掃除機考4(やっぱりダイソン)


電気店に掃除機を物色しに行った。実物を見ることと、ネットとの価格差を確認するためだ。ネット価格と同じならその場で買うこともあるだろうが、まあそんなことはないだろう。

お目当てはシャープのEC-VX2。実物を見たかった。

いろいろ調べ尽くして、なおダイソンがいいと思ったものの、一番安いDC12エントリでもネット通販で4万円ちょっと。でもDC12プラスじゃないとダメというのがネットでの意見。そのDC12プラスエントリだと6万5千円。DC22タービンヘッドという最新機種の最下位モデルが5万1800円。予算を2万円強オーバーしている。諦めざるを得ない。

店頭ではまずダイソンの価格を確認した。DC22タービンヘッドが特価で5万2800円だった。ネット価格に近いのに驚いた。しかし価格だけみて、すぐにシャープのEC-VX2を確認した。結構大きな図体だ。EC-AX1は店頭になかったように思う。子どもたちはダイソンのDC24の店頭展示品をいじって遊んでいた。

店員が寄ってきたので説明を求める。メーカーが宣伝している内容をそのまま口頭で説明してくれる。とくにフィルターの自動清掃機能を説明して約10年間は手入れが不要というのを強調している。ゴミの捨て方も実演してもらった。ダストボックスを外して、蓋を外して、ひっくり返して捨てる。価格は5万4千円。高い。

「これで5万円越すならあのダイソンを買えるね」というと店員はさっそくダイソンの説明を始める。説明される内容はすでにすべて調べてほぼ承知している。むしろカミさん向けに説明してもらっているようなものだ。

デモ機はDC22とDC24。それぞれの説明を一通り聞いた。そしてDC22のゴミの捨て方を実演する。ダストボックスを外して、ボタンを押すと底蓋が開いて、そのままストンとゴミが落ちることになっている。シャープのより便利だ。

ふと店員が首から下げている名札をみると、dysonと書いてあるだけ。

「ダイソンの方だったんですかあ」というとうなずいて「他社の機種も研究していないと自社製品を売り込めないですからね」という。

さきほどのシャープ製掃除機の説明は、とてもダイソンの社員の説明には思えなかった。悪口は一言も言わなかったからだ。だからこの人は信用できると思った。まんまと彼の販売戦略に乗せられたもするが…

店頭にDC12プラスはなかった。聞くとDC12プラスは日本向けコンパクト型として開発したもののすでに販売終了品らしい。しかし、この4月から再販を開始するいう記事をネットで見た、というと、それは新製品ではなくて古いモデルの再販ということだ。ダイソンの現行機種はDC22で、DC12に比べて性能は飛躍的に向上したという。フィルターは7年間交換不要で、実際、扱いにくいところに設置されている。

でも犠牲にしたところがあります。それは騒音です。ちょっと五月蝿いんです。

ダイソン社員は、ひととおり説明したあと、吸引率は高くないんですよという。ちゃんとスペックのマイナス部分も事前に説明する。DC22の仕事率はDC12より低くなって200W程度という。へえ

吸引率は低いけど、ダストピックアップ率は高いという。それは事前に勉強してきたので説明はいらないが、この辺はダイソンのお得意とすることろだ。それをさらに分りやすくカミさんに説明しなおしていると、どうやらカミさんはボクがダイソンを欲しがっていることを察したようだ。

「これ欲しいんだったら、予算を2万円超えるけどいいんじゃない」と言い出した。まるで子どものおねだりを許す様な感じだ。

しかし2万円の差は大きいから、それに余りあるメリットをみつけないといけない。排気性能について聞いてみた。たとえばサンヨーや日立は微粒子を99%除去すると宣伝しているというと、ダイソン社員はニコッとして、吸わないから排気もきれいなのです、という。この自信に満ちた回答。そしてはじめて他社製品を批判した。

そこへ、電気店の店員がやってきてた。予算3万円ときき、カミさんに電卓を見せて、端数を切り捨てた。そして、さらに上位機種を勧める。デジタルモーターでメーカー保証5年、モーターヘッドでカーペットでのダストピックアップ率も向上。上をみたらキリがない。ダイソンであれば最下位の機種でも十分だ。

ここで買う気はなかったのだが、ついに改装店じまいセールの特価の魅力に負けてしまった。でも価格的には損はしていないので、これで良しとすることにした。

あとで聞いた話だが、子どもたちがDC24をいじくり回していた時、カミさんは「これ買うんだから、あっち行っときなさい」と追い払ったそうで、それをダイソン社員はしっかり聞いていたということらしい。だからカミさんの後をつけるようにしてダイソン社員がシャープの掃除機のところにいたボクたちのところにやってきたのだ。

ところで、いろいろ掃除機のスペックを比較しながらも結局ダイソンに行き着くのは、パソコンのスペック比較しても結局Macしか買わないのと似ていると思った。ある程度のスペックを満たしていれば、要はユーザーの思い入れの度合いだろう。パソコンならMacだが、掃除機はダイソンということなのかもしれない。妥協点をみつけて他社製を買ってしまったら、ますますダイソンへの憧れを助長してたことだろう。


月 - 5 月 5, 2008   11:49 午後