パパのあせり


先週の日曜日、月曜日朝一締切の原稿を仕上げるないといけなかった。ママは仕事で外出、帰宅が8時頃になるので、子供たちはママの実家で預かってもらった。

静かな自宅での仕事。原稿というのは、研究費申請のための計画書。研究課題の設定の最後の詰めのところが甘く、説得力のある論理展開ができない。行き詰まった。

8時過ぎ、ママからの電話で迎えに行く。ついでの子供たちも。ママの実家ではお母さんから、キリがつきましたか? 子供たちからも、仕事できた? と聞かれた。まだ、もう少し。

帰宅してご飯食べて風呂にはいって仕事再開。しかし2時頃に猛烈な睡魔。徹夜体制だったが睡魔には勝てなかった。気が付いたら7時だった。締切まであと2時間。最低の体裁を整えないと提出できない。起きてすぐに作業にかかる。しかし、子供たちがおきて学校にいく準備をしはじめると、いつものことながらママの怒声がひびく。いつもは目覚まし代わりになる怒声も、今日ばかりは仕事の邪魔。集中力を保てない。もう子供たちが登校しようとしている寸前に、堪忍袋の緒が切れた。

亮佑にむかって大声でどなった!
「毎日毎日おんなじこと言わせるな。おかげでぜんぜん集中でけへんやないか!」とビンタ。さらにランドセルを背中からけり上げると、留め具をつけていなかったので、中味がすべて飛び出して玄関に散乱。しかも筆箱の中味まで飛び出した。

「何考えとんねん、ランドセルの蓋はちゃんと閉めろって毎日いわれているやろうが、なんで筆箱のチャックもしまってないねん。脱いだ服は床に脱ぎ捨てたままやし、センタクッキに持って行けって言われたら、はいはい、って返事しやがって。なんで、はい!って1回だけの返事ができひんねん。お前のその生活態度どないかならんか!!」

亮佑は目に涙をためて、散乱した教科書やノートや鉛筆を拾って、出て行った。8時過ぎだった。あとで聞くと涙が乾くまで玄関先でうずくまってたそうだ。

結局、それ以降ほとんど何も書き足すこともできず、未完成のまま9時すぎにメールで原稿を送った。あとで修正要求あるのは確実だが、それでも受け付けてくれるかどうかは疑問、といいのこして家を出た。

夜8時頃、帰宅途中にママから電話。
ママ:何度も電話してたのに(職場は伝播状態悪いのでたいていつながらない)。書類が無事に受領されたかどうか心配してたんやで。
パパ:おお、とりあえず受け付けてはもらった。
ママ:晃志も心配してんで
晃志:パパ、ブンカツできた?
パパ:ブンカツ?
晃志:なんやったけ、ブンブン? ロンブン?
パパ:論文、ちゃうけどな、論文でけへんかったけど、出したよ。

ところでママによると、亮佑が帰宅するなり心配していたらしい。
「パパがあんなしょうもないことでめちゃくちゃ怒ったんはじめてやなあ、パパ大丈夫なん?」

ははは、どっちが大人か分からん。





水 - 10 月 26, 2005   02:55 午前