あつもりそば


京都御所の西側、地下鉄烏丸駅の北東出口を出て北上し、一番最初の路地を西に入って角を右に折れて、表にでる手前にある蕎屋、竹邑庵太郎敦盛。なんだか人の名前みたいで、そこがソバ屋だということは、知っている人にしか判らない。

1年半ほど前に改装するまでは、ほんとうに普通の民家という感じだった。じっさい、同僚にそば屋だと教えられて一緒に食べに行くまでは、一人で入ってみようかという気にさせない雰囲気があった。

中には入ると、表に面した入口のすぐ横が厨房、靴脱ぎ場を上がったすぐが会計、まっすぐ行くと奥の座敷だが、玄関すぐに階段があって2階にも座敷がある。

普通の家をそのままお店にしている感じが居心地よく、一般に慌ただしい蕎屋の雰囲気とちがって、食べ終わったあともゆっくりと何することなくくつろぐことができた。もっとも混雑しているときは、そうはいかないので、お昼の時間をずらして入店していたものだ。

京都でゆっくりと遅めのお昼を過ごす時間がないと、なかなかここのソバは食べることができない。今日は、入学式の行事を一通り終えて、旧京都地裁所長宿舎を見学後、遅めのお昼となったので、改装後、はじめて店に入った。改装したといはいえ、店内の雰囲気は昔のまま。ひょっとして、3階を増築した? 詳しく観察しなかったのでよくわからない。

もちろん、味は変わらず、久々に蕎麦を喰ったという満足感に浸った。

せいろに入ったあつあつのソバを、あついツケ汁につけて食べる。お椀にきざみネギが山盛りで、玉子とわさびが入って出され、それに徳利にはいった熱いおつゆをかけて、ときほぐし、ソバをひたひたに浸して食べる。

これが美味い。一度食べたら病み付きになる独特の味。

てっきり釜揚げかと思っていたら、一度茹でたソバをせいろで蒸しているそうだ。


水 - 4 月 2, 2008   11:37 午後