GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊2.0


「Ghost in the Shell/攻殻機動隊」は1995年に制作された押井守監督の劇場版アニメ映画。「2.0」は、押井守自身によって、旧作の全カットをリニューアルしたもの。昨年の夏「スカイ・クロラ」の劇場公開を記念して、公開された。

攻殻機動隊については、過去にコメントしたように思っていたが、記事が見当たらないので、ここで復習しておくことにする。

映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」は、公開当時はまったく知らなかった。数年前にテレビ版「攻殻機動隊」(これも放映時は全く知らなかった)にハマって、さかのぼって本来の劇場版を知るに至った。

テレビシリーズは劇場版と登場人物や設定が同じであるのに、別の世界の話(パラレルワールド)であるということが、物語の理解を複雑にしている。

それがようやく理解できたのは「イノセンス」(劇場版の続編)を見てからだった。つまり、映画では、素子はバトーのいる公安9課(これも「24」のCTUに似ている)を去る。テレビ版は、素子が9課に残っている世界の物語。電脳社会を理解するうえでテレビ版のエピソードは有効だが、映画の物語(とメッセージ)を理解するには、あくまでもの2作の映画だけを対象にすべきということだ。テレビ版の詳細をわすれてかけているので、今回は、劇場版の内容そのものに集中して見ることができた。

映画「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」は、映画「マトリックス」(1999年)に多大な影響を与えたことも有名であるが、リニューアルとはいえ、冒頭のダイブシーンやハッカー追跡シーンでは映像が新しくなっただけに逆に「マトリックス」を真似ているように思えてしまう(素子とトリニティとがダブる)。

攻殻機動隊が1995年公開ということを肝に銘じておくべきだろうし、それが分からなくなってしまってはいけない。

この1995年には、「新世紀エヴァンゲリオン」がテレビ放映(10月~翌年3月)されていて、興味深い。

前置きが長くなった。

攻殻機動隊2.0は一部にフル3DCGが挿入されているのを自慢しているが、映像的連続性が遮断され、全体としての統一感に欠ける。CGも背景はいいが、人物(素子)は人形の域を出ていない。

素子がとても歳をとった声になった。これはちょっと見てて(聴いていた)つらい(悲しい)。

これに対してエヴァの劇場版リメイク(序)は違和感なく旧作を現代に蘇らせている。


水 - 8 月 19, 2009   10:13 午後