グノーの歌劇《ファウスト》とオペラ座の怪人


昨年末に、ソプラノの森麻季とピアノの横山幸雄が4月に池田市のアゼリアホールでコンサートをするということを知って、年明け早々にカミさんに頼んでさっそくチケットを買ってもらった。ピアノの横山幸雄は森麻季の伴奏というわけではなくて、「スペシャル・デュオ」というコンサート 。すぐに売り切れると思っていたのに残っていたのが不思議なくらい。大丈夫か、アゼリアホール、森麻季と横山幸雄だよ。

森麻季の演目にグノーの歌劇《ファウスト》から「宝石の歌」というのがあった。

グノーの《ファウスト》は全曲は聴いたことがないけど、その一部分を聴いたことがある。バート・ランカスターが出演したTVドラマ『オペラ座の怪人』の劇中劇として上演されていて、クリスティーヌとファントムの二重唱が感動的だった。

この『オペラ座の怪人』は20年くらい前にNHKで放映されたもので、ミュージカルの『オペラ座の怪人』とは若干物語が異なっている。バート・ランカスターは怪人の父親を演じていた。放映当時は原作やミュージカル版を知らなかったので、これが正統派の『オペラ座の怪人』と思っていたのだが、すっかり話の筋は忘れてしまって、ブライアン・デ・パルマ監督の『ファントム・オブ・パラダイス』とごちゃまぜになっていたかもしれない。

ベータ方式で録画していたものを数年前(ミュージカル映画『オペラ座の怪人』が上映されていた頃)、学生にVHSにダビングしてあげたことがある。その際に一度見なして、ミュージカルとは別物であるけども、劇中劇の舞台にいるクリスティーヌと客席のファントムとの二重唱には超感動した次第。あのとき、自分用にもう1本ダビングしておけば良かった。

劇中劇が《ファウスト》だったかどうかも曖昧だが、ダビングした際に、全曲聴きたいと思って検索したことがあるから、たぶん間違いないとは思う。しかし、検索のしかたが悪かったのか、しようと思っただけで結局検索しなかったのか、グノーの《ファウスト》はメジャーなオペラではなくて上演も録音も少ないという印象をもち、全曲を聴こうという意欲を削がれたことを覚えている。つまり、未だにTV版『オペラ座の怪人』の劇中劇でしか聴いていなかった。

今となってはベータ方式のビデオデッキが壊れてしまってTV版『オペラ座の怪人』内容を確認できないが、ネットを探せば多分見つかるだろう。

というわけで、探してみたら、すぐに見つかりました。

TV版『オペラ座の怪人』の内容に関してはこちら を参照下さい。
オペラ座の怪人がいっぱい!映画の怪人たち #2 ミュージカルのヒット以降 - Beware the Phantoms of the Opera... films

やはり劇中劇は《ファウスト》でした。

YouTubeに動画も21分割されてアップ されていて、なんと日本語字幕付き。感動の場面は20/21のこれ 。1分50秒あたりからクリスティーヌが歌い始め、ボックス席のファントムがそれに呼応する場面。メフィストとの三重唱でした。でも、ここだけ観てもあまり感動しないかもしれない。もういちど最初から観なおすことにしましょう。

「オペラ座の怪人がいっぱい」サイトでは、私が感動したシーンについて、
「これを、臭いと感じるかウルウル泣くかはなかなか感性の別れるところ」とのことですが「でも泣ける」
と評しています。臭いシナリオでも、このシーンは《ファウスト》のシナリオとダブらせている泣かせどころです。素直に泣きましょう。

上記サイトによると、英語版のみ、DVDが発売 されているようです。それにしても、この「オペラ座の怪人がいっぱい」サイトはいいですね。TV版『オペラ座の怪人』のことが詳細 に分って、とても楽しい。あらためてこのTV版の位置づけを理解できました。最終的にミュージカル『ファントム』となって、宝塚歌劇でも上演 されてるわけです。

さて、その《ファウスト》。森麻季がそのなかの「宝石の歌」を歌うという。

(続く)




水 - 1月 25, 2012   07:33 午前         |