アニメ『ゲド戦記』考、三たび


『ゲド戦記』原作者ル=グウィンが8/14に自身のWebサイトにコメント を掲載していた。すぐに和訳した人がいてネットでは話題騒然だったようだ。

映画を観るまで他人の評価を読もうとは思わなかったのでわざわざ探そうとは思わなかったが、探さなくても何かのきっかけで見つけたかもしれない。たまたま多忙だったので映画を観て感想を書くまでしらなかった。知らなくて幸いだった。知っていたら便乗してもっと酷評したかもしれない。

ル=グウィンのコメントは、8/19のきっこの日記でも取り上げられて、サイトに発表されたコメントの一部分を訳してくれている。きっこのこなれた和訳はとても読みやすい。ことの顛末と内容はきっこのブログを読む方が理解しやすいだろう。商魂たくましい企業がどうやって版権を取り付けるかがよく分かる。

気になるのは、きっこが、映画経験ゼロのドシロートの息子に制作させた時点で金払ってみる価値ない駄作、と決めつけていること。別に宮崎吾郎の肩を持つわけではないが、確かに親の七光りでイヤミなところもあるが、作品そのものを観ないでは評価は下せないのではないか? 結果としては原作とはかけ離れてた別作品で、大いに失望したんだけどね。

『ゲド戦記』を名乗り、その登場人物や地名などの固有名詞をそのまま使いながらも、ほとんど別の物語に変えてしまったことにル=グウィンじゃなくても怒るのが当たり前。おそらく酷評のほとんどはまずそれを取り上げているにちがいない。

ああ、それにしても、何度もこの話題について書きたくなる。

ところで、ゲド戦記のこと調べているうちに、『ハウルの動く城』は当初、細田守監督で進められていたが、途中で降板し、そのあとしばらくして宮崎駿で作り直したということを知った。脚本も吉田玲子から宮崎駿に変更された。ジブリで内紛があったわけですね。つまり「ハウル」は紆余曲折あっての、中途半端な宮崎駿作品だったわけだ。

さてその降板した細田守はこの夏公開されたアニメ映画『時をかける少女』の監督である。観たくなった。


火 - 8 月 22, 2006   10:07 午後