嘆きのアンドロマケ


阿刀田高『ギリシア神話を知ってますか』より。

アンドロマケは、トロイア戦争のヘクトルの妻。ラシーヌの戯曲"アンドロマク"は、トロイア戦争の後日談。
ある研究者が戯曲”アンドロマク”の中には、 「寡婦のコケットリーがある」 と指摘したことがあった。 アンドロマケはピュロスの愛を拒否しながらも、その台詞の一つ一つを細かく吟味すると、ピュロスの愛をさらに激しくかきたてるような、そんな媚態を巧みに滑り込ませている、というのだ。

そういうもんだと思う。


土 - 4 月 21, 2007   11:59 午後