五十肩だと思っていたらカルシウム結晶沈着症だった


どんどん悪化する右肩の痛み。五十肩だとばかり思っていたが、診断の結果は「カルシウム結晶沈着症」というものだった。それまで痛みが伴う動きを極力控えてきたのだが、どうやらそれは間違いで、よく動かしてリハビリせよとのこと。特に痛い方向に動かして、可動範囲を広げよとのことだった。

仕事中に急に体調がおかしくなり、脂汗がでて気分が悪くなり、午後3時に早退して寝込んだ。こんなことは、今の職場で初めてのことだ。時期的に新型インフルエンザかもしれないという周囲の憶測もあって、比較的容易に早退できたのは運がよかった。しかし翌日も、ふんばりが効かず、午後5時には退室し、帰宅したらすぐに寝てしまった。

ところが、毎夜、寝返りを打つたびに痛みで起きてしまい、いちど目覚めると、それからしばらく眠れないという状態。寝不足が日中に響くのと、痛みで思考力が落ちて仕事にならない状態。ちょっとこれはヒドいなあ、と思って、ようやく病院に行ってきた。

最初に診察。症状を看て、すぐにレントゲン検査。血液採取と尿採取と続く。看護婦の誘導がテキパキしてて小気味よい。「○○さん、つぎこっち」などと、ときどき大きな声で患者の名前を呼ぶ。

レントゲンの現像が出来るまでの間、さっそく理学療法を施された。いわゆる「電気」を当てるのと、低周波パルス治療。そして体操。天井の滑車に掛けられたロープの両端をもって、両手を広げて左右の腕を上下させる運動。しかしそれはできるわけがない。手を広げるだけで痛がる私をみて、今回はやめておこうというこになった。

レントゲンの結果、カルシウムの結晶が上腕骨の球体部分の上あたり(腱板=けんばん)部分に付着していることがわかった。

古傷の部分にカルシウムが沈着している
最初は五十肩(=単なる炎症)だったようだが、
古傷(すでに完治)の部分にカルシウムが溜まったようだ

と医者が説明してくれた。さらに詳しく見るために、その場で超音波エコー検査。カルシウムの結晶の様子を探ってみたが、映像を見てても素人にはさっぱりわからない。説明によると、カルシウムの結晶が神経を圧迫している。破損している神経もあるという。

痛いはずだ。

あとで自宅で調べて五十肩は再発しないことがわかった。診察のときは思い出せずに医者に報告しなかったが、子どもたちが幼稚園のときに一度五十肩を煩っていて、運動会の競技に参加できなかったことがある。五十肩が再発しないというネットでの情報が確かなら、今回の痛みは、最初から「結晶沈着病」だった可能性が高い。

カルシウムの結晶ができるのは、痛風と同じ理屈、と医者は言った。

ネットで調べると「偽痛風」ともいうらしいが、私のがそれに相当するのかどうかは不明。痛風は関節包内に尿酸の結晶ができて炎症を起こすもの。カルシウムが結晶するというのは一体どういう状態なんだろう。そこは分からないまま。あとで調べよっと。

「そのカルシウムを溶かす薬はないのですか?」と尋ねると医者は満面の笑みを浮かべて「ない」という。治療は運動によって徐々に無くしていくしかないそうだ。

次のようなリハビリ運動を指示された。
壁に手をつけて、痛みを我慢してでも、少しでも高い位置がさわれるように努力すること。
手を耳の後ろにつけて肘をできるだけうしろに持っていくこと。
肘を曲げた状態でいいから肩を回すこと。
肩を冷やさないこと。
これから寒くなるので治りにくくなる。それまでに、できるだけ運動すること。

頓服と湿布剤を処方された。

湿布剤は「ジクロフェナクナトリウム」。おばあちゃんからもらった湿布剤と同じものだった。
「おくすり110番」によると
http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se26/se2649734.html
有効成分のジクロフェナクナトリウムは、非ステロイド抗炎症薬(NSAID)です。炎症を引き起こすプロスタグランジン(PG)という物質の生合成を抑制する作用があります。プロスタグランジン(PG)の合成酵素「シクロオキシゲナーゼ(COX)」を阻害することによります。

原因が分かって、治療方法も分かったけど、痛みが取れたわけじゃない。しばらく、この痛みとの戦い(共存)が続きそうだ。辛い。



一週間経って2度目。不思議なことに体操ができた。腕の可動範囲が広がっている。意識して動かすようにしてきただろうか。この調子でリハビリを続けるのがよさそうだ。

痛みはまだとれない。痛み止め薬を飲み続ける。


土 - 10 月 10, 2009   02:37 午前