第3回 ロードオブザリング

★★★★

 

おいおい!あの「指輪物語」が★4つかよ!というお叱りも覚悟のうえ・・・・
基本的に★4つは「お勧め・ビデオに出たら見てください」というものですね。今回は星を6つにするか
4つにするか悩んだんですけど、4つということでまとめました。理由はあとで・・・

ただ、4つだからこの映画のよさが失われるというわけではありません。さすが「元祖ドラクエ」
(ドラクエのモデルになった北欧・あるいはケルト神話と同じ舞台設定)ファンタジー・SF的な要素は満点!
そういうのが好きな人なら完璧でしょうね。特に私が良く嫌いがっているアメリカ映画の「俺たちは世界のNO.1
だ!!!的な要素が見られなかったのに好感が持てました。良くあるのが「有色人種・あるいは異形の劣性生物」
を助ける白人ヒーロー、「過剰すぎるアメリカンジョーク」←使い方によっていやみになりますからね。
どうにもならないくらいのラブストーリー・・・・これらがアメリカ映画のいいとこであり悪いところ。
引き合いに出すのも申し訳ないですが。「インディペンデンスデイ」や「スターゲイト」という映画(どちらも監督がいっしょだったか?)
はこれに当たるものでした。面白いのですが、どうも馬鹿にされているような気がして仕方ないのです。
今年のオリンピックでもありましたね。な〜んか、「America is NO.1!!」的なものが・・・・
それがこの映画には少なかった。あたりまえか?監督はニュージーランドの人(笑)

しかしこの監督、ピータージャクソン。この監督が曲者でした。私は実はこの監督の映画を過去に見ているんですよね
いえ。ベネツィアで賞を取った「乙女の祈り」ではなくて。その前に作った「ブレインデッド」という作品なんです。
多分このコーナーを見て「おお!ブレインデッドか!」という人はかなりのホラービデオ狂ですね(爆)
ストーリーは省きます。見たかったらビデオ屋さんにあると思います。これも★4つ以上のおすすめです。
私は実はホラー大嫌い人間なのです。怖くて見れない・・・それが何を思ったか見に行ってしまった生涯唯一のホラーです。
場所も難波の小さな小さな映画館・・・・・・でも大正解でした。大爆笑のうちに終わったのを記憶しています。
あの時はベタベタともいえるギャグとジョークが飛び交っててかなり灰汁の強い映画だったのですが。
今回はこの監督、かなり原作に忠実にやってるんだろうなぁというような感じが見受けられました。
原作の世界観はおそらく、5年前では映像は不可能だったのでしょうね。ここまで見せられるのは映画の進歩か?
「ようやっと、映画が人間の想像力に近くなってきた」ということなのかもしれませんね。

閑話休題、そういった原作の世界観をしっかり映し出せたのが良かったし。変な「ショー」的な要素も極力排除(??)したのも
良かったのですが、長い!!!!!!!!!!!(爆)
しかもこれが3部作。1部の終わりには「もう2部も3部も見なさい!」といわんばかりの終わり方!!(爆)
あれは凄いですね。おいおい本気で1年待ちかよ!と心の中で突っ込んでしまいました(笑)

確かに初代「スターウォーズ」や「レイダース」などはもともと続編が設定されたわけではないから仕方ないでしょうが
もうちょっと切りのいいところで終わってくれりゃぁ良かったのにという思いがありますね。
そりゃ、見ますよ、1年後・・・・・・外国の人はこういう「待つ」という行為が上手に楽しめる人種なんだろうな・・・
と思ってしまいました。
日本人(私だけ??)だったら、次はすぐ見たい!1年待つ間にいろんなことがあって次ぎ見る前にもう1回見ないといけない・・・・
そしてそれが後1回ある・・・と思ったら少し憂鬱になってしまいました。
ゆえに単行本を来月から読んでしまいます。もう我慢できません(笑)
まぁ、ストーリーを知ったところで待つことは変わりないのですが
たぶん外国のコアなファンとは、待てるんでしょうね。楽しく(苦笑)この辺の時間の「流し方」がやはり日本人はへたくそなのかも?
と思いました。もしこの映画をご覧になって私と同じように「おい!1年待てるかい!!」と思った人はそうなんでしょう(笑)

それが、今回のこの「ロードオブザリング」の★評価を下げた理由です。つまり「私自身の楽しみ下手が個人の主観である評価を
下げる原因となった」ということですね。おいおい、そんなやつが映画を語っちゃダメでしょう(笑)

でも、そう思わせるくらい次回への期待感が強い映画ではあります。
舞台も今の30〜10代が熱狂した「ドラクエ」「FF」シリーズの基本的なベースがありますし。おそらく日本人でもこういった
神話の世界観にすんなり入っていけるでしょう。おそらく欧米人よりも柔軟に受け入れているのではないでしょうか?
こういった原作に影響されてできたのが「ダンジョンズアンドドラゴンズ」であり「ウィザードリィ」であり。それに影響されて
できたのが「ドラクエ」であり「FF」であり・・・今まで楽しんできたゲームの親玉がこの原作であると思ってみると
これがなかったらドラクエもなかった????なんて感傷に浸ったりしてしまいました。

もちろん、おとぎ話の親玉であると同時に、物語は世界のどの古典にもある「人間への警鐘」ももちろん含まれています。
偉大な力を欲する欲望・・・それは誰の心根にもあり。それに抗うのが如何に困難で、人間とは歴史も人も代わっても
根本的に生きているうちはその欲望との戦いを古今東西続けていく・・・・・・という概念。
今の日本でもそうですが、権力という魔法に取り付かれた人、金という欲望に振り回される人、そしてそんな欲望を持ちながら
絶えず、それに抗う人・・・・・誰でもそうであります。

ただ、この物語の主人公である「指輪」を棄てる(劇中ではbreakと言ってましたね棄てるのだけでなく「破壊する」のでしょうね)
と言うのは、ただ魔王が復活するのを阻止する、と言うだけでなく。人間の根源であるはずの「欲」を捨て去るということ
そのための「旅・冒険」であること・・・・・困難が待ち受けるのは当然のこと。ただ、本来人間が目指すべき道はその「困難」であり
人生とは「棄てる旅」の連続である。な〜んて書くと臭すぎますね(爆)

あ、あとイラジャウッドよかったっすよ。私あまり役者の演技誉めませんけど。意志の強そうな目が印象的でした。

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