覚え書き・農業編 ( かけだし農家 )
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 1.わが家の稲作
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 1.土は酸性に 2.苦土石灰 3.熔リン肥料
 4.肥料 5.土づくり 6.病気対策 7.田の転用

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はじめに
 ここでは「覚書き」の農業編とでもいいましょうか、これまで近所の方々に教えていただいたもの、本やネット情報で知り得たものを、「書きとどめています」。まあ、農業経験の全くない、どちらかというとディスクでパソコンを触るのが好みにあう私です。妻の実家が農家で、後を引き継ぎ悪戦苦闘しています。
kome  稲の経験年数は35年ほど(左写真 昭和63年(1988).10.10)。はじめの10年ほどはお手伝い。別に勤めもあり、さっ引いて25年。実質一人で任されてからは10数年ほどになります。機械のせい(?)もあり、いまだ満足した結果が得られません。収穫は、ベストのときで30kg袋で15袋で、例年は12,13袋ぐらいの成績です。昨年はウンカ発生で9袋でしたか。今年(令和3年)もウンカが来るということで、10袋もできれば「御の字」だと思います。
 野菜の方は、わずか8年ぐらいの経験でしょうか。ついこの前まで、見かけ上のネギとタマネギの違いもわからない初心者でした。素人で、何も分からない、先入観がないものですから、できた作物がまるで黄金色をしたものに見えてきます。結果として、40種ほどの野菜を栽培するようになりました。

・野菜の検索  (2017年の手帳から引用します)
 野菜の名称
51イチゴ※ 48ドイツインゲン※49ウリ※53エゴマ※30枝豆15エンドウ17オクラ
26カボチャ42カラシナ11キクナ10キャベツ27キュウリ31ケール43こかぶ
38小松菜4ゴーヤ     
13ササゲ41サツマイモ16サニーレタス29里芋8三度豆19シシトウ37しそ
40ショウガ6ジャガイモ35スイカ34小玉スイカ28ズッキーニ3空豆 
36大根2二十日大根52鷹の爪39タマネギ47チンゲンサイ21トウガラシ54ミニトウガン
33大玉トマト24トウモロコシ7ミニトマト    
46ナス45ニラ23ニンジン1ネギ   
5白菜56パクチー※32パセリ55バジル※20ピーマン9ビタミン菜12ブロッコリ
44ほうれん草      
22水菜58芽キャベツ※50メロン※18モロヘイヤ   
       
57レモンバーム※      
25ワケギ 14わさび菜     
 番号は、単に手帳に記した順。※印は2017年の手帳にないものです。

・個別作物 (私なりの留意点を述べます)
1【ネギ】:当方、ネギが好きな方がいますので年中植わっています。食すときは土から10cmのところでカットするので、また伸び収穫できます。「まるごと抜いて食べなきゃ栄養価が落ちる」とよく言われますが、当方は邪道なのでしょうね。ただ、年間で2~3回ほど植え替えています。過去に2度ほど九条ネギを種から育てましたが手間かかりました。ネギを植え付けるときは、枝分かれした部分のすぐ下に成長点(といっている)があるので、この部分以上に土で埋めると育ちが悪いようです。

2【ラディシュ・二十日大根】:名称もさることながら、ともかく育ち・収穫が早い。丸いものと、細長いものがあります。食卓に添えると彩り賑やかになります。4月から10月まで植えること可能で、葉が虫に食われぬよう防虫ネットが必要です。

3【空豆】:近所の人はビールのつまみに最高というが、私としてはイマイチ。家内は「おいしい」と食べてくれます。10月に、マルチをして種で植え、春の6月はじめにできます。背丈が75cm程で伸びた先をカットすると、栄養分が豆鞘(さや)の方へ行き大きく育ちます。放置しておくと、アブラムシにとって若芽が美味なのか必ずというほどアブラムシが繁殖します。無駄な薬剤を使わずカットしてビニール袋に捨ててください。植え忘れても、春にホームセンターで苗が出ています。

4【ゴーヤ】:種の皮は固いから、水分と土壌温度が上昇しないと皮が破れなく芽が出ません。当方では前年の自然出芽を育てています。聞くところによると、ブロッコリーよりも発がん性物質を抑えてくれるようです。結構苦いし、おいしくいただけるようにするには、調理する方の腕次第です。苦くない品種に白ゴーヤがあります。

5【ハクサイ】:植えるタイミングを外すと「しっかりしたもの」になりません。近畿地方では8月中旬から9月中旬に種植えとなっています。虫に食われぬように防虫ネットが必ずいります。結構、肥料と水が必要です。当方では植えるタイミングが悪く、しっかりした玉になるのはまれです。常々葉っぱをつまんで食しています。

6【ジャガイモ】:種のジャガイモを購入し、大きいものは芽を均等に分けるように、包丁で2分し、断面が腐らないよう灰を塗り込みしばらく乾燥させます。灰の代用に石灰でもいいようです。ジャガイモは年に2回とれ、植え付け前の石灰・苦土石灰は必要なく、収穫が早く、短気な人には絶好ではないでしょうか。3月頃植えて(2月末植えは霜にやられるからマルチを使用のこと)6月中旬に収穫、9月初旬から中旬に植えて12月初旬に収穫します。3月植えの場合に、早く植えた方は霜にやられて、買い直しをされます。9月植えの場合は、腐りやすいので芋を切らずにまるごと植えます。当地、岩倉では稲の裏作としてよく植え付けたようです。
 追肥は花の咲く頃に、葉の色が薄くなり始めたら畝の肩にやります。マルチをしている場合はマルチの端をはがし肥料をやります。芋は、サツマイモよりは浅いところにできるから、土寄せのためも周囲に残土を取っておき、畝にくぼみを作りそこに植え込んだらよいでしょう。芋が日光に当たると青くなり”毒素”をつくります。そのためにも土寄せが必要です。育成中の水やりはほとんどいりません。水やりをすると腐るといわれるほどです。
 収穫は下葉が枯れだし、土が乾燥している晴れた日がいいでしょう。梅雨の間でも、温度に関係するでしょうが、土の中ではめったに腐りません。それより、保存の時に土に付いた水分で腐る、とかいわれています。関東地方の平地では7月に入ると腐りやすくなるらしいです。あまり早く下葉が枯れだし、全部開けてみると小芋が多かったことがあります。聞くと「連作障害じゃないか」と言われました。頷くところありました。

7【ミニトマト】:ここ毎年、赤玉と黄玉をそれぞれ1株ずつ植えます。それぞれ2本仕立てがよいといいます。下から数えて第一花房の下を伸ばし2本にするとのこと。当方では、そのように心がけますが、いろいろなところから小枝が出て、管理が行き届かなく毎年ぐちゃぐちゃになります。トマトは窒素分を控えると甘さが増すらしいです。大玉トマトの項目も参考に。

8【三度豆】:当方では、ツルありの三度豆で、同じ場所辺りでゴーヤ・ササゲが絡み合って育ちます。三度というように、終わった後にまた芽が出てきます。最近では、三度豆の代わりにドイツインゲンを植えています。ドイツインゲンは鞘が平たく大きいです。

9【ビタミン菜】:38の小松菜とほとんど同じでしたっけ。

10【キャベツ】:当方の名物野菜です。皆さんに褒めていただいています。今回(令和3年)の6月収穫キャベツは今年3月に苗植えたもので、今年の2月収穫後、連作植えしたものでした。成功しています。野菜というのは連作が駄目のものが多いようです。しかし、連作駄目という理由は「肥料の偏り」と「土壌の細菌」のためでないでしょうか。この2点を克服すれば、連作も可能でしょう。キャベツの葉の縁が、また部分的に内部まで黒くなることがあります。これはカリウム不足のようです。これには、塩化カリKCl肥料でなく硫酸カリ2SO4をやります。このあとイモ類を植えた場合に、塩素が繊維質を発達させデンプンの生成に悪影響を与えるからです。当然、カリウムKが吸収されると土壌は(強い)酸性に傾きます。
 キャベツにはハクサイ同様に防虫ネットが必ず必要です。小さな隙間でもチョウチョが入り卵を産み付けます。また、カタツムリの被害もあるようで、これには銅線を直径10cmほどの「輪っか」にし、苗のときから入れておくといいでしょう。カタツムリは銅を嫌うので効果があるとのこと。

11【キクナ】:熱湯に10数秒ほど付けてさっと食すのがおいしいようです。鍋料理で最高でしょう。秋から冬にかけてが美味しいようですね。1袋の種袋を買えば、いっぱい植え付けができます。畝にどっと種を蒔くのですが、その後はたくさん間引いたほうがよい、つまり1本1本をしっかり育てた方が収穫もよいようですね。

12【ブロッコリ】:年に、2月~4月中旬と7月中旬から8月末の2回の種植えで、2回作れます。結構大きくなり株間50cmほど必要です。食卓に、お弁当にもよく、彩りを与えてくれます。1個まるごと湯がき、タッパウエアで冷蔵庫で冷やして、小分けして食卓や弁当に入れてくれています。ゴーヤ同様に発がん性を抑えてくれるとのこと。季節よらずの種袋を購入しています。種の種類にもよりますが、利用しているものは何度も収穫でき重宝しています。

13【ササゲ】:さや状の長豆で、長さが30cm以上にもなります。近所の”おばさま”から頂いたものを何世代もの種を繰り返し利用しています。

14【わさび菜】:少しピリッとしたわさびの味がします。肥料の種類がどうのこうのということは、ビタミン菜・小松菜と同様と想います。

15【エンドウ】:秋に種を蒔き越冬し春に芽を付けます。何故越冬させる必要があるのか分かりません。植え忘れても春先に苗ででていますからどうとでもなります。かえって、秋野菜が終わったところを空けておけば、春の苗植えでもよいでしょう。秋に収穫できるものもあるようです。
 30枝豆と同様で、窒素肥料は少ないめにします。エンドウにはツルなしツルがあり、鞘まで食べられるスナップエンドウがあります。お弁当の彩りを考えスナップエンドウが好まれます。豆ご飯には普通のエンドウでしょう。当方は、ツルありでこの2つを植えています。

16【サニーレタス】:種は一晩水につけてと言いますが、土壌の温度がそれなりに上がれば芽が出てきます。焦らないことが大事です。このことは、17のオクラについても言えます。

17【オクラ】:ここ数年、発芽させるのに失敗していますが、やっと分かりました。種は一晩水につけて云々と言いますが、忘れて二晩つけた場合に、芽が出て植え付けるときに芽を痛めて育ちません。このような失敗、何が原因か。時期が早いのです。地温が高くなってから植え付ける、これが鉄則のようです。今年は6月になってから種まきをしました。マルチを敷いた中では確実に芽が出て育ちます。

18【モロヘイヤ】:エジプト辺りの植物・野菜。クレオパトラも食したとか?。葉を収穫し、さっと湯を通しジャコ・もづくなどと一緒に酢のものとすれば美味しいです。ネトネトかんのあるものができあがります。間違えても種は食べてはいけません。毒があります。30cmほどの背丈で摘心するようです。そうすると、脇芽が伸び横へ広がります。

19【シシトウ】と21トウガラシ:いまだに、シシトウとトウガラシの違いが分かりません。

20【ピーマン】:19のシシトウと同様に3株もあればいっぱいとれます。秋まで収穫できます。カラーのピーマンもでています。ただ、普通のピーマンの近くに植えると花粉が混ざりカラーピーマンにならないことに注意してください。

22【水菜】:冬の鍋に必要なもの。これもキクナ同様に1袋の種袋でいっぱいできます。食すると歯の間に挟まり、たまりません。

23【ニンジン】:正月に必要な赤ニンジンは、植え付けがかなり早い(7月初旬~8月中旬)ので遅れないように。黄ニンジンは、年に2~3度ほどとれます。いずれも、畝の上で土寄せをすることを考えて、筋状にくぼみを作り、そこへ筋まきをする。土寄せのとき土がなく苦労しないように。成長に日光が必要なので、浅く筋巻きし、上からパラパラ土をのせる程度とにします。水まきのとき種が飛散しないように、必ず不織布で覆い固定します。覆いのまま苗が2cmほどになっても大丈夫です。2cmほどに成長したころで不織布を取ります。子葉ができてきたころ、間引くと同時に土寄せをし、肥料をやります。土寄せをしないと苗が消えてなくなります。この後も成長と共に2~3回間引きをし、最終的には株の間を10cm程度にします。「土作りは必要ありません。ニンジンは、土中に栄養分が少ないほど深く根を伸ばして甘くなるからです」と本にありますが、確認する必要があります。

24【トウモロコシ】:当方ではごく普通のバイカラコーンを育てています。同じ畝、いや数十m離れた所でも、違う品種のものを育てると花粉が混ざり駄目のようです。風媒花ですので最低でも二乗植えにすることに気をつけたいものです。肥料は前に植え付けた残部までとことん吸収するようです。収穫後は、つぎに植える野菜の肥料は多めにすること。収穫は基本一つの株に一つを育てます。そのため脇から出る子は切り取ります。これもスイカ同様にカラスの餌食になりやすいです。ネットを張る、稲の"おどし"をするなど、カラスと対決してください。

25【ワケギ】:妻の友人からもらったものを育てましたが、いまいち味といいネギとの違いがよく分かりません。「ネギより細い」としか言いようがありません。食した記憶もよく分かりません。

26【カボチャ】:親ツルを切り、子を四本育てるのがよいという。ともかく"うどんこ病"にかかりやすい。水やりどきの”土の跳ね返り”に注意すると。収穫はへその部分がコルク化するまで待つことです。

27【キュウリ】:カボチャ同様に「うどん粉病」の被害多し。これは葉に「うどん粉」のような白い粉のようねものが現れるからこの名称がついたとあります。また、「ベト病」というのがあります。これもカビの一種で、黄白い斑点が現れ、斑点自体が大きくなり、次第に葉全体にポツポツと広がって行きます。両者はカビが原因の病気で、葉全体に広がり光合成ができなく枯れてしまいます。病気対策として、病気が現れた葉を本体にストレスを与えないように、一日2枚程度で取り除いていくとよいとのことです。水やりのときの土からの跳ね返りで菌をもらうようで、事前にマルチ・ワラを引くとよいようです。ここ2年ほどマルチの中に植えています。今年(令和3年)気がついたのですが、これまで、うどんこ病が常連さんのように現れていました。これは、土作りの段階で苦土(Mg)が少なかったのではないかと思います。今年はベト病に悩まされています。
ヤサイ ▼水やりは、マルチの谷間、つまり畝と畝の間に、たっぷり水を与えます。「うどん粉」「ベト病」ともに、苦土石灰の上澄み液が効くようです。マグネシウムMgが細胞壁を強くするという。

28【ズッキーニ】:これもうどんこ病多し。また、ここ2年ほど、モザイク病(アブラムシが媒介か)というものにかかっています。これはウィルスを原因とし、一度発生すれば直らないようです。疑いのある葉をハサミで切るが、このハサミで他へ移る。ハサミは消毒すべき。間違いなくモザイク病なら、そっくり抜き取りゴミ袋へ入れ処分する。本体や葉は、別の所へ散乱しないように最大限の注意が必要と。モザイク病らしきもの、若葉がねじ曲がり、色も一定でなく斑点状のものでした。
▼今年(令和4年)は、種から育てるのを止め、ウイルスに強い苗を2株購入。このうち、1株がはじめから育ちが悪くモザイク病らしき症状が出てきました。苗からですと育ちも早く、収穫量がずっと多いです。ズッキーニは水分過多で腐りやすく、梅雨の時期には要注意です。それこそ「傘」をしてやる必要があります。時期的には8月まで収穫できるようですが。水はけが悪い所では高畝が必要です。

29【里芋(小芋)】:黒マルチの中で、40cmほどの間隔で植え付ける。地温が高くなったころ芽が出てくる。水分が多くあるところを好むので、田の横などが適している。葉がかなり大きくなるから、間にショウガを植える(なら間隔は60cm以上か)のが正解か。芋を大きくするためには、子を適宜取り除く必要があります。
▼今年は、何を焦ったか種芋にマルチをしたのが4月24日。気温もあまり上がらずなかなか芽が出てこない。6月になり、2カ所掘り起こしてみると、腐りもせず芽も出ていない。何と心配かけるでないか。マルチをかけたときの水分不足のようで、マルチの中で乾燥保存の状態でした。マルチに穴を開け水をやる。6月19日になり、1本の芽が出ていることを発見。7月25日現在3株成長、8株ほど植えましたか。里芋さんもなかなか手強いです。

30【枝豆】:当方では、6月に入り黒マルチをし、一カ所に2~3個の丹波黒豆を植えます。「枝豆が大きく成長したものが大豆」と言うが、そうなの。種を蒔いた後、必ずワラをかぶせるなど、覆いを必要とする。いくら待っても芽が出ないのは、カラスに食われたことを疑うべき。根に根粒菌ができるので、自分への教訓として、植え替えを度々しては駄目のようです。私はどの苗も「よく引っ越し」をさせます。学校で「空中窒素の固定」と学んだように、窒素肥料は控えめにし、「土の中の窒素」を活用させるのがベストのようです。これは15エンドウにも言えますか。
▼今年は、カラスの被害にあわず比較的簡単に芽が出ました。マルチの中に昨年収穫の種を2~3個ずつ植えました。その上にワラを敷き、ワラが畝からずれ落ちないようにマルチ止めで適所に刺しておきます。芽が出るのが遅いと、掘り返し見ましたが、芽が出ているじゃありませんか。私の焦りすぎでした。

31【ケール】:育てたが食した覚えがありません。

32【パセリ】:ビニール(不織布?)などの覆いを掛けておけば越冬しました。お弁当のお供によろしいようで。洋と和の2種類があります。

33【大玉トマト】:サターンまたは桃太郎を育てています。今は邪魔くさく苗を買ってきます。もともと高山で育つ植物で、あまり水・肥料をやっては駄目といわれます。これもカラスをはじめ鳥類の餌食にならぬよう赤い網で覆うようにと言われています。1本立ちにするためには、そのつど脇芽を取る必要があります。雨降りが続くと、果実の成長が水分吸収に追いつかず割れてきます。それ故、水分吸収を抑える必要があります。傘をするとか、マルチをするとかの手立てを考えます。玉の先が円形状で黒ずみ、次第に大きくなり、放置しておくと腐ってきたりします。尻枯病といい、カルシウムCa不足です。カキ殻石灰などをやると直ります。トマトの葉が曲がってしまう、葉の周辺がギザギザが少なければ、肥料のやり過ぎのようです。水を多めにやることです。花が咲くところ、下から第一花房、第二花房、などと呼んでいますが、花房のそれぞれの玉が大きく育てば、その下葉は刈り取ってよいようです。病気・虫の被害のためにも風通しが必要で、適宜刈り取ります。水・肥料はあまりやらないとか言いますが。私見では、水はサラッと、肥料は花房の生育状況をよく観察し、それなりにいると思います。たっぷりの水・肥料は駄目なんでしょう。

34【小玉スイカ】:と35【スイカ】:畑をする中で一番面白い作物です。放置してもよいとも言いますが、結構、手をかけています。 スイカ 基肥が多いとツルぼけするようです。ツルは親づるの葉が5枚ほどになると先端を切り、子づるを四本(大玉スイカは3本ほど)を育てます。マルチだけだとマルチの表面が熱持つこともあり、その上にワラを敷いてやるとよいようです。小づるの脇から出る孫づるは葉を1枚残し取り除きます。早朝、雄花を取り13節以降の雌花に、花合わせ、つまり受粉をしてやります。受粉後30~35日ぐらい(大玉は+7日ほど)で収穫できるので記録すること。実の大きさがこぶし大になれば、株元から50cm以上離れた所に、マルチに穴を開け化学肥料20~40gをやります。栄養分散を避けるため、親と子のツル元の雌花は摘み取る。受粉してもたいしたものになりません。雌花は軸元の方が膨らんでいるからすぐ分かります。しばらく放置しておくと、特に梅雨明けには、孫づるや葉でジャングルのようになり、孫づるを整理する必要がでてきます。食べ頃になったスイカは鳥、主としてカラスに狙われ「収穫しておけばよかった」とよく聞きます。すくすくと大きくなるのを見ると、嬉しくなります。当方、ここ数年、一番果は割れるか、「鳥の一突き」の被害にあっています。小玉スイカは何とか冷蔵庫に入り手ごろです。病気としては、連作障害としてのツル割病、モザイク病があるようです。根を強くするためにそばにネギを植えたり、防虫のためにトンネルがけするのもいいでしょう。
suika  本年(令和5年)、早くも2株の内1株が「炭疽病」(?)にやられてしまいました。そういえば昨年もこれにやられ、収穫したのは2個程度でした、トホホ。昨年は「つる枯れ病」思っていましたが、ネットにて葉に灰褐色の斑点が現れる「炭疽病」(糸状菌というカビが原因)であったようです。本年は、気が付くのが遅く、薬剤を散布しなんとか1株は持ちこたえました。細胞壁を強くする「苦土石灰の上澄み液」をも散布しました。水やりの時の跳ね返りを考えると(どういう水やりやねん!)、マルチよりもワラ敷きの方がよいのかもしれません。結果、今年(令和5年)、1株で5、6個収穫できたでしょうか。色が薄く気になりましたが、ほぼ満足できたのは4個ほどです。

36【大根】:春収穫と秋・冬収穫の2度可能。春大根はどうしても辛さがでるようです。畝に間隔を開け筋まきし、成長とともに間引き肥料をやります。間引がないと大きく育ちません。間引いて肥料を入れるところはニンジンと同様です。秋・冬収穫にも早生があり、年内から食せます。早生の「くらま」が、成長も早くよろしいと聞いています。

37【しそ】:当方では45ニラと同様、歴代のしそがあちこちで種を落とし勝手に生えてきます。毎年必要以外は整理しているので、出てくるのが少なくなってきています。

38【小松菜】:これといった特別なことはありません。ビタミン菜と同様だと思います。

taman 39【タマネギ】:連作可能で毎年同じ所に植えています。越冬するときは、鉛筆の太さまでに抑えます。それ以上に太くすると、春には芯がますます太くなり、いわゆる「とう立ち」し、堅くなり食べるところが少なくなります。細すぎても寒さで越冬できず枯れてしまうことがあります。苗が細く越冬に不安のときは、寒冷紗でなく虫除けネットで少し寒さを抑えてはどうでしょう。太さを抑えるとは肥料を控えることでもあるでしょう。当方では、肥料を控えていたものの、「とう立ち?」らしきものも幾分かありました。これは春以降に、なかなか大きくならないもので肥料を数度にわたり投入したことが原因か、と思います。肥料は2月以降に1回偏りがないようにやります。十分な量をやると、どうも「とう立ち」しやすいようです。
 マルチはすべきかどうか。どちらでもよいようです。やらない場合は、寒さ・雑草の対策が必要になります。やる場合は、タマネギ専用の穴あきマルチが売っています。当方では、売り切れに巡り会い、これが「考える家庭菜園」(考えるから面白い・楽しいのです)に繋がりました。黒のゴミ袋でも市販のマルチでも、保水と保温の点では同じ効果があります。百円均一の「黒のゴミ袋」でもよいのです。それに園芸専用のマルチは高額です。(上写真 ゴミ袋マルチ)
 当方では、畝の面積が小さいときは黒のゴミ袋を裂き使用しています。ゴミ袋マルチの上から割り箸(割る前)の太さで、角度45°ほどで深さ10数cmの穴をあけ使用しています。その穴に苗を滑り込ませ、根が土になじむように押し込むように閉じます。根が多く入りにくいときは、根が2.5cmほどになるよう切っても大丈夫です。深植えは考えものです(ネギのところを参照)。穴の間隔は、販売されている既製マルチの間隔から盗み取ってください(多分15cmほどです。これまでの経験値からそうなっているのですから)。市販マルチほどの穴が必要かといえば、水やりの時に困るぐらいでないでしょうか。上記の「ゴミ袋マルチ」でも、土に水やりができていればOKですよ。かえって、穴が小さいと保温と雑草対策によいとでも思っています。
 タマネギの種類は、早生が半分・中手が半分がよろしいようで。「楽しく」やるならタマネギの種を購入し苗を作りましよう。

40【ショウガ】:なかなか難しい作物です。乾燥を嫌い、水のやり過ぎは腐ります。中に5,6個ほど入ったものを購入し、大きいものは半分に切り、合計で10数個植えています。本によると、植え付け前に芽出しをすれば早いとあるので。今年は芽出しをしようと鉢に植え、乾燥と保温のためにビニールをかけていました。いつまで経っても芽が出ないので、掘り起こしてみると、1個を除いてあとは腐っていました。ビニールの覆いがよろしくなかったようです、一昨年は、地植えをし、水加減が悪いのか2個を残し腐らしてしまいました。初心者は、最初から芽だししたものを購入するのがよいようです。乾燥を嫌うのでワラを敷いたり、強い日光を嫌うので遮光シートする、あるいは里芋の影を利用するなど工夫が必要です。

41【サツマイモ】:比較的酸性土壌を好むので、土作りに石灰・苦土石灰は必要ありません。窒素が多いとツルぼけし、葉ばかり育ち、ひょろひょろの芋になり、太い芋にならないといいます。基肥もそれなりに必要です。また、塩素が繊維質を発達させデンプンの生成に悪影響を与えるようです(10キャベツの項目も参照)。植え付けは、雑草・保湿のことを考えて、マルチをします。マルチは黒のビニールゴミ袋で代用できます。この黒のビニールゴミ袋を施し、鉛筆ほどの太さの木で45度に突き刺し穴を開けます。ここにサツマイモの苗を差し込みます。日照りで暑くなるので、マルチの上にワラを敷きます。ほっといても育つといわれますが少なからず手がかかります。苗が枯れてしまった場合は、生育のよい株からツル先を分けてもらい苗として利用します。生育中、葉が黄色くなった場合は追肥をしてください。夏の暑いときは水やり・雑草取りを心がけてください。サツマイモのつるは食べられるとのことです。

42【カラシナ】:特徴がなく忘れてしまいました。

43【こかぶ】:防虫シートで覆う必要があります。"虫さん"も美味しく食べるようです。葉も食べられるので、間引きながら食べてはどうでしょう。1袋で多くの種が入っていて、残った種は冷蔵庫に入れて保存しましょう。

44【ほうれん草】:アルカリ性土壌を好むので、石灰・苦土石灰を少し多いめにします。基本は寒いときにできる野菜です。不思議と育たないと嘆いていましたが、何と「根きりむし」にやられたことが分かり、周りを掘り返すと4~5匹の幼虫がゴロゴロでてきました。取り除くと順調に育った記憶があります。当方では、ほうれん草も、ネギと同様に再帰(再び生える)を願い、葉をむしりむしり食べています。店ではまるごと売っていますが。

45【ニラ】:ニラはほっといても畑の周辺で、毎年育っています。ニラによく似たもの、こちらは体によくない毒があると。もったいないと思うのですが、違いが分からず食していません。防虫効果があります。

46【ナス】:当方では長ナスを種から、普通のナスは苗を購入し、育てています。長ナスは、「久留米長ナス」か「南竜本長ナス」です。 ナス 九州地方産で地温が上がらないと芽が出ません。長ナスの3月(ビニールハウス利用2月末植え?)の種植え(昨年の種)は、芽が出たのは3株のみで失敗しました。日光に影響することなのでしょうか。二度目の種植え(今年購入)は5月5日で、15日にほぼ全て芽が出で、6月5日に苗がまだ小さいが植えました。遅く植えればそれだけ遅くまで実のり、11月頃まで食した覚えがあります。成長すれば長さが30cmにもなります。
 ここ数年、苗を植え付け後に、ねきりむし「ヨトウムシ(蛾の幼虫)」に食われています。今年は少し賢くなり、ペットボトルの口と底を取り除き、四分割ぐらいにし株元に巻くように土に埋め苗をガードしています。成果はありました。ナスは結構、水と肥料を食うようです。肥料が効いているかの判定は、中央の雌しべが、周囲の雄しべより長く突き出ていれば適量のようです。ナスの病気には、「半身萎凋病」、「青かれ病」があり、連作を嫌い5年はあける、といいますが。「青かれ病」は「モザイク病」と同じく強烈のようですね(勉強します)。その他、ここ数年、おそらくニジュウヤホシにやられ、ナスの葉が一面にポツポツと穴が空いたり、茶色く変色したりして悲惨なものです。テントウムシは害虫を食べてくれる益虫とされますが、ニジュウヤホシ、別名テントウムシダマシは、葉を食べるから害虫とされています。ニジュウヤホシは、二十八ホシともいわれ背中に28ほどの斑点があります。遭遇した場合は取り除き絶命させてあげてください。ナムアミダブツ。
 ナスの更新剪定は、7月中旬から8月上旬といわれています。枝や葉の付け過ぎは根の老化に繋がるんでしょうか、秋に実りを期待するなら絶対やるべきです。ついでに、枝から30cm(?)ほどの所をスコップで土の上えから垂直につきさす、「根切り」もやった方がいいと聞きます。遅く植えた長ナスはどうなのでしょうか、試行してみますか。

47【チンゲンサイ】:中国では青菜(チンツアイ)というようで、中国渡来なのでしょうか。食するとシャキシャキといい歯ごたえがあります。年2回採れます。防虫ネットが必要です。ここんところ、大きいめの鉢に種を均一に30ほどばらまき育て、一株ずつばらして苗植えしています。言わばネギのように根付きがよく育ちます。確か10月初旬下旬に種植え、11月初旬に苗植えで、虫さんも少なくなりスクスクと育っています。

48【ドイツインゲン】:三度豆と同様と考えてください。

49【ウリ】:昨年はじめて、つくりました。いつ収穫してよいのやら分からず。畑の端に、試し植えのため、うまくできませんでした。

50【メロン】:これまで3度ほど挑戦していますがうまくいきません。一昨年、それなりに実ってきましたが、キュウリのうどんこ病をもらい、株全体に行き渡り全滅です。水はけのよい土壌を好むようです。確か、孫つるに実るとか。大小含めて5、6個できましたが、1,2個食しましたが、残念です。まずは、うどんこ病に打ち勝つ、私の力量が問われているようです。

51【イチゴ】:過去一度植えましたが、手を入れる割に収穫が少なく、またツルが他へ伸びるので止めました。畑が広いところは挑戦してみてはどうでしょう。

52【鷹の爪】:トウガラシと間違い3株購入し、育てましたが、実が入った鞘の先が全て天井を向くので、「どうなってんの」と妻に聞きました。あ~、確かに名札に「とうがらし(鷹の爪)」とありました。どうも、( )の部分が目に入らなかったようです。年を感じます。結果、近所にお裾分けし、喜んでいただけました。育て方はトウガラシ・シシトウと同様です。

53【エゴマ】:今年も植えましたが、なかなか芽が出ません、育ちません。一昨年は比較的簡単に育ちましたが。地温が高くないと育たないのか。

54【ミニトウガン】(冬瓜):今年(令和3年)はじめての挑戦です。生育旺盛なので株間は1m以上がよいと。トウガン スイカ、カボチャなどと同様で雌花と雄花があり、雌花は軸の部分が少し膨らんできます。収穫期は、開花から40~45日で、その頃には表面のトゲトゲが少なくなり白っぽい粉をふいたようになる頃という。でも、ウチのは根性曲がっているのか。いくら待っても表面が白くなりません。それでも2株で、40個以上とれ大満足です。果実に触れるときは厚手の手袋を使用します。

55【バジル】:一昨年初めて植えて簡単に発芽した。近所の方々、「なかなかできない」と。確かに、今年植えたが、エゴマ同様出てこない。地温と土壌に関係するのか。

56【パクチー】:と次57は、今年(令和3年)はじめての挑戦です。パクチーについては、「くさいよ」の前評判があります。
57【レモンバーム】:沸騰湯に、紅茶とこの葉を入れてしばらく放置。美味しくいただきました。お試しあれ。

芽キャベツ 58【芽キャベツ】:栽培期間は結構かかります。キャベツと同じぐらいかかると考えた方がよいでしょう。炊いたものが食前にでてきましたが、味は「百合根(ゆりね)」に似ていて少し甘く美味しかったことを覚えています。しっかりと記憶にあるもので、本年(令和6年2月)も植わっています。ソロソロ食べ時かといいますが、「まだまだ」と収穫にゴーサインが出ません。
 種袋によると、7月初めに植え収穫は3月初めとなっています。やや苦味があるのでアク抜きして食べます。下の結球が太り始めたら黄化した下葉から順次切り落とすとあります。


・全般的な留意点
1.土は酸性に
 作物を植えた後では、土はより酸性に傾く。大体の作物(野菜)の生育には、pH5.5 ~ pH7.0程度の弱酸性から中性の土壌が適している(水田の最適pHは6.0~6.5の弱酸性)ようで、次ぎに作付け可能な土壌にするにはpHを上げる必要がある。比較的酸性のままでも作付けが可能な野菜に、ジャガイモ・サツマイモ・サトイモがあるようで、石灰・苦土石灰を入れない。反対に、弱アルカリ性(pH7.6など)でも作付けが可能なのは、ダイコン、ホウレン草、エンドウ、アスパラで、少々石灰・苦土石灰を入れ過ぎても可能ということだ。
 さて、酸性土壌を中性に近づけるには、石灰(生石灰CaO、消石灰Ca(OH)2)、苦土石灰、カキ殻石灰がある。はじめの順のものほど、アルカリ性(塩基性)が強く殺菌力がある。石灰を入れた場合はほぼ1週間おき、カキ殻石灰を入れたときほぼ同時に肥料を入れば、作付け可能となる。石灰を入れた場合は、殺菌に有効だが、苦土石灰に含まれるマグネシウムMgがないなど、他の肥料で補う必要がある。農家では農協で石灰が手に入りますが、一般家庭の多くは苦土石灰を使用すると思われる。
 「石灰を入れて1週間おく」というのは、石灰と肥料を同時に入れると、肥料に含まれている窒素成分とが反応し、アンモニアNH3が発生し、野菜に被害を与えるとされている。
 なお、石灰とは、生石灰(酸化カルシウムCaO)や消石灰(水酸化カルシウムCa(OH)2)のことで、広義には、炭酸カルシウムCaCO3やカルシウムCaをもさすようです。農協で販売されている「石灰」は消石灰のようです。石灰をふんだんに入れ黒マルチをかけしばらく放置されているのをよく見かけます。私の勘違いかも分かりませんが、多分、殺菌・消毒のためでしょう。その「石灰」が生石灰(酸化カルシウムCaO)なら、確かに、CaO+H2O→Ca(OH)2の反応で、水に溶け発熱し、殺菌・消毒に有効です。しかし、消石灰なら、Ca(OH)2+CO2→CaCO3↓+H2Oの反応で、水に溶けていた二酸化炭素CO2を取込み塩である炭酸カルシウムCaCO3を作り発熱はしないはず。また消石灰自体はあまり水に溶けません。
 夏場に、秋野菜のための「土作り」として、石灰と肥料を同時に投入し、直射日光を取り入れる透明マルチをし、20日間ほど置くのは非常に有効と思われます。
【まとめ】
・pHは1~14間:強酸性 pH3など < 中性 pH7 < 強アルカリ性(強塩基性) pH9など
①石灰 生石灰:酸化カルシウムCaO 水に溶け発熱
    消石灰:水酸化カルシウムCa(OH)2 あまり水に溶けない
②苦土石灰  :次の項目参照 石灰にマグネシウムMgが含まれる
③カキ殻石灰 :じわじわと効く(塩基性に傾く)効くから肥料と同時使用可能
※1平米あたり苦土石灰200gで、pH1.0上がりますか。


2.苦土石灰
苦土(マグネシウムMg)と石灰(炭酸カルシウムCaCO3)が混ざったもの。実際は酸化マグネシウムMgOと炭酸カルシウムの混合物である。マグネシウムは葉緑素をつくる大事な成分。欠乏すると葉が黄化する。肥料として苦土石灰は通常、1平米に100gを散布する場合が多い。次に、苦土石灰の量を具体例を示す。
■100g
イチゴ、三度豆、枝豆、オクラ、ズッキーニ、トウガラシ、アスパラガス、カラシナ、カリフラワー、キャベツ、クウシンサイ、コマツナ、シソ、タマネギ、ニラ、ハクサイ、ブロッコリ、ミズナ、ミョウガ、モロヘイヤ、ワサビナ、カブ(小カブ)、ショウガ、ダイコン、ニンニク、ラッキョウ
■120g
スナップエンドウ、ウリ、ネギ、リーフレタス、クワイ
■150g
カボチャ、キュウリ、スイカ、空豆、トウモロコシ、トマト、ナス、ゴーヤ、ピーマン、落花生、チンゲンサイ、ツルムラサキ、ホウレンソウ、ゴボウ、ニンジン
■200g
ケール、シュンギク  以上、苦土石灰の分量『畑の達人』麻生 健
★私の場合、ばあさんの後を引き継ぎ、石灰を長く使用していました。だが”せっかち”な性格なのか1週間ほど置くのが嫌で、バイオ資材投入が消毒・殺菌(線虫など)に対応可能なのを知り、期間短縮が可能な苦土石灰さらには、セルカ(粉)(→カキ殻石灰)を使うようになりました。苦土石灰からセルカ(粉)への切替の理由は、セルカ(粉)が余っていたから、と言う単純な理由です。消毒・殺菌のところで少し不安な部分もありますが、totalでこれが良いか悪いかは数年先になります。また、土壌のpHを上げるため、上記のように、「苦土石灰を参考にして」計ってやっているわけではありません。計量はもの凄くええ加減です。ホウレンソウ、ニンジンは”多めと”言うことだけ記憶にあります。それでも今のところ「野菜くん」は育ってくれています。


3.熔リン肥(熔成リン肥)
基肥に、熔リン肥料(50g/1平米)を加えるとよいもの、ナス、キュウリ、トマト、オクラ、ニンジン、カボチャ、スイカ、ゴーヤ、ピーマン、ズッキーニ  以上、熔リン肥料の分量『畑の達人』麻生 健
※「溶成-」の字も用いられ、 熔成リン肥は リン酸 や アルカリ分(石灰 、苦土)などを含んだ、ガラス様の固溶体である。リン鉱石や蛇紋岩などを原料とし、炉で溶融し急冷破砕して作られる。従って、「よう」はヨウ素でない
※熔リン肥料(リン酸20,苦土15,ケイ酸20,アルカリ分50%)はリン酸が主成分。基肥に混ぜ追肥にむかない。リン酸は土の中を移動しにくいのはカリと同様。花と実に効果有り。苦土石灰と同程度のpH調整力があるので、石灰を施すときは注意する。あえて必要ないか。
4.肥料
・畑の基肥
稲を作っているので、その肥料を転用しています。基肥は、バケツを用意し一度にバケツ7分目ぐらい作ります。リンカーン(今では同様な働きがある14-14-14)を主に、これにNK肥料、熔リン、鶏糞、微量栄養素を含む肥料、油かす、ぬか、等を基肥としています。
・畑の追肥
基肥と同じものか、あさひ、げんき、を使用。

【肥料各種】
JA京都中央(農協)発行の肥料・農薬予約申込書より、よく使う肥料等をあげる。
<水稲用>
・石灰窒素
カリ分55%、カルシウムシアナミド55% 稲ワラすき込みの腐熟促進。ジャンボタニシ駆除に効果。
・ようりん
0-20-0窒素、リン酸、カリの順。他に苦土12%、ケイ酸20%、アルカリ分45% リン酸に加えて、ケイ酸・苦土・微量要素を含む万能つちづくり。
・とれ太郎
20kg 窒素、リン酸、カリの割合、0:6:0。他に苦土12%、ケイ酸30%、アルカリ分45%
・化学肥料14-14-14
窒素、リン酸、カリが14%ずつ入っている。
・化学肥料14-10-13
成分は上記の順。旧リンカーン14号と同成分、製造中止。
・くみあい NK-C6号(17-0-17)
田の穂肥に用いていました。製造終了なのか見当たりません。次のが代用できるようです。畑のズッキーニの追肥にいいようです。
・化学肥料17-0-17
成分は上記の順。リン酸が0。成育後期の光合成を活発にし、登熟歩合を向上させます。
<園芸用>
・硫酸加里
0-0-50 窒素、リン酸、カリの順。
・BMようりん
0-20-0 窒素、リン酸、カリの順。ホウ素0.5%、マンガン1%、ようりん+B(ホウ酸)+M(マンガン)。じっくり長く効く万能土づくり肥料。
・千代田化成549
15-14-9 窒素、リン酸、カリの順。溶かして液肥としても使用可。
【千代田化成による液肥の作り方】
①潅水散布:500倍液、水100リットルに千代田化成200gを希釈(水1リットルに、同 2g)
②葉面散布:1000倍液、液水100リットルに千代田化成100gを希釈(水1リットルに、同 1g)
・あさひ
16-10-12 窒素、リン酸、カリの順。ホウ素0.2%、基肥・追肥万能型肥料。ホウ素欠乏(ダイコン・白菜)に効果。
・げんき
10-3-5 窒素、リン酸、カリの順。「JA京都中央オリジナル」
・セルカ(粉)、(粒)
アルカリ46%。かき殻が原料。
・セルカ2号苦土入り
アルカリ48%。苦土7%、かき殻が原料。
・消石灰(粉)
水酸化カルシウムCa(OH)2(粉)アルカリ65%。
・苦土石灰
(粉)アルカリ55%。(粒)アルカリ53%と苦土16~19%。
・マルチポート1号
苦土15%、マンガン0.5%、ほう素0.2%。野菜用の微量要素肥料。総合ミネラル入りマグネシウム肥料。
・油かす
窒素5.3%。リン酸2%、カリ1%。高窒素有機肥料。
・粒状鶏糞
肥料効果が非常に高い肥料。比較的即効性がある。
・JA活緑
JA京都中央コンポステーション製造の剪定枝とビール粕の堆肥。


5.土づくり
石灰を入れ、その上に水をまき、黒ないし透明のシートをかける(マルチをするという)、これが畑作の定番でしょう。透明シートは光を通し、黒のシートは光を通しにくくなるがより熱を吸収しやすくなり、両者ともに中で熱がこもる。さて、どちらがよいか判断に困ります。日光消毒も必要なところです。夏の日照りが多いときなどは透明シートがよいかも。石灰と水で熱が発生し、さらにマルチで覆ってしまうと細菌・害虫駆除にはいいでしょう。これを1~2週間やると効果あるでしょう。
しかし、期間を要するところなかなか大変です。このあとマルチを剥がし、肥料を入れてまたマルチで覆いしばらく置くと、教本にはあります。マルチを敷くと同時に肥料を入れる方もあるようです。まあ、皆さん教本通りにやっておられる方どれほどありますか。せっかちな私など、次の野菜を待たせることなど堪えられないのです。どこが根本的に違うのか。はじめのとっかかり、「土作り」と「野菜のかおを見てから」(苗の購入)、の違いです。私は「、、かおを見てから」土作りです。だから、「土作り」がええ加減になりがちです。
▼私は、石灰をやめ苦土石灰に切り替えました。耕した後、中央をえぐり取り、数日間日光消毒をします。その後、苦土石灰、ほぼ同時に(しばらく置くことも)肥料を入れ耕し、バイオ液を散布し、マルチシートを敷きます。しばらく置くか、即植え付けます。石灰を入れないのはバイオの菌が死滅するからです。真似しないでください。
 バイオの菌は土の中を野菜にとってよい環境に作り替えてくれるという効果がある。セン虫対策にもなる、と、、学習中です。
▼「土などいらない」という発想で、もう大分前から水耕栽培が始まっています。この栽培では、細菌・害虫は抑制できますね。でも、発生すると被害が甚大でないこと、あり得る話。将来は、畑や稲作りも、植える環境が立てに積み上がっていく。つまり、ビルの中で行われると思われることも。もちろん光はLEDです。


6.病気対策
【うどんこ病】:重曹を希釈した液が効果があると。昨年使用しましたが、既にうどんこ病が蔓延していて、効果があったか不明。この外に、重曹にオリーブ油、洗剤数滴でもよいと(作り方調べます)。また重曹に酢を加えるとか。
【ベト病】:葉に褐色の斑点がポツポツと現れ、放っておくと茶色になりカサついた感じで枯れてしまう病気。糸状菌というカビが原因で、昼夜の温度格差が大きく夜間の湿度が高い(85%以上)ときに発生しやすい、春と秋にかかりやすい病気という。菌は風などで飛んできて葉の裏面の気孔から感染する。
苦土石灰の上澄み液が「うどんこ病とベト病」に効くようです。苦土石灰を軽く1握り(ぐらいだったか?)、これを1リットルのペットボトルに入れ、攪拌し溶かす。これをコーヒーフィルターで辛抱強く濾過し、原液とする。これを100倍程度に希釈し、噴霧器で使用する。これを信じて、令和3年から利用しています。効いているような気がします。その他の対策として、水はけ・通風・採光をよくする。さらに、排水を良くして密植を避ける。窒素分が多い肥料を控える。枯れ始めた葉は必ず除去するなどです。
【モザイク病】:アブラムシが媒介するらしい。アブラムシが嫌う、ムーニ油原液(New アクト-LGの場合)を800~1500倍に希釈し利用し、噴霧器でまく。ムーニ油はあくまでの応急措置で、ウィルス性の病気は直せません。「アブラムシを寄せ付けない」と言うことです。
【青かれ病】:これもウィルス性の病気か、輪作は避ける。

7.田の転用
 田には裏作が可能として、例年通り稲刈りを9月初旬に終わらせ、即耕し、畝を作り「野菜作り」を始めます。今では、裏作をやる家はもうないようです。野菜を少し植えるぐらいですが。
 本年(令和5年)も、野菜作りを始めました。大根、ジャガイモ、秋用ズッキーニ、20日大根、中カブ、キクナ、ほうれん草、水菜と欲張って植えました。例年通り中カブ、キクナ、ほうれん草、水菜がスクスクと大きくなり収穫期に近づきます。秋用ズッキーニは今年始めての追加です。
 とこらが11月中旬ころ、いつもと違い妻が私の横で、「水菜の根がおかしい」といいだしたのです。内心やっぱりか、と思う所があり、「ちょっと待てよっ」、「それはセン虫と違うか」(セン虫対策はこちら)と気が付くのです。同じ事を繰り返していて、見る目が変わり妻が言うことで気が付くとは、これまで何をしていたのかねキミ!(自問自答) トホホ!
 振り返ってみますと、大根は毎年順調に収穫でき、ジャガイモもそれに近いです。キャベツ、ほうれん草、小カブ、チンゲンサイ、9月植え・春収穫のものを試したがだいたいは駄目でした。なぜだかずっと疑問に思いつつ、たまに根を見たこともありました。セン虫らしき根の症状も確かにありました。水対策で水路もつくり畝は高くしているし、石灰が足らない・肥料が足らない、土がゴロゴロしていてよくない、としか考えませんでした。
 田の中のセン虫の撲滅は、外から水を引くから多分むりだろうて。今後は、大根。ジャガイモぐらいにしておこう、か。経験が5年、6年経っても、いや10年ほどになっても、経験則にならない、同じ事の繰り返し。人は「簡単に農協に聞けばよい」といいますが、それでは面白くない、自分の頭で解決策を描かなければ経験知となりません。そのまま10年も放置していては問題なのですが、ともかく私は頑固なのです。今回、視点が私から妻に変わったことで気が付いたのか。視点を変えるというのも、自分の目では駄目だということもありますね。だが、セン虫と結論付けてよいものでしょうか。この地域の経験則として、田の裏作として、麦、菜種、ダイコン、エンドウを作っていたようです(洛北岩倉誌 194)。

 このところ調べてみますと、「水田の場合は土壌が酸欠状態になり、作物の生育に有害な微生物やセン虫などの生物が死滅する」とあります。また、別のところで、田を畑に転用した場合、セン虫の発生が見られるという、記事もあります。仮に原因がセン虫とした場合、一年の内の半年ほど、それも9月から種をまき11月に「セン虫らしき根の症状」が現れるのはどうしたものですかね。いや、田を干している時からセン虫が発生し出すと考えてよいのだろうね。今年は、降雨も少ないし、雨量のいたずらとは考えにくいです。懲りて来年は止めとはいかない私です。(ネット情報によると、キャベツやレタスを植えているところがあるようで。十分に耕す必要がありか、酸素が少ないか、、わかりません)