あんこ


この歳になったからか、甘いものが欲しいときに「あんこ」が食べたくなる。甘さをチョコレートなどの洋菓子ではなく、小豆の餡に求めている。身体が小豆を欲しがっている?

昔から、季節の行事には、あんこをつかった和菓子がつきもの。小豆は健康食品として昔から重宝されてきた食べ物だ。が、庶民はあまり口にできなかったようだ。小学生のころの授業で先生が読んでくれたお話に小豆に関わる悲しい話があった。

貧乏生活をしていた父親と娘がいた。赤飯を食べさせたい思いで盗みをはたらいた父親が、赤飯のことは誰にも言うなと口止めしたにも関わらず、娘は嬉しくてつい歌にして歌ってしまった。それで父親の盗みがバレて打ち首になり、娘はショックで口をきかなくなった。

小学生ときにきいて、かなりショックだった。しかし小豆が貴重な食糧であることを知った。その時分でも、小豆をお手玉に入れて遊ぶのは許されるのかとおもった。

昔話はさておき、今年は、水無月を食べ損ねた頃から、ずっと小豆にこだわっている様な気がする。ふしぎにもカミさんもアンパンにこだわっている。

手軽においしいあんこが食べたい。そう思ったら、自分でつくるのが私の流儀。

まずは初心者として、買ってきた小豆の袋に書いてある通りに煮てみた。最初に灰汁をすくうように書いてあったが、灰汁はほとんどでなかった。煮汁が少なくなると、足し水をして、さらに煮込んで小豆が指で割れるくらいまで煮る。そこで砂糖を少しずつ加えて行く。砂糖の適量がわからないから、適度な甘みがつくまで、砂糖を何度も入れ続けてみた。

味は? なんか渋みが残ってて田舎風。お店で売っているあんこの味ではない。

うーん。砂糖の量かな。あとから少し砂糖を足すと、なんとなくあんこの甘さのように思う。

2度目。同じやり方で、砂糖の量だけ増やしてみた。たしかに甘みはましたが、まだ上質のあんこの味ではない。でも御座候の餡のようなかんじにはなった。

3度目。ネットで「和菓子職人が教えるカンタン和菓子レシピ 」をみつけた。最初からちゃんと調べてつくるべきだったのだが、そういえば最初はあんこじゃなくて、小豆の水煮にして、いろいろ使い回そうとおもってたようにおもう。いずれにしても驚いたことは、砂糖を大量に使うこと、煮汁を何度も捨てること。煮汁を捨てるのは、なんだかもったいない気がする。けどほぼそのレシピどおりにやってみた。砂糖は粗目で小豆と同じ重量にした。

甘みがあんこ風になった。控えめな甘さで小豆の風味がある。もう少し何か工夫がいるのだろう。次回はいつになるか。

最終的には、赤福餅のようなこしあんをつくりたいが、そうなると小豆を味わうというのとちょと離れそうな気がする。


土 - 11 月 24, 2007   08:29 午後