うだつ


長浜の黒壁スクエア・北国街道で、武者隠れ通りなる看板があった。寺内町の入り組んだ交差点と同じように、町家が通りに面するラインがデコボコになっていて隠れやすいとのこと。そして、ここから「うだつ」がよく見えます、と矢印で隣家をさしていた。

ママが、うだつって何? というので、得意になって建築学的に「うだつ」を説明した。

うだつとは、町家が隣家と接する2階部分に、小さな壁をつくって防火壁とするもの。さらに、防火性を高めるために(あるいは装飾的に)、うだつが屋根を突き抜けて、屋根付きの壁が本来の屋根の上に出っ張っている状態を、うだつがあがる、という。うだつをあげることができるのは裕福な家なので、うだつがかがらないとは、お金がない、甲斐性がない、という意味に使われる。

ところが、あとでママが小学生向けの慣用句集(ちびまるこの)でしらべてみると、うだつとは小屋束のうち棟木を支えるものと(もっと平易な用語で)説明していた。そういえばそういう話も聞いたことがあったが、学生時代に習って以来ずっと防火壁の説明をしてきたボクは、まちがっていたのか? ちびまるこの慣用句集には、防火壁説もある、とも書いてあったが、小屋束説の肩を持っているようだ。

今までの説明は嘘だったのか?

思いなおしてネットで調べると、どうも防火壁説のほうが多そうだ。

いったいどうなっている。


月 - 8 月 21, 2006   03:58 午前