ファイヤーウォール(映画)


2006年アメリカ映画。理屈抜きで十分に楽しめるスリルとサスペンスとアクション。ハリソン・フォードファンにはたまらない。いいなあ、この映画。思考停止状態のときは、読書すらできないが、こういう映画を観るのは可能なようだ。Gya0!で見た。

悪党のビル(ポール・ペタニー)が、ルドガー・ハウアー(ブレードランナーのロイ役)を細身にした感じでカッコいい。
ダ・ヴィンチ・コードにも出ていて、そのときも同じ感想をもった。
終盤でハリソン・フォード扮するジャックと格闘する。

ハリソン君がよれよれになって戦う姿がまるでブレードランナー!!
相手はルドガー・ハウアー似の若者。勝てそうにないのに…

雨の屋上シーン。ハリー宅に侵入しようとするジャック。

雨のトンネルを車で走るシーン。

ブレランを思い起こさせるシーンが、ブレランへのオマージュがちりばめられた良い映画。



タイトルの「ファイアウォール(原題:firewall)」と内容は無関係っぽい。防壁の頑丈さもさっぱり説明ないし、防壁突破に関するハッキング(クラッキング)のスリルは何もない。ネットバンキング管理部門にいる重要人物を脅して内部からシステムを操作させる。つまり単なる帳簿改ざんによる横領をコンピュータシステムで行なうだけのこと。

必然的に「脅し」に関わって暴力沙汰が発生し、必然性のない殺人が行なわれる。ジャック(ハリソンフォード)に濡れ衣を着せるための筋書きの詰めが甘すぎて、ちょっと調べると他者によって仕組まれたものというのがバレバレ。

犯行は1万人の高額所得者から1万ドルずつ集めるという魂胆。しかしいくら高額所得者といっても1万ドル(約100万円)も口座から引き出されていたらすぐにバレるように思うけど。バレないのはアメリカの高額所得者は1万ドルが気にならないくらいの額を預金しているのだろうか。

首謀者が念入りな計画を立てて沈着冷静に実行しているのに対して、強盗グループの手下どもの結束力があまい。自宅に押し入ったあとに監視カメラを取り付ける手際など、いかにも訓練された組織という印象ではじまったくせに、すぐに仲間割れ的様相を呈する。特にクラッキング担当の若造は、暴力にたよる犯行に消極的。そんなヤツを現場に同行させるだけで失敗するのは明かなのにどうして連れてくるんだろう。

それにしても自動小銃をもった相手に素手で立ち向かってジャックがすごい。そんなことが、普通の人間にできることではない。これは、普通の人間を装ったヒーローとしてのハリソン君のための映画だと割り切ってみるのが楽しい。

秘書のジャネット(メアリー・リン・ライスカブ)は、TVドラマ「24」で抜群の情報処理能力を有する捜査官クロエ。この映画の中でも、ジャック(ハリソン君)を助けるために奔走するが、同じジャックでもジャック・バウアーを助けるときの様に、パソコン駆使して活躍してほしかったなあ。


土 - 10 月 10, 2009   02:55 午前