授業参観


本来授業参観日というのは、我が子の学習の様子を親に観てもらうもの、と思っていた。親は授業の邪魔をせずに、子の授業態度をみるもの。しかし、どうだろう、教室に入りきれない親が廊下にあふれている。学校側には参観のための配慮がいっさいない。普段通りの授業をやってるから勝手にみろという姿勢。でもそれはそれでもかまわない。腹がたつのは、親のなかには授業おかまいなしに隣同士あるいはグループになって喋り続ける者がいることだ。授業の邪魔をするなら出て行け、と怒鳴りたい。

ところで、今回の授業参観では、もっと気になったことがある。教員が授業参観に望むあたって、授業準備が出来ていないクラスがあったということだ。

授業参観が終わるとPTA総会が体育館で行われる。なのに延長しているクラスがいくつかあった(4年5年6年のクラスのうち)。廊下にはすでに授業を終えたクラスの子どもと親があふれ出て大声で喋り始めたものだから、マトモに授業ができる状態ではなくなった。親も引き続き授業をみていたいが、それが出来る状況ではなくなっていく。参観させる授業を延長せざるを得ない内容で行う教員の感覚をうたがう。

最悪だったのは、我が子のいたクラス。先日遠足に行った田能遺跡についてのグループ発表だった。紙芝居とかクイズとか各班が工夫を凝らして発表をしていた。しかし事前の内容調整がなかったみたいだし、発表の練習もしていない。各班の持ち時間も曖昧でタイムキーパーもいない。当然授業延長したクラスだ。

もっと悲惨なのは、他の班が発表している間、暇そうに遊んでいる子どもが何人もいたということだ。まったく授業に参加していない。もっとも、親としても、発表を聞いていて面白いとも思わない。おもしろくない発表を聞きたくないのは子どもとておなじだろう。授業に集中せよというほうが無理がある。面白くない発表をさせている教員に問題があるのだ。

クイズ形式で発表した班のクイズの内容はほとんど重複していた。最初のほうの班がクイズをしているとき、遊んでいた子どもたちは、同じ内容のクイズをつくっていた子どもたいに違いない。答えがわかっているクイズほどつまらないものはない。

一番問題だったのは、クラス全体がそうした状況であるのに教員は何も感じていないということだった。似たり寄ったりでおもしろくもない発表を延々と繰り返していること、それを聞いていない子どもたち、発表内容に対しての教員のコメントもない。子どもにただ発表させているだけ。そんな授業をしてて子どもに何を学習させようとしているのか?

たとえば、プレゼンテーション方法を競うようにすると、同じ内容の発表でも、どのグループの発表が分かりやすかったか、とかおもしろかったかとか評価できる。分かりやすい発表方法を学習させる授業にすべきだろう。今回の場合は、題材がみんなで遠足に行った田能遺跡だから、内容に変化がないのは事前に分かっていたはず。それをおもしろくするのはプレゼンの工夫以外にないだろう。

発表が終わるたびに、その発表に対してコメントすべきだった。どこが良かったか、どこが悪かったか。良いところは伸ばし、悪い点は改めさせる。それを教えるのが教員だろう。発表しっぱなしでは次回もまた同じレベルの発表しかできないではないか。

さらに、内容にも介入すべきだった。授業参観までに準備時間をきちんと確保して、各グループがそれぞれに興味をもったテーマで別々のことを発表できるよにしてやるべきだった。それらが集まってクラス全体ではじめて田能遺跡の全容が分かるようにするとかの工夫はできたはず。そういう準備や工夫を怠っている。

勝手気ままにつくったクイズは、ほとんど同じ内容で、最後の方はほんとうに退屈だった。しかし教員は「いまこの答えが分からへん人は、いままでちゃんと聞いていなかったということや」といって、児童の授業態度を批判するだけ。たいくつして聞きたくなくなる様な授業をすすめているのは、そういう発言をしている本人だということに気づいていない。

こんな授業が日常的に行われているとしたら、小学生の学習能力が低いのも当たり前だとおもってしまった。

高床式倉庫クイズで気になったこと。
どうして高床なのか? と問題を出したグループは、湿気を防ぐため、とネズミの侵入を防ぐため、と2つの答えを用意していた。

まず、「湿気を防ぐために」関する疑問。高床式にしたらどうして湿気をふせぐことがでいきるのか。だれもそこまでは説明していなかった。

逆に湿気を防ぐために高床にしないといけないのなら、竪穴式住居は湿気だらけということか? 人は米も保存できないほど湿気だらけのところで生活していたのだろうか。

じっさい稲作に適した低湿地では湿気だらけのハズ。ならばどうして人はそんな湿気だらけの住居に住んでいたのか。人の住まいも高床式にしたほうがよかったのではないか? どうして高床式住居はないのか? 

そんな疑問をいだかないほうがおかしいではないか?

それから「ネズミの侵入をふせぐため」に関しては、じっさいのところネズミ返しがないと侵入は防げない。高床だから防げるとおもったら大きな間違いだ。どうして教員はそれに突っ込みをいれないのだ?

トレビアの泉的に「ヘーイ」とうならせる様な授業をしてほしい。


土 - 5 月 20, 2006   02:57 午後