ブライアン・ジュベールの滑りは美しかった


フィギュアスケートについてはあまり詳しくないのだが、先日(14日)NHKでブライアン・ジュベールの4回転ジャンプの技のヒミツに迫る番組を放映してて、たまたま見ていたら、すっかりファンになってしまった。

その番組とは、NHKスペシャル「ミラクルボディ第3回フィギュアスケート 4回転ジャンプ "0.7秒" の美しき支配者」(長いタイトルやなあ)

内容は、「フィギュアスケートの究極の技「4回転ジャンプ」。わずか“0.7秒”の間に、空中で身体を4回転させる。わずかなミスが転倒につながり、試合で成功できるのは、一握りの選手だけだ。心技体すべてを最高レベルに到達させたものだけが実現できる4回転ジャンプ。その第一人者が、フランスのブライアン・ジュベール(25歳)。高く、美しいジャンプは、世界で一番安定していると言われ、昨秋のグランプリシリーズ・NHK杯でも、ただ一人4回転を成功させ、優勝した。NHKは、ジュベールの練習拠点に、ハイスピードカメラを持ち込み、ジャンプのプロセスを詳細に記録した。そして、仏ポワティエ大学と共同で、なぜジュベールがわずかな時間に4回転を跳べるのか、美しいジャンプを跳ぶ秘密はどこにあるのかを探った。ハイスピードカメラと最新科学が浮かび上がらせたものは、ジュベールの驚異的な筋力、自身を制御する能力だった。」(NHKオンラインより http://www.nhk.or.jp/special/onair/100214.html

だから、このオリンピックでのジュベールの滑りをとても楽しみにしていた。

しかし先日行なわれたショートプログラムの成績が全く振るわなかった。ニュースをみて、びっくり仰天、一体何があったのかと、あわてて調べてみると…

2ヶ月まえに練習中に大けがをしたことが分かった。骨に達するほどに深い傷を負ったらしい。

なんてこったあ、ジュベール。

ケガは治りきっていないそうなので、本領を発揮できない状態での出場だったのだ。傷口が開いてでも出場するという強い意志は見上げたものだが…

こんなジュベール、いままで見たことない、というニュースの見出しが痛々しい。

残念ながら、その悲惨なショートプログラムの演技そのものは見逃してしまった。

だから、フリーの演技はぜひ見たかった。

そして、今日、なんとか再々放送でみることができた。
男子フリースタイルはNHK総合テレビで生放送をしてて、ツイッターのつぶやきが気になったが、さいわいなことに@NHK_PRがジュベールのファンだった。

再放送がBS1で夜9時からあると@NHK_PRに教えられて、仕事をかたづけ、なんとか9時に間に合って帰宅した。

ジュベールの滑りをようやく見ることができた。

のっけの4回転から転倒して手をついた。痛々しいジャンプ。

しかし、演技そのものは美しい。しなやかな動きによる技のつなぎ。曲に合わせたその動きは氷上のバレエのようだ。スポーツ競技として美を評価するのは難しいと思うが、単に技を決めるだけではない美しさが、ジュベールには備わっている。

しかしジャンプのたびに、痛々しい。

アナウンサーも解説者もケガのことを言わないのはなぜ。
いつものジュベールではありませんってしか言わない。

金メダルは、4回転ジャンプをしなかったエバン・ライサチェク。
銀メダルのエフゲニー・プルシェンコが、技術点において4回転ジャンプを高く評価しないことに不満を表したらしい。高橋は4回転ジャンプで転んだけど、表現力で挽回して銅メダル。


土 - 2 月 20, 2010   03:17 午前         |