バレンボイムのニューイヤーコンサート


楽しいニューイヤーコンサートだった。といっても、ほんの触りしか見ていない。1日には見ることができなかったのだが、今日3日に再放送されていたのを、たまたま気づいて最後のほうだけ見ることができた。

楽員が少しずつステージから去っていく場面だった。バレンボイムが怪訝そうにそれを見つめている。どうして?というジェスチャー。演出だとすぐに察することができたが、この演出は、ほかの演奏会でも見た覚えがある。なんていう曲だっけ?(演奏のあとの番組内の解説で、ハイドンの交響曲45番「告別」だとわかった)。

最後に残った2人の楽員のひとりの横に座って、楽員の頭をなでるバレンボイムに、会場から拍手がおこる。それを制するバレンボイム。もうすぐ演奏が終わるので最後まで静かに聴いてほしいということでしょう。

バレンボイムの楽しそうな顔が印象的だった。

「美しき青きドナウ」の演奏は、最初の響きが交響曲的重厚さがあったのがやや驚き。やや華やかさがないようにも思えたが、背景映像の恒例のバレエが色を添えていた。青い衣装にまとった子どもたちが妖精のように踊る。かわいらしい。階段をのぼっていくところをみると、今年もまた会場に入るのだろうと予測できる。

「ラデッツキー行進曲」では、会場に向かって拍手のタイミングを指示するバレンボイム。拍手を止めるところを、”きびしく”指示するのははじめてのような気がする。しかし、それも演出だと理解すると、その表情、動作、すべてが楽しそうに見えた。

よくみるとバレンボイムはネクタイをしていない。おそらくコンサートを通して少しくだけた感じだったのだろう。



1日の新聞のテレビ欄で、今年のニューイヤーコンサートの指揮はバレンボイムだと知った。ピアニストがどうのことのと書いてあったのが驚きだった。バレンボイムがピアニストとして活躍していたのは、もう30年以上も前のように思う。最近ワーグナーの楽劇を聴き始めて調べ物をしていると、バレンボイムのバイロイト音楽会の演奏がいいという評価をよく目にする。つまり、バレンボイムはとっくに指揮者になっていてその評価も高い。バレンボイムのニューイヤーコンサートが楽しみだった。

もっとも私自身は、最近ようやくクラシック音楽に復帰したので、若々しいピアニストとしてのバレンボイムのほうが印象深い。すっかり白髪になったバレンボイムをみて、自分自身も歳を取ったものだと痛感した。


土 - 1 月 3, 2009   11:49 午前