掃除機考3(カタログとユーザー評価による機種選定)


掃除機の性能を測る基準はわかったが、問題はメーカー側が提供するカタログ情報にそれが載っていないということだ。それでもカタログ(あるいはWeb情報)からある程度の性能をみることができる。それと掃除機を買い求める側が、何を求めているかが重要。

掃除機なんだから、当然きれいに掃除ができることが究極の姿だ。そしてできるだけ安いほうが良い。価格と性能をくらべて妥協点を見つけるのは、掃除機に限らない。

わが家の掃除機にかける予算は3万円。3万円以下で、できるだけ性能のよい掃除を探すことした。

絞り込んだのは、シャープの「パワーサイクロンEC-VX2」。シャープのサイクロン式は遠心分離方式だが、他の国産メーカーは、紙パック式の紙パックをダストボックスに代えたにすぎない(機構的には紙パック式以前の掃除機に戻ったに過ぎない)からだ。それにEC-VX2のカタログには「静電気の力で0.3μm以上の微細じんをほぼ100%カット」と書いてある。ただしEC-VX2は、ネット最安値でも3万6千円する。その下位機種のEC-AX1なら2万9千円強で予算内。だが残念なことにWebでは「微細じんをほぼ100%カット」の記載がない。これは予算範囲内での妥協点とする。

紙パック式では東芝のVC-20TPが内部気流を分離して排気に含まれる粉塵量を減らす工夫をしていて、カタログには「0.3μm以上の微細塵を約99.9%キャッチ」と書いてある。価格ドットコムによると、なぜか下位機種のVC-10TPより安くて2万1千円強。紙パック購入の維持費を考慮しても、クリーンな排気のこの機種が案外狙い目かもしれない。

あとは店頭で確認するだけ。

と思っていたら、こんな記事をみつけた。芦田の毎日の「国産掃除機メーカーは反省すべきだ 」という記事。芦田さんは、熱心なダイソン派。しかし以前iPodを痛烈に批判し、一方で東芝の携帯音楽プレーヤーを絶賛していたのに、今はiPodの愛用者であることから、一部の記事をもって全面的に信頼することはできない。ただ、そこで紹介されている「日経トレンディ」の記事は大いに参考になる。それに国産メーカーは反省すべきだと主張する内容は、これまで掃除機のスペックを読み取ってきたボクの意見とも一致している。

芦田さんの意見は、そもそもサイクロン式掃除機が排気のクリーンさを表明するときにフィルターに頼るのはおかしいということだ。その是非はべつとして「日経トレンディ」の実験では、シャープのVX2でさえ微細粉塵除去率73.9%で、日立のCV-RS1が唯一99.6%と好成績だったということ。対して、ダイソンDC22は93.4%だとことがわかった。

この数値をみるかぎり、性能の良い掃除機は日立かダイソンかということになる。しかもダイソンはゴミを吸引してきた気流部分にはフィルターがないことから、この数値はすばらしい。ますますダイソンが欲しくなった。かといって、この2機種はいずれも予算外。

芦田氏が紹介していた日経トレンディの記事をwebサイトでは見つけられなかったが、代わりに「サイクロン式と紙パック式の差もクッキリ! 花粉症に勝つ!今買うべき掃除機 - 日経トレンディネット 」を見つけた。2008年3月3日付けの記事で、偏りなくいろいろなメーカーの最新機種を紹介している。しかし、いずれもカタログベースでメーカーが発表している数値を基準に、ユーザーのタイプ別に望ましい機種を分類している。結局、花粉症に勝つのはどれか、言いたいことが分らない。

この記事を読む限り、芦田氏の意見のほうが参考になる。論点がハッキリしているからだ。だからiPod批判のときだって、その批判が的外れななのを読み取ることができて、かえってiPodの良さを認知することになる。やはり物事は、立場をはっきりさせて主義主張を述べるべきだ。

つづく


日 - 5 月 4, 2008   12:08 午後