平等院と源氏物語ミュージアム(その1:宇治川の流れ)


源氏物語千年紀の今年、宇治市源氏物語ミュージアムと平等院に家族で行ってきた。鉄道マニアの亮佑にとっては京阪特急に乗れる絶好の機会。晃志は車で行けへんの? と聞くが、連休中に行楽地へ向って車で移動するのは渋滞に巻き込まれるのでご免被りたい。

宇治市源氏物語ミュージアムは、先日パパの恩師のU先生(今もお世話になっています)の退官記念最終ゼミが宇治で開催されたさい、帰りによってきたのをママが羨ましがったので、もう一度家族で行くことにしたのだ。

さいわい、お天気にも恵まれたので、気候がよいこの時期は、平等院から源氏物語ミュージアムをめぐってゆっくりぶらぶらと散策するのもいいだろう。とうとうと流れる宇治川を観るだけでも気持ちがよい。

池田から宇治に向うには、大阪の淀屋橋経由と京都の四条経由と2通りある。先日、経路検索すると、淀屋橋経由でも四条経由でも所要時間は変わらないことがわかった。ただし乗換えが少ない分、四条経由のほうが運賃が安い。この日、亮佑のためにできるだけ京阪電車に乗れるように、また始発駅から座って行けるようにと、往路は淀屋橋経由、復路は四条経由にした。いずれも宇治駅ー池田駅間で2時間かかる。

宇治に着いたのは1時頃。まずは平等院の表参道に向う。駅を出るとすぐ右手に宇治橋。この宇治川を眺めると、はじめて宇治に来たとき、方向を見失ったことを思い出す。川の流れがほぼ北向きだからだ。しかも両側の土手ぎわいっぱいに広がる川面の浪々たる川の流れは、他の京阪神の川には見られない。このあふれるような川の水に面して平等院があることを思うと、昔の優美さが思われて、時代錯誤にも陥る。

阪神間で暮らしていると、川は北から南に流れるものと思い込んでいる。北に山、南に海があるからだ。日本海側では川は北に流れるが、それを見ても違和感はない。日本海側にいくと山は南、海が北ということを知っているからだ。

ところが、宇治は京都という印象があるので、川は南に流れているハズという思いがあるものだから、ほぼ北向きに流れる宇治川をみると方向が混乱してしまうのだ。冷静に地形をみると、南の山があって北(京都市方面)に開けているのだから当たり前なのだ。

ちなみに宇治川の源流は、琵琶湖の南端から流れる瀬田川。これが京都府に入ったあたりで北向きに流れを変えて宇治川となり、やがて西向きに流れを変え、木津川と桂川と合流して淀川になる。なみなみとあふれる様な水量は、淀川水系の本流として大阪府民の水源の証しだったのだ。(日照りで琵琶湖の水位が下がるとたちまち大阪府民は水が心配になる)

つづく


土 - 5 月 3, 2008   10:42 午後