がんせん


頑癬、と書く。「がんこのがんに、せんや」と医者がママに説明してくれたが、分からないので紙に書いてもらったそうだ。その紙をもってきて、これって何? とママが聞く。

実は、亮佑の皮膚炎の薬が切れて症状が悪化してきたので、再度大阪久太郎町にある皮膚科を訪れた3月26日のこと。首の根元から胸に広がっていた炎症は、顔のものとは別ものである、ってことは以前の診察で知らされていた。別々の薬を処方されていたのだ。

その胸の炎症がまた少し出てきたのだ。赤くはれた部分のフチが線を書いたようにはっきりと濃い色になっている。今回の診察のときにママが聞いた。

「アトピーですか?」
「なんでもアトピーというのはまちがっとる。これはがんせんや。」
「がんせん?」
「がんこのがんに、せんや」

調べると、「頑癬」と書いて「たむし」と読むそうだ。

そう、いんきんたむしのたむし。股間によく発症して痒くなる病気だが、白癬菌が悪さしているということで、まあ、水虫と同じ種類の皮膚病というわけだ。それがなぜ胸に? と思ってさらに調べてみると、アトピー性皮膚炎など皮膚の弱い人は白癬菌に弱いそうだ。つまり普通の人なら問題なくても皮膚が弱いと股間じゃなくても感染するということらしい。よくわからないが、そういうことだ。

湿疹とまちがえられやすく、湿疹の治療を受けていると、症状は改善されないばかりでなく、さらに悪化するそうだ。これは明らかに亮佑のケースだ。

つまり、亮佑の皮膚炎(顔と胸)が治まったのは、やはり久太郎町の医者の診療と薬の処方が適切だったということだ。その高齢の医者は、最近の若い医者はなんでもアトピーのせいにすると現在の皮膚科診療の傾向を憂いていたそうだ。

言われてみて気づいたが、確かアトピーとは不思議なとか、原因不明とかいう意味だったと思うが、「これはアトピーです」なんて診断してるってことは、専門家の判断を放棄しているってことに等しいわけだ。


土 - 3 月 31, 2007   01:15 午前