状態です。はじめこの言葉が当方には理解不能でした。
【"中干し"の効果】
①根を強くし強風などで倒れを防ぐ
②本体の成長(分糵を止め)から「実り」へのスイッチの切替
③稲刈りどき機械の「煮え込み」を減少させる
④実り後に枯れやすくする
※「追肥」は分糵促進、「穂肥」は実りの促進。
5.トビイロウンカ対策
・ウンカには、トビイロウンカのほか、セジロウンカ、ヒメトビウンカ等があるようです。トビイロウンカとセジロウンカは日本で越冬できなく(トビイロウンカの越冬ラインは台湾の南部あたり)、ヒメトビウンカは越冬するし、中国などからの飛来もある。トビイロウンカは針状の口器を持ち、稲の株元師管液を吸汁し被害を与える。
・トビイロウンカはベトナム北部や中国南部・台湾から飛来し、3世代にかけて増殖しつづけ、成虫の第二世代以降が問題を起こす(秋ウンカ)。一方、セジロウンカは第一世代が主に問題となる(夏ウンカ)。トビイロウンカ、セジロウンカは長距離飛行はできなく、6月~7月の梅雨の時期に東シナ海で発生する南西風よって、1日から1日半で九州に到着する。
▼稲に大きな被害をもたらすトビイロウンカは、毎年のこと多少日本に来ている。それが多い年か少ない年かで、被害が出るか出ないかということでないか。
・稲の活着が進み、分糵初期以降の水田ではウンカの定着数が多くなる傾向にある。(→稲の早植えに注意)
・トビイロウンカは、増殖すると株伝いに分散していく(定住型の成虫や幼虫は飛行できず、歩行やジャンプでしか移動できない)ため、元々の飛来世代が定着した株(集住度の高いところ)を中心に同心円状に分布を広げていく、このため円上の「坪枯れ」が発生する。さらに「坪枯れ」どうしがくっつき「全面枯れ」に至る。
▼「成虫や幼虫は飛行できず」というから、早期に発見したらその部分を刈り取ることが必要だろう。しかし、田に入り「ごそごそ」すると周辺に移る。
・飛来から約1ヶ月後の7月上旬から8月上旬にかけて、第1世代幼虫、その約1ヶ月後の
第2世代幼虫が発生というように、ほぼ1ヶ月で1世代ずつ増殖を続けていく。9月上旬頃から第3世代幼虫が増加し、稲穂がたれるころから坪がれ被害が出始める。
▼早く刈り取るという意味で、稲の品種は早生のほうがよいか。早植えは控え、早く刈り取る。なかなかややこしいんだ。第2世代成虫が風に飛ばされ、田に入ったなら、もっと「坪枯れ」は早いんじゃないか。
・すでに、令和3年7月のはじめにトビイロウンカが、大阪で飛来確認されている。
7月8日付け JA大阪南営農指導課の報に『7月1日飛来のトビイロウンカの第一世代若齢幼虫期は7月中下旬と予想 7月中下旬、中干の後に湛水状態にもどしたら、パダントレボン粒剤、スタークル粒剤、スタークル豆粒などの、ウンカ登録薬剤を施用しましょう』とある
▼8月9日の台風でやってくるというのは、中国南部のものも来るであろうが(?)、実際のところ大阪のもの(第一世代以降のもの)が東にやってくると考えてよいのだろう。そうすると、これが田に入ると、稲に対する被害は結構早いと言えるのじゃないか。
[当方の対策]
スタークル豆粒は、カメムシ対策を優先させるか、ウンカ対策を優先させるかで、田に投入するは時期が少しずれる。当方は、もっぱらウンカ対策で、潅水のことも考え、8月7日夕から9日朝(午後台風が来る)に投入しました。投入量はカメムシ対策量です(ウンカ対策量は2倍必要)。暫くようすを見て、必要とあれば(それでは遅いかも)同量追加する予定です(← 株元をポンポンと叩いてウンカがいるか判断)。上記のJA大阪南営農指導課によれば、一定の効果が望めるようだ。