大山崎山荘美術館


昨年の秋、うちのカミさんが訪れて感動して帰ってきた。私は行ったことがなかったので、建築見学会と称して学生を連れていくことにした。夏の山荘は暑いと思ったが、あにはからず、山荘だけあって涼しい。標高があるわけでないので、樹木に囲まれているせいだと思う。淀川対岸からはオレンジ色の屋根がよく見えるという。

JR大山崎駅を降りて京都方面に少し戻ると、すぐに踏切がある。踏切の反対側、まん前に見える急な坂道が山荘への道だ。坂道はコンクリート敷で、滑り止めに○模様が抜いてある古い舗装スタイル。昭和40年代を思いだす。そのコンクリート舗装の切れめあたりがT字路になっていて、山荘への案内板があった。

案内にしたがって、その角を曲り、数件の人家にそって道なりにさらに坂を上っていくと、いきなり樹木に囲まれた山のなかの空間になる。送迎バスのおりば(のりば)の反対側に、敷地に入るトンネル(?)があった。


すでに涼しかった。

車道を通らず、庭のなかを抜けていくことにした。よく手入れされた庭が美しい。美術館に近づくと、睡蓮の池の前にたたずむ新館があった。旧館からの階段通路が伸びて非常出口となっている。その前に蓮池がある。この蓮池は、美術館所蔵のモネの睡蓮を模したのは明らかだが、それがまた、妙にはまっていた。



新館通路(階段)の西側は段々に仕切られた運河のような小川? 段になっているところをたえず水が滴り落ちていく様子は、さながら小さな滝のようで、ライトの落水荘を思わせる。



建物に入ると、山荘というにふさわしい黒くて大きな梁と小屋束。ただし館内は撮影禁止。

企画展として展示されていた美術品と建物とを詳細に見て回った。ただし、新館の展示ではモネの睡蓮を、他の作品に邪魔されずに見たかったという気持ちになった。常設展と企画展の展示の仕分けが難しい。

お昼を挟んで2時間ばかりを山荘で過ごした。ちょうど避暑に来たような気分になって、山荘を降りていくのがいやになった。山荘内で食事もできるともっと滞在してもよいと思った。


月 - 7 月 28, 2008   11:54 午前