iPhone用、初の多機能メーラーiBisMailの不具合と今後の期待


iPhone標準のメールに比較して多機能のメーラーiBisMail がリリースされたのを9日のAppBankの記事 で知った。記事でも不具合が報告され、App Storeでもすでに5件ほど不具合レビューがあったが、とりあえず横画面対応ということだけでも価値があるかなと思って早速購入(115円)してみた。

AppBankの記事は、ibisMail:iPhoneのMailには無い様々な機能を補う、スタンドアロンタイプのメーラー。191 | iPhoneアプリのAppBankというタイトル。Gmailと同期ができないスタンドアロンタイプとして紹介されていたが、App Store のアプリケーションの説明 ではIMAPに対応している。

とりいそぎGmailでIMAPの設定を行なってみた。メールアカウントの設定は簡単。受信サーバの設定を終えると、自動的にsmtpサーバが設定された。そのままGmailにアクセスすると、Gmailのラベルに対応したフォルダを自動的に作成。メールを読み込み始めたのだが、2件のメールを読み込んだあとは、いっこうに読み込み件数が増えない。

どうも本日の日付のメールしか受信しない模様。使い始めた時間以後ではなく、日付が今日の分だけ。そして迷惑メールフォルダには20件もメールが溜まっている。迷惑メールばかり読み込んで、いったいどういう了見なんだ。Gmailの迷惑メールフィルタは優れものだ。迷惑メールフォルダの読み込みを指定していないのでに、わざわざ読み込む必要はない。

昨日以前のメールが読み込めないのは、何度再読み込みをしても同じ結果だった。



気を取り直して、送信テスト。iPhoneから自分宛にメール送信した。しかしいっこうに送信終了しない。挙げ句の果てにサーバーから認証できないとのメッセージが返ってきた。

メッセージを送信できませんでした。
smtp.gmail.com:465
502 5.5.1 Unrecognized Command.

smtpの設定をみると、自動的に設定されたsmtpサーバのポートが465になっていた。GmailのiPhone用の設定ヘルプ では、SSLをオンにしててもポートは587となっている。ポートを設定しなおして、更新ボタンをおすと、今度はサーバが混雑しているという。

メッセージを送信できませんでした。
smtp.gmail.com;587
送信サーバに接続できませんでした。タイムアウトエラー。接続環境がよくないか、サーバが混み合っています。


うーっm。よくわからないが、受信も送信も万全ではない。

ところがこの送信エラーメールは、送信先アドレスにちゃんと届いていた。ますます、よくわからない。



夜になって、AppBankを再度覗いてみると、なんと昨日リリースされたばかりなのにApp Store で1位になっているという。皆の関心の高さが伺える。この私でさえAppBankの記事をみて即決したのだから。

さっそくiTunesでAppStoreをみてみると、確かに1位で、レビュー件数が50を超えていた。反響がすごいが、レビューの中身は不具合報告ばかり。すぐに「落ちる」らしい。なかには騙されたと憤慨している人もいる。たしかに有料アプリなのに初期不良の状態があまりにヒドすぎるようだ。

私の場合、その後のメールは受信できているが、相変わらず送信エラーで実用にならない。

AppBankのエントリのメント欄で開発者のブログへのリンクがあったのでたどってみた。昨日、多機能メールをリリースできたことの報告の記事だった。しかし本日の記事([iPhone] ibisMail for iPhone不具合ですみません - かみやんのロボット開発記)では、もうすでに不具合対応していることを報告している。どうも修復作業に追われて大変な様子。

さらに、AppBankはアイビス社に不具合の告知と修正予定についてのコメントを求めたようで、アイビス社の社長がメッセージを寄せていた(開発者のかみやんは社長?)。

【リリース】iBisMail、現在知られている不具合と対応予定についてお知らせ。株式会社アイビスより。 | iPhoneアプリのAppBank

しかし、このメッセージ、真摯で一生懸命なのはわかるが、どうも会社としてのメッセージとして不十分のような気がする。ソフト開発販売の素人ならいざしらず、個人業種でもなさそうだし、ケータイ用アプリで実績がある会社のようだから、もっとしっかりしたメッセージが出せるようになってほしい。

それに、これほどトラブルが続出するということは、製品としての完成度が低すぎる。もっと、きちんとβテストしてから世に出すべきだ。PhotoCanvas のβテスト中に注文の多かった消しゴム機能をあえて盛り込まなかった中島聡氏の開発姿勢(Life is beautiful: 常に地に足をつけて仕事をするということ)との開きを感じる。



これから、iBisMailの修復はうまくいくのだろうか?

ブログによると、いろいろな協力者が現れたということだから、きっと良い製品にバージョンアップすることだろう。それに、ヘルプを読んでいると、もともとオープンソースをつかって開発したようなので、iPhoneのアプリ自体がオープンソース化するということがあってもいいような気がするが、AppStoreという規制の壁があるのが災いしている。フル装備のメールソフトが初登場というのも、Webブラウザが認証されないと同様、そんなところに原因があるのだろう。

そういう意味では、快挙ですね、これは。

今回はその先行投資ということで、次期バージョンに期待することにしよう。


火 - 3 月 10, 2009   11:00 午後