蚕を食す


蚕(かいこ)を食べるという官能検査に参加した。絹糸のもとになる繭(まゆ)をつくる、あの蚕だ。食べるなんてことは想像だにしなかったが、先々週4齢、先週は5齢の蚕、今日はサナギを食べた。炒めたのと茹でたのとをそれぞれ食べて、湯葉との比較をおこなった。

信州では蜂の子を食べる習慣があることを知っていたし、イナゴの佃煮なんかも知っていた。虫をタンパク源として食べること自体には違和感を感じない。ただ、蚕はちょっと違うんじゃないか? と思った。イモ虫だよ。

4齢の蚕は、2〜3cmくらい。炒めたのは外側がやや堅く、かっぱえびせんのようなスナック菓子系の様な感じだが、噛みごたえはあって中味は柔らかい。茹でたのは、外側にちょっと厚い皮のある果物のような感触で、噛むと中からやわらいジューシーな果肉が出てくるという感じだった。そのときはたとえが浮かばなかったが、イクラのような感じだ。

5齢の蚕はいきなりおおきくなっていた。半分にきってあった。炒めたほうはより外側がパリパリした感じで食べやすくなっている。茹でたほうはジューシーさがなくなったがタンパク質系の味を感じるようになった。4齢より旨い。

官能検査の比較対象として、まず湯葉を食べてから、蚕を食べる。匂い、味、などを比較する。しかし、もともと湯葉が大好きなので、比較の対象にならなかった。湯葉のほうが断然旨いにきまっている。

それに、やっぱり外見は、イモ虫。モスラだ。好んで食べるられるものではないように思う。天ぷらだったら外観を気にせずに食べられるかも。

ところが、今日食べたサナギは、虫の姿が見えないだけに食べやすい。しかも炒めたほうは、結構香ばしく、タンパク質系の味覚が濃くなっていた。食感が炒めた湯葉に似ている。湯葉と対比させていた理由が、今日ようやく分かった。これは結構いけるのではないか? 炒めるより油で揚げたほうがもっといいかもしれない。ほとんどスナック菓子として食べられる。茹でた方は、なんとなく茹でた野菜という感じ。

蚕のサナギ、結構いけるかもしれない。


水 - 10 月 3, 2007   11:21 午後