誤解を招くNHKのニュース


タワーレコードが倒産した。これに関してCNET Japan Blogの中島聡氏が記事を書いている。

AmazonとWalmartの狭間に消えたTower Record
http://blog.japan.cnet.com/nakajima/archives/003077.html
http://japan.cnet.com/blog/nakajima/2006/08/27/entry_amazonwallmartt/

興味深いのは、『NHKが夕方のニュースであたかも「Tower Recordの倒産はダウンロード型ビジネスモデルへのシフトだけが原因」であるかの誤解を与えるような報道していた』というくだり。

たしかに私もそういう内容のニュースをラジオで聞いた。NHKのニュースは、専門的な内容を分かりやすくするために、さまざまな状況を端折って短絡的に報道することがある。私もiTunesの台頭のせいと思った。

しかし中島氏も書いているように、ネットからのダウンロードでCDの売り上げが落ちたとすれば、Win-MXやWinnyによる違法ダウンロードによるところが大きい。iTunes登場以前からそう言われていたし、当初はiTunes自体もまた違法コピーの温床になるかのように業界から敬遠されていた(特に日本)。

結果として良識あるユーザーはコピープロテクトのかかった曲をiTunesで購入して健全なダウンロード販売が根付いた。iTunesのビジネスモデルは成功し、今もなお成長を続けている。それでもタワーレコードを倒産に追い込むほど打撃を与えていないということらしい。

中島氏によると、タワーレコードの売上に打撃を与えたのは、むしろ、ディスカウントストアとオンラインストアだそうだ。といっても、「米国での一般的な見方」として紹介しているだけで、具体的なデータを提示しているわけでもない。

それでもNHKが報道した内容よりは説得力がある。

NHKはウラをとらずに、雰囲気で報道したに違いない。


火 - 8 月 29, 2006   06:18 午後