ラベル:亡き王女のためのパヴァーヌ


とつぜん、聴きたくなった。が、CDを持っていない。たしか、LPを実家から持ってきていた筈、と思って家捜しすると、でてきました。むかし、東芝EMIからAngelレーベルで発売された「クリュイタンスの芸術」シリーズ。

なんと、同シリーズを5枚も持っていた。さらに「フランス音楽のエスプリ」シリーズを1枚。いずれもアンドレ・クリュイタンス指揮パリ音楽院管弦楽団で1961〜65年に録音されている。高校生の頃(30年くらい前)に発売された1500円くらいの廉価版だったと思う。

帯を別に保存していた(一時期、帯を傷めないように別の箱にしまっていたことがある)のだろう、いずれもジャケットのなかには入っていなかったので、このシリーズの詳細はわからない。cluytens


さて、亡き王女のためのパヴァーヌ、このレコードでは「逝ける王女のためのパヴァーヌ」となっている。
冒頭ホルンのビブラートのかかった音が、美しい。繊細で細く、しなやかな音。フランス音楽の世界へ、ラベルの透き通った世界に惹き込まれていく。逝ける王女がどのような人かわからないが、気品のあるおだやかな感じが曲全体に漂い、王女への思いを駆り立てられ、どこか郷愁の念にかられる。このままずっと聴き続けていたい。原曲はピアノ。しかしオーケストレーションが素晴らしい。

このレコード、何度も聴き込んだことを思い出した。この曲は、この演奏でなければならない。何度聴いても心にしみる。

LPなので、プチプチとノイズがはいるものの、CDにはない暖かみを感じる。再生装置が悪いので少しこもって聴こえるからかもしれない。何度も聴き直したくなるが、針を落とし直すのがむずかしい。


月 - 9 月 17, 2007   03:23 午後