女性向けマンション


女性向けマンションとは、女性のためにつくられたマンションのこと? 一般には、オートロックなどのセキュリティが確保されていて、外観やインテリアもそれらしくデザインされたマンションを想像する。

学生にマンションの安心安全アイデアコンペに応募させたら、大半は防犯重視のアイデアだった。つまり部外者の侵入を排除することを第一に考える。極端な例では、宅配便でさえ共同玄関より先に入れさせない。それで安全は確保できても、安心できる生活がおくれるのだろうか?

ブログ『女性のための不動産屋さん』 にこんな記事を見つけた。
仕事上、たくさんの中古マンションを見てきて常に感じていることなんですが、

例えば築20年以上経過しているようなマンションでも、

「居住者同士や管理人さんが常に顔を合わしている」

「廊下やエレベーターで出会ったら誰でも挨拶を交わす。声を掛け合う」

「マンション周辺や共用部分が常に掃除されている」など、

居住者のコミュニケーションがとれていて
「みんなでこのマンションを大切にしているんだなぁ」

という雰囲気が、建物に入った瞬間から伝わってくるようなマンション。

そんなマンションには、不審者もなかなか入りづらいのではないでしょうか?

(単身)女性向けマンションというより、本当に住みやすいマンションとは何かという本質をついているように思う。コーポラティブハウスなら可能な入居前からのコミュニティ形成も、一般の新規分譲住宅ではむずかしい。中古マンションだからこそ、高経年マンションだからこそ、存在する長期居住者による良好なコミュニティが、単身女性が安心して暮らすための重要な要素になるということだろう。

マンションに限らず、成熟した地域社会では隣近所が顔見知りで、その範囲が広い。それが地域の防犯に繋がっていることは、簡単に想像できる。やはり、まちづくりの基本は、住民のコミュニティづくりだろう。

もっとも、住み手自身がそのようなコミュニティに馴染む必要がある。挨拶を交わしたくない人には、無理な注文かもしれない。その人たちが安全を確保するには…

防犯設備を充実させて外部侵入者を排除しようとすると究極的には監獄になる、とは設計授業担当の教員のことば。それでも快適な監獄なら、アイデアとしてはOKだ、というのだか…

そんな監獄ばかりの街って、住みやすいだろうか。


木 - 8 月 9, 2007   09:47 午前