彩り15品目弁当(藤本食品)


ここんとこ、近所に立て続けに2件のコンビニがオープンした。開店売り出しを目当てに覗いてみて、それぞれのお店でお昼のお弁当を買ってみた。いずれも平常価格から50円引きだった。

だいたいコンビニのお弁当は、どれも塩味が強すぎて、あとで無性にお茶が飲みたくなる。ある産婦人科で入院中の妊婦がのきなみ妊娠中毒になる事件があって、調べてみると、経費節減のためコンビニ弁当を買ってきてバラして入院食として出していた、という話を胃腸科の医者から聞いた。生活習慣として塩分を控えめにしろという忠告としての話だったが、とにかくコンビニ弁当は塩分が濃い。

そうとは知っていてもひさびさにコンビニ弁当を試しに買ってみることにした。2/22オープンのファミリーマートでは幕の内を買ったが、煮物焚き物は少なく、揚げ物フライ物がおおい。しかも天ぷらの油がベトベトでまずかった。通常530円を480円。それでも高いと感じた。それにファミマの弁当は種類が少ない。

2/28オープンのサークルKでは、焼き肉弁当を買った。同じく50円引きで480円。幕の内をねらっていたが、揚げ物、フライ物ばっかりだったのでやめた。その日はちょっと濃い味に飢えていたのだが、それでもまだ味が濃すぎると思った。サークルKの弁当は全体に揚げ物が目立って、どれも敬遠したくなる。そういえばサンクスとサークルKは同系列で、サンクスの弁当で同じ思いをしたのを思い出した。

最近よく食べているのは、藤本食品の「彩り15品目弁当」。数えたことはないが、おかずが15品目あるという弁当だ。しかも300円。安い。ちょっとご飯の量が少ないが、減量中のころは、この量でさえ多いと感じて残していた。ただし薄味ではない。他のコンビニの弁当よりまだマシというだけ。
藤本食品の弁当はスーパーなどに並べられていることが多いのが、シノブフーズと似た様な商品を出していて、シノブフーズより若干安いのが特徴。しかし、シノブフーズに比べて、全体に味がなまぬるい感じで、パンチがない。それでいて後味には塩味しか残らない。フライ物の衣はまずく、いかにも安物といった印象だった。阪急百貨店系のスーパー「オアシス」が藤本食品の弁当を仕入れていて、阪急の名が泣くと思っていた。

通勤途中の行き着けの食料品店(個人営業のローカルコンビニ、○○商店という名が多い昔ながらの食料品店で、駄菓子屋ではない)が、数年前までは弁天堂(ここのは美味い)だったのに、藤本食品の弁当に変わった。ちょうどそのころ、藤本食品のお弁当がおいしくなったように思う。

そのころ、通勤途中にあるスーパー「サンピア」の300円の日替わり弁当がお気に入りだった。総菜部でつくっているスーバー独自の弁当で、焼サバやサンマなどのおかずが良かった。ほかにも総菜だけを買うよりお買い得な「おでん弁当」などもよく買った。工場生産ではなないので、塩分もいくぶん控えめだし、とにかく安い。

「サンピア」は、お気に入りのスーパーだった。もともと対面販売の市場だったのを協同経営方式のスーパー形式に変えて頑張っていた地域商業施設だったので応援していたのだが、全体に品揃えが安っぽく、商品陳列や販促方法が洗練されていないなかった。近くにできた「マルヤス」の集客力に負けたのだろう、2005年の夏ごろに廃業して、今は「アプロ」に変わった。「アプロ」ができて、その近くの「オアシス」がつい先頃閉店した。「オアシス」と「サンピア」で客層の競合を避けていた感があったのに、「マルヤス」がきて双方とも客を取られたところに「サンピア」の体力が続かず、「アプロ」に変わったところで、阪急「オアシス」は「ニッショー」との統合など本部での戦略もあって閉店ということになったのだろう。地域の老舗(?)が2店とも消えて、新興勢力にとってかわったという図式だ。この間、「ポロロッカ」というスーパーも出店したが、すぐに閉店してドラッグストア「キリン堂」になり棲み分けしている。

「アプロ」の弁当は揚げ物中心で、まずくなって高くなった。「サンピア」閉店後は、お昼の弁当の定番をいろいろ物色してまわり「オアシス」でタカキベーカリーのパンと総菜というパタンもあった。

「彩り15品目弁当」が発売されたのはそのころ。渡りに船というか、価格といい、量といい、減量中の栄養バランスを考えてもベストな商品だった。ちょっと塩味がきついのは、この種の工場生産の弁当ではしかたがない。おかずのひとつひとつが小さいので、フライの衣のまずさも気にならない程度。自家製弁当でこれだけの品数を揃えるのは大変だから、300円だし、少々の塩味はがまんすることにした。サケの切り身に骨がついたままなのだが、それが300円たる所以かも。

発売当時は、ごはんの上に小さいサイコロ型に切ったサツマイモがのっていた。いまは高菜に変わっているが、サツマイモのほうが良かった。このサツマイモのトッピングというところが、みそだ。藤本食品の商品開発部に何か変化があったのだろう。いなかくさい雰囲気から、ちょっと脱却したかな。


日 - 3 月 4, 2007   06:45 午後