慶応三年 ( 1867年 ) に初代太田藤三郎が、近江逢坂山の関所跡付近に米屋を開き、 その妻「しも」が副職として峠を行き交う人たちに、印籠の紐等、組紐の雑貨を置いたのが 藤三郎紐の始まりとされています。二代目藤三郎の妻「うの」も組紐、特に丸台に堪能で、 大正に入った頃には、帯締め、羽織紐の需要も増えた為、店は組紐作りに専念するようになりました。 三代目藤三郎は、草木染めの研究をし、藤三郎紐に草木染めを取り入れ、 草木染め手組み組紐の技術保持者として、 大津市の無形文化財に指定されていました。 そして現在、四代目太田藤三郎が130年余り続く藤三郎紐の伝統を守っています。
藤三郎紐は、主に以下のような組み方で紐を組んでいます。
そして高級なものは、草木染めで染めた糸を使用します。
それぞれの組台の説明は、1-4 代表的な手組み組台
をご覧下さい。
内記台による組紐
今では大変珍しくなった内記台によって組まれた帯締めは、
適度な伸縮性があり大変締めやすいのが特徴です。
別玉を使い柄を出す事が出来ます。130年余りの藤三郎紐の歴史の中で、中心的な商品です。
巻きによる組紐
洋角と呼ばれる紐など、直径5mm程の紐2本から6本を糸で巻き、帯締めにしたもの。
最近は、藤三郎紐を真似た外国製の帯締めも出回っています。藤三郎紐の巻き紐は、
すべて日本で一本一本手で巻いており、その美しさ、丈夫さは、
他では真似ができないものであると思います。
(現在製作しておりません。)
綾竹台による組紐
藤三郎紐の綾竹は、一般的な二段もの (
帯締めを縦に置いた時に横の筋が、2色出せる )
の他に四段 ( 横の筋が4色 )
、そして他では見る事の出来ない六段ものがあります。
三角台による組紐
玉数が五つの「五つ組」、七つの「七つ組」等があります。
組み目は3つ編みに似ています。この素朴な味わいの組紐は
柄出しなどは出来ませんが、大変締めやすい帯締めです。
以上が、主な藤三郎紐の組です。
私達は、組紐作りのすべての工程を日本国内で、 それぞれの組台に熟練した職人が行っています。そして、デザインは当然のこと、 帯締めとしての締めやすさを大切に考え作品を作っています。
藤三郎紐には下記の商標や、レッテルがついています。
その他の製品として、草木染め帯揚げ、江戸打紐、携帯電話ストラップ等を作っています。
( ストラップは、巻きの帯締めと同じ手法で一本ずつ手作りする為に数が出来ませんので、
ご了承ください。)