ドアが壊れて晃志が部屋に閉じ込められる


3時頃、「緊急事態発生」と仕事中にSMSメッセージが届いた。電話するとパニック状態のママ。説明を聞いても状況が把握できない。亮佑にきくと、兄弟二人で亮佑の部屋にいたが、亮佑がお茶を飲むために部屋を出てドアをしめて戻ってくると、ドアが壊れて開かなくなってしまったということ。

ドアノブ、といってもウチのはレバーハンドル式なのだが、それがうんともすんとも動かなくなったという。無理矢理がちゃがちゃしていたら、カチャと音がして、ドアレバーは動くようになったが、相変わらずドアは開かない。レバーハンドルを下ろすと、扉を枠に固定するための金具(ラッチ)がハズれるという機構自体が壊れてしまったようだ。

レバーハンドルでラッチを操作できないなら、ドアの隙間に定規やドライバーをさしこんでラッチをを押し込むと良いのだが、このドアは内開き。閉じ込められている晃志側から操作するしかない。しかし、スキマが狭くてマイナスドライバーは入らない。滑ってラッチを押し込めない。

となると、レバーハンドルを取り外し、内部からラッチを引き込むしかない。電話でレバーの根元あたりに固定ビスがあるから、それを外すとレバーを外して、レバーハンドルのカバーを外すことが出来るはずだと伝える。カバーが外れると穴が空いているので、そこから操作してラッチをドア内部に引き込むように亮佑に指示した。

しばらくして亮佑から電話。レバーの固定ビスは部屋側のほうにあるという。屋外の廊下から、窓越しに、晃志にドライバーを渡して、ビスを外してもらうことにした。晃志側のレバーは外れたが、亮佑側(部屋の外側)のレバーが外せないという。晃志側からレバーがはずれた状態の写真を写メでおくってもらう。


そのまま反対側から引き抜けるはずなのだが、抜けないという。ならば、このカバーを外すともう少し大きな穴があって、ドライバーとか差し込んでノブを回せるのではないかと推察。このカバーは左右からフックで止めてあるだけなので、ドアとカバーの隙間にマイナスドライバーの先を押し込んで外してみるように指示。しかしカバーは外せなかった。

亮佑が送ってき写メ。



どうやら、カバーの内側に留め具がある。留め具はドアの両側からビスで固定されている。なのに留め具ごと無理矢理引っ張ろうとしているようだ。カバーの側面にあるふくらみのところがフックなので、留め具とカバーの隙間にドライバーを入れて外せば、ビスを外せるハズと、電話しようとしたら、亮佑から、「内側のカバーが外れた」と電話がはいる。写メを送ってもらう。



カバーをはずしても、穴の大きさはほとんど変わらなかった。これでは、ラッチをドア内部から操作できない。

(ドアの施錠部分がどんな構造になっているかなんて全く知らなかったが、今回のトラブルで詳細を理解した。下側の穴の奥に見えるのがチューブラッチという部品。ここに四角芯のレバーハンドルを差し込んで回転させてラッチを引き込むという仕組み。そのチューブラッチの機構が破損したので、この写真で見えている部分から操作しても、解体する前と同じで、何の効果もない。)

こまった。

こうなったら、ドア枠から戸当たり(開き戸がドア枠でしっかりと止まるように設置されているドア枠より狭めの枠)を外して、室外からドアとドア枠のスキマが見えるようにして、そのスキマからラッチを押し込むしかない。戸当たり側から見えるラッチはちょうどドアをしめるときにスライドして引っ込むようになっている側なので、スキマさえ見えれば簡単に押し込むことができる。

さいわい、我が家の戸当たりはプラスチック製のはめ込みタイプだった。かつてLANケーブル敷設のさい、ドア部分にケーブルを通すときに簡単に外せる戸当たりであることを知っていた。安普請に感謝。「戸当たり」を口頭で説明できないので、写真に書き込んで、それを外すように指示。


ドアの下から順番に外していくと、ちょうどレバーハンドルの部分の隙間さえ見えれば操作できるので、全部外さなくてもいいと指示したのだが、なんと戸当たりは床の中に埋まっているという。そんなことは忘れていた。そうなれば、上の戸当たりから順番に外していくしかない。

結構ビリビリってすごい音がするけど、このまま外していっていいん?

と亮佑。少々の破損は仕方ない。ビリビリ音がなっても引っ張れば外せるので、しかし戸当たり自体を壊さないように慎重に外すこと、と指示。

しばらくして、ドアが開いて晃志が救出されたと報告があった。ラッチ部分にテープを張って飛び出さないようにしておくこと。ラッチの受け穴もテープは張っておくことと指示。

もう6時前だった。



帰宅して、現場を確認してびっくり。ラッチを外してドアが自由になったとたん、晃志が中からドアを押し開いたそうだ。おかげで蝶番が歪んで、元どおりにしまらなくなってしまった。

なんてことをしてくれたんだ。慎重かつ丁寧に指示を出して、壊れた部品を取り替えるだけでもとの機能を回復させる手はずだったのに、蝶番がゆがんでしまっては、それをもとに戻すのは難しい。

このドアが内開きだということは、長年使ってきたのだから重々承知のはず。なのに、どうして反対側に押し開くのだ!

戸当たりも全部外してある。戸当たりを外したのは、ドアとドア枠との隙間をつくってそこからラッチを押し込むためだけったのに、亮佑は戸当たりをはずして反対側に開くようにしたんだと勘違いしたらしい。しかし蝶番の構造がそうなっていないので反対側に開くわけがない。そのときに室内側にあけるべきだということは考えも及ばなかったという。開かなくなったドアだから、いつもと違う方向に開けようとするほうが順当な考えだと思ったそうだ。そうやって無理矢理室内から押し開けたのだった。

落胆しながら、チューブラッチをドアから外して、部品を確認すると、ひび割れていた。部品がバラバラと崩れた。

このドアは叱られて逆上した亮佑が力任せにバタンと閉めたり、兄弟喧嘩(あるいは遊び)で閉じたドアを強引に開けようとしてレバーハンドルをガチャガチャやっていたり、とにかく扱いが荒いドアだった。そのツケがたまたま今日訪れたということだろう。通常の使用ではそう簡単に壊れるようなものではない。

閉じ込められたおかげで塾に行けなくなった晃志が、わざとドアを壊して塾をサボったと言いがかりをつけられていたが、ひょっとしたら塾をサボりたい一心が招いた事故だったのかもしれない。晃志が解放されたのはちょうど塾が終わる時間だったのだ(笑)。

それにしても、つい先日家族のケータイをソフトバンクに変えたばかりのことで助かった。ソフトバンク同士の無料通話でなければ、電話をかけっぱなしで指示しするなんて電話代がかかって大変だった。



(追記090112)

ドアの蝶番をとりはずして修理した。詳細はまたこんど。

ところで、亮佑から最初に送られてきた写真(レバーハンドルが外れた室内側の写真)をよくみると、ドアとドア枠のスキマは結構あるので、ドライバーではなくて、定規などを差し込めばラッチを押し込むことができたかもしれない。さっそく他の部屋で実験してみると、簡単にラッチを押し込むことができて、すぐにドアを開くことができた。

なんてこった。ますます晃志の陰謀説が濃くなったということだ(笑)。

さっそく晃志に開け方の手ほどきをしたのはいうまでもない。

手ほどきを受けた晃志は、1分もかからず開けることができた。


水 - 1 月 7, 2009   11:00 午後