神戸コンチェルトクルーズ(2)


船は須磨あたりで旋回して神戸港に戻る。フルートの生演奏があったのは明石大橋を目前にして大きく旋回するころで、すべての窓から橋が見えるとき。演奏が終わってから、デッキに出て行った。

大勢の人がデッキに出ていると思ったがそうでもなく、ゆったりと眺望を眺めることができた。といっても、もう4時。潮風が少し肌寒いので、長くは入られない。

再び船室に戻ると、晃志がお土産を物色。中突堤中央ターミナルで、ポートタワーの置物が気にっていた晃志。そういえば、パパも小学生のころは置物のお土産が好きだった。東京タワーの置物で努力って書いてあったりして、家族へのお土産といいながら、自分で飾っていた様な気がする。結局、晃志は、幸せを呼ぶ笛のついたイルカのキーホルダーを買った。

そうこうしているうちに船はすでに港に入っていた。窓から見える立派な建物をみて亮佑が「美術館や!」と言ったのをきいたクルーのおねえさん(バルーンアートしてくれた人)が、丁寧に建物の説明をしてくれた。「あれって、ポーアイ?」とママ。「そうです、あの赤い橋が神戸大橋です。」と説明されて、あらためて、お上りさんの気分。すっかり神戸のこと忘れている。

船を降りると、しばし撮影タイム。カメラを手にした亮佑と晃志が、それぞれ撮影を楽しんだ。晃志は人物を撮るのが好きなようだが、亮佑は船を撮り続ける。鉄道マニアは船も好きなのか。

さて、帰路は、亮佑の要望の応えて地下鉄ハーバーランド駅に向う。海岸線は乗ったことない、と言い張る亮佑だが、前回来たときハーバーランドからかえったように思うけどなあ。ママも覚えていない。

モザイクから渡り廊下を渡って阪急百貨店のある建物に入って行くと、ママが「ここ来たことある」といいだした。「むぎはらしまじろう」探しのときに、ここを通って帰ったという。「あそこに、秋をイメージした大きな飾り付けがあった」という。そこには今、四頭の馬車にのる曹操の像が飾ってあった。

反対側をみると、なんとずうーと向こうまで大きな像が並んでいる。三国志の英雄たちのようだ。晃志がよろこんで、関羽を探しに行く。ずっと向こうのほうだろうと思ってついていくと、一番端に劉備、その手前に関羽がいた。「晃ちゃん、三国志、知ってんの?」と聞くと、友達の家でPSのゲームをしたという。「三国志読むか?」「うん、読む」と晃志。ゲームもこんなふうに読書へと結びつくなら、いいもんだ。家にあるのは吉川英治の文庫本、晃志には横山光輝のマンガのほうが興味あるかもしれない。

ふと傍らをみるとフカヒレラーメン380円との看板が目に入る。なんでこんなに安い? ちょっと食べてみたくなる。ところが、そのお店、実はDRAGON SWEETS(ドラゴンスィーツ)というパフェ屋さん。ママはパフェに釘付け。結構大きな器のパフェが十数種類ディスプレイしてある。こちらも全部380円。というわけで、パフェとラーメンを一つずつ頼んだ。

フカヒレラーメンは、ねばねばのあんかけスープ。麺をすすることはできなくて、箸のさきに団子状になった麺を頬張る感じ。フカヒレまんじゅうの中身を中華麺にかけた感じ。でも、おいしかった。もすこしさらさらのあんかけスープだったら、もっとおいしいだろう。パフェは、実は「チェー」というベトナムのかき氷だった。しかし、トッピングにバナナ、タピオカ、クリームなどがのってる豪華版なので、一見パフェにみえる。


地下鉄の改札で、何気なく「エコファミリー制度 」の看板を発見。土日祝日に大人が同伴する小学生以下のバス・地下鉄運賃が2人まで無料に制度。こんなことしてるんや、と思ってぼーっとみてたが、晃志はまだ小学5年生。無料になる対象だったことに気づいた。ママが駅員に聞くと、乗車前に「エコファミリー」だと述べて、乗車券を受け取ってから利用するそうだ。駅員さんが、亮佑をみて、お二人ですか? と尋ねたが、さずがにバルーンアートはもらっても、ただ乗りのために年齢は偽れないでしょう。

ホームに降りると、亮佑が線路をみて「おう!、リニアカーや!」という。「なんで? 線路あるやん。リニアカーなわけないやん?」「ちゃうって、線路の真ん中に鉄の板があるやろ。これリニアカーやって」「ここで浮くんか? ほら、線路に車輪のあとあるやん。リニアちゃうって。」とパパ。

つづく


日 - 3 月 23, 2008   08:44 午後