胸がキューっと痛むとき


高校生のとき頻繁に心臓付近が痛くなった。親父が20代のころ、心臓を患って余命2年とか言われたらしい。けど今もまだ元気だ。ヤブ医者だったのだろう。でもそのときは心臓病の遺伝かなとも思った。

「息を吸うと、胸の側面、肋骨の付け根あたりがキューンと痛くなって息が吐けなくなることがある。そんなことないですか? なんなんでしょう」と相談された。

「ボクは心臓が痛くなる」
「どんなふうに?」
「ドキドキと」

瞬間に、高校時代よく心臓が痛くなったのを思い出したのだ。ほんとはドキドキではない。もっと締め付けられるような痛み。針で突き刺すような痛みだった。ずっと忘れていた。

本当に息が詰まりそうに痛くなった。でも決まって、ガールフレンドを自宅まで送っていった帰りがけにそうなった。きっと気を引き止めておきたかった潜在意識のなせるわざだったのだろう。トロンボーンを持ち疲れて筋肉痛だったのかもしれない。「死んだら幽霊になって会いにきてね」とガールフレンドにあっさり言われた。よろこんでいいのやら。

つまりそれって、恋の病ですね。きっと。


土 - 9 月 3, 2005   01:56 午前