震度6が高齢者を襲った(クローズアップ現代)


久々にテレビを見た。NHKの7時のニュースのあとクローズアップ現代で能登半島地震から一週間が経った現地の様子 をレポートしていた。

輪島市深見地区は、土砂崩れで道路が寸断され、完全に孤立した。しかし、住民同士の強いつながりのおかげで、4時間で住民全員(約80名)の無事を確認し、隣町から漁船を確保して、その日のうちに避難することができた。

番組では高齢者同士の助け合いを強調していたが、まずは、住民のコミュニケーション力と相互扶助の精神、および自助努力が功を奏したと評価すべきだ。それは高齢者に限定されるものではないし、高齢者だからこそ可能だったというわけでもない。あくまでも地区住民コミュニティの特徴であり、地域コミュニティにおけるこのような強いつながりは災害時には重要な役割を果たすという事例だろう。

しかし実際には住民はすべていわゆる高齢者。65歳以上の人たちのようだ。そして問題は、避難所生活にあった。日常生活では野良仕事などで身体を動かしていた住民たちも、避難所ではお客さん扱い。仕事で身体を動かすこともなく、日常生活でさえ誰かが世話をしてくれる状態で、「生活不活発病」になっているという。

高齢者はすべて弱者であるからじっとしておくべきとか、被災者には世話をしてあげるものとか、なんとなく善意で当然とおもって行っていることが、マイナスの効果をもたらしているようだ。日常生活における「仕事」で身体を動かすことの大切さを痛感し、高齢者の避難生活を考えさせられた。

番組で「生活不活発病チェックリスト」を紹介していた。避難生活にかぎらず、日常生活でも役に立ちそうだった。


月 - 4 月 2, 2007   10:51 午後