男前豆腐


スーパーの豆腐売り場でみつけたどでかい豆腐。パッケージには「男」という文字が黒々と大きく印刷されている。変な豆腐、と思っていたが、なんだが気になっていた。

実は豆腐が大好物だ。

先日、ママが「男前豆腐って知ってる?」 と聞いて来た。
「しらん」でも、たぶん、あの豆腐のことだろうと思った。
テレビで、その豆腐のことをあつかった番組があったらしい。


日曜日、お昼に焼き飯をつくったときに、冷蔵庫に残っていた玉子2つを使い切った。
夜、出先から帰ってきたママが、冷蔵庫をのぞいて、
「あれえ 玉子つかっちゃったん?」と叫ぶ。
「お昼に焼き飯した」と返事した。
「玉子がなたったら、明日、お弁当がつくられへん」
というので、夜遅くにスーパーに買物に出かけた。

日中あつい時の買物より涼しくていいが、9時すぎてから食料品の買物ができること自体になにか違和感を感じながらも、ついでに食材をいっぱい買い込んだ。

そこに気になる「男」豆腐。あと3つしか残っていなかった。どうしても食べたくなった。ママがみたテレビ番組がどんな内容かしらないが、どうも絶賛してたようだし、と思って、そのひとつを手に取って、カートを押しているママのところに持っていく。いつもならパパが買おうとしているものには、嫌な顔するのだが、この豆腐のときはちがった。

あ、これ。テレビでやってたやつ。

とニコニコしながらかごに受け入れた。よかった、よかった。
レジの女の子がかわいかったので、もひとつ得した気分。

その日の夕食は終わっていたので、翌日(つまり今日)、帰宅して、食べた。

ツルっとプリンのように口の中でとけてなくなりそうなやわやわなのは最近の豆腐。しかもママは絹こしが好き。それとちがって、ごわごわでまだたくさんおからがとれそうな舌触り。

これが豆腐だ! 甘い。旨い。そのまま、何もかけずに豆腐だけを食べる。

昔、豆腐屋のおっちゃんが自転車にのってリヤカーをひっぱり、鐘ならしながら売りに来てた頃、鍋を持参して買いに行っていた頃の豆腐を思い出す。

そういうたら、豆腐一丁ってこのくらいの大きさやんか。


月 - 8 月 27, 2007   11:31 午後