8 公園と周辺舗道・隙間の植物の考察

8−@ 公園自然林・二次林と公園柵内の植物

・公園自然林・二次林(柵外)の植物 (1・表125911参照)
自然林は人の立ち入り禁止区域で、自然のままの状態が長年続き、植物は自然増殖し混み合って競合し、自然淘汰されている。以前は赤松が多かったとみられるが、ここ20-30の間に松枯れで大部分の木は処分され、多く見られる樹木はブナ科の樫類、他にバラ科マメ科モチノキ科ウルシ科ツツジ科モクセイ科スイカズラ科などの植物が多く、林縁には特に多くのフジが柵に絡みついている。シダ類も林縁付近や松枯れの跡にススキと共に多く見られるが、池の付近は観察できないので詳細は不明である。

二次林は雑木林でクズや当初植栽されたと見られるトウネズミモチ・ハリエンジュなどが多く繁茂しているが、管理されているところには色んな品種のサクラ、紅白のウメ、ヒラドツツジなどが植裁され毎年下草刈りされ、花は人々の癒しとなっている。

然林・二次林は、9示したように、自生植物が殆で86%・帰化が7%逸出とみられる植物が10%ある。自然林の奥は大きな木が繁茂している。公園の区切り柵付近の開けたところに、帰化や逸出した多くの植物が見られ、特に珍しいものは、ベニカタバミ、カタバミ科(写真67)の帰化植物で花は美しい、葉裏が赤茶色し、球根が数個つく。 なお、絶滅危惧種Cランクの キンランの花が咲いているのが見られる年がある。
深山池は冬季には、多くのオシドリ、マガモなどの水鳥が飛来し賑わっている。30年くらい前には、オオバン、タヌキなどの姿も見られたが今では見られなくなった。

・公園柵内の植物 (12-6・表1・26-2・9・11参照)
柵内は公園として整理され、自生の植物は木本類が12種、草本類が80種、帰化植物は全て草本類70種ある、植裁したと見られる樹木は52種逸出した樹木が4種ある。公園柵内斜面の一部に地山の部分が残され、17種の樹木が、自然林を形成している。
開けた土地で地山と見られるところには、フユノハナワラビ、ギンリョウソウ、ノアザミ、オオバナニガナ、キンランなどが生育している。また、整地された斜面で水が湧き出ているところに、イグサ・アイダクグ・クロテンツキ・テンツキなど水辺の植物が自生している。
 公園の舗装された園路の縁石・舗装ブロックや石垣の隙間に55種、植え込みの隙間に45種の植物が見られる、そのなかでも縁石の隙間に、ヤマグワ、ムクゲが大きく生育して (写真2175)。特にヤマグワは毎年草刈りで伐採されるが、葉が毎年生え茂っている。ムクゲは伐採されないが縁石の隙間を押し広げて見事な花を咲かせている。他の隙間の植物は殆どが草本である。公園の植物は、自生が42% 草本類151種のうち47%、が 帰化植物となっている。植栽植物24% は 全て木本類、逸出は3%で、隣接する猪名川町全体の植物と比較すると、猪名川町は自生83%、帰化逸出17%で、公園は帰化逸出が35%で猪名川町の約2倍の帰化植物が侵入しているが、猪名川町の北の地区は帰化の侵入が少ないためとみられる。
公園の中に植栽された、ヒマラヤシ−ダ・メタセコイヤ・シナサワグルミ・アキニレ・ケヤキ・セイヨウハコ、ヤナギ・モミジバフウなどの樹木が大木となって育っている。
草本類は、多くの草が見られるが、 最近侵入した帰化植物では、ヨーロッパタイトコメイ、ナガエコミカンソウ、 (写真4472) は共に石垣の隙間で見られる。キキョウソウ、ヒナギキョウソウ (写真112113) 園内の舗装ブロックの隙間に生育している。メリケントキンソウ (写真118) は帰化植物で芝地に入り込み果実が棘状で芝地のサッカー場では危険植物とされている。