インセプション(3)


インセプションのDVDが発売されている。DVDを買って何度も見る映画かどうか? いろいろな謎、または疑問を解き明かしたい気持ちにはなるが、何度もみることはないかもしれない。映画をみた直後(9月20日)に書いていた感想をみつけたので、この映画の何に惹かれたのか検証してみる。

夢の世界の設計士として仲間に率いれた学生アリアドネを教育するときに、「夢は、自分の意のままになる。思った通りに話が進む。そこに侵入する。」とかいいながら図を書くシーンがある。そこで、夢侵入のノウハウと盗みテクニックが説明される。

夢を見ているとき、人はそれを現実だと思う。
隠したいものがあるとき、金庫をつくってやれば、そこに隠す。それを盗む。もちろん違法行為。
夢のなかの登場人物は、自分の潜在意識が作り出すもの。
夢のなかの異物(自分が創造したものではないもの)は注目を集める。
夢の世界の崩壊。(ここんところ、よく覚えていない)
夢の中の1時間は現実の5分。
夢の中でさらに夢を見るという夢の階層構造。
夢から覚めるためには、現実世界でキックする(三半器官への加速度刺激?)。
夢の階層構造内にいるときは、一つ上の階層でキックする。
夢の階層構造では、一つ上の階層での出来事がその下の階層に影響を与える。たとえば、キックして浴槽に倒れ込むと、夢では洪水に飲みこまれる。
キックの合図は音楽。
今回は強い睡眠剤を使っているので、夢のなかで死んでも夢から覚めずに、虚無に落ちる。ただし内耳には作用しないように調合してあるので、キックは有効。


実際に我々(私?)がみる夢は破天荒なストーリー展開になっても、その前後では連続性を保ち、継続的に進行する。夢の中にいるときは、その前後の脈絡はまったく気にならない。あとで思い出すと、現実離れしたシーン展開だったりしてもだ。

知人の話だと、この映画はまったく全能思考らしい。全能思考をしらないので、どこがそうなのか分からないが、これがそうかもしれないというのは、夢の階層構造。

現実の世界
ジェット機の中。安泰。静かに眠る。

夢の第一階層
雨のオフィス街。タクシーを奪ってロバートを誘拐。しかし、直後にロバートのSPたちに襲撃される。ロバートは夢の中に侵入されても秘密を奪われないように訓練されていた。応援に駆けつけようとしたコブは道路の真ん中に突然出現した列車に行く手を阻まれる。タクシーを囲んで停止させたうえで、至近距離での激しい銃撃戦。あれだけ打ち込まれてもタマが当たらない。列車通過をまってようやく駆けつけたコブによって、タクシーの包囲が解かれ、逃走。気がつくとサイトーは瀕死の重傷。しかしタマがあたったのはサイトーだけ。

現実的な展開のなかでの危機的状況にも関わらず、乗り越えることが可能な苦境でしかないのは夢だから。夢の主に絶対絶命の危機は襲って来ない。

のちにアリアドネは、列車を出現させたのはコブだという。

と記憶(思い出)によって具象化する

他の映画で似てるシーンをまたおもいだした。
コブが仲間を集める時に追手から逃げるシーンは、「ザ・バンク(原題:The International)」の逃走シーンと似ている。
夢では騙し絵を実像化できる、というシーンは、「ハリーポッター」のホグワーツ。



以上。
何が良いのかを探ろうとして自分自身分からないというような感想。

この映画の2つの恋物語。コブが恋する過去の幻想としてのモルと現実のアリアドネ。モルへの反動としてのアリアドネ。その両方の女性がコブの理想として登場すること。

でも映画の最後にアリアドネは登場しない。


月 - 12 月 27, 2010   10:03 午後         |