佐渡裕ヤングピープルズコンサートVol.7


2005年8月12日(金)、神戸こくさいホールで開催。今年のテーマは「トランペットを吹き鳴らせ×2=!!?」。シエナ・ウインド・オーケストラの演奏に、ゲストは原朋直withブライアン・リンチ・カルテット。開場が5時半で、開演は6時半。

開場から開演までの間に、今年はトランペット体験というのをやっていた。さっそく並んで待つこと10分ほど、お姉さんにトランペットの吹き方を教わる。まずは亮佑。唇を震わせて音を出すんだよと教えられて、それができるとすぐにマウスピースだけで音出し。それができると持ち方を教わり、構えだけは一人前。どうにかラッパの音が出せた。その間、パパは晃志に唇の震わせ方を教えていた。晃志が吹いてみると、亮佑よりいい音が出た。ちゃんとラッパの音に聞こえる。亮佑の音はオナラみたいだったのに。「こうちゃん! 亮佑より上手やん!」とほめると、「才能あるんかなあ」と調子にのる晃志でした。

かっこよく吹くトランペットを吹く亮佑   二人とも初めてだが晃志のほうがいい音がした

ママ「こうちゃん、トランペット上手に吹けたねえ」晃志「あれはラッパっていうねんで。トランペットは伸ばしたり縮めたりして吹くやつやん」ママ「それはトロンボーンっていうの」

パパがトランペットのことをラッパと言っていたので、トランペットとラッパが違うものと思ったらしい。それとパパが吹いてた楽器がトロンボーンだったのと混同したのだろう。

今回のコンサート、子供たちにはオマケとしてカズーという楽器がついてきた。口にくわえて声をだすと、ブーブーという音に変わる楽器。おもしろい。開演前にはあちこちでブーブー音が聞こえまくる。使い方の説明書はついてなかったのに亮佑はいきなり音を出せるようになった。パパが鳴らそうしても音が出ないので、亮佑が「声だすねん」と教えてくれる(亮佑も晃志に教えてもらったらしい)。あとで、プログラムをみると、そこに鳴らし方が書いてあった。

カズー(PowerBookの上で撮影)、太い方をくわえる

カズーは自分で音程をとって歌うだけでいい。歌声は聞こえずに笛の音に変わる(ダースベーダーのヘルメット型ボイスチェンジャーと似てるなあ)。簡単なので誰でも演奏できるという訳だ。

さて本番、今回のサブテーマはアンサンブルでした。でも実際にはアンサンブルの妙技というより、ジャズカルテットの演奏スタイルを解き明かすみたいな感じ。順番にソロをとり、アドリブを演奏するカルテットのメンバーとオーケストラの掛け合い。とくに最後の「展覧会の絵」は圧巻でした。

アンサンブルという点では、カズーをつかって会場と一体になって作り上げる音楽には感動。チェロキーという曲のメロディーを客席の聴衆が演奏すると、ホール全体にメロディーが響きわたっていた。それにオケの音が重なっていくと、客席で自分たちが出した音とステージ上の音が混ざり合って一つの音楽となっていく。ああ、音楽って楽しいなあ、と感じる。

「テキーラ」という曲でもみんなでメロディを演奏したり、テキーラ!と叫んだり。手拍子を最初から最後まで延々と続けた「エレガントピープル」。曲が終わると手がジンジンしたが、リズム担当として演奏に参加してた気分になる。アンコールの「マンボ」でも叫んだ。

アンコールの最後は「星条旗よ永遠なれ」。演奏したい人は自分の楽器を持ってステージにおいで、と佐渡裕が誘うと、第2部の最初から楽器を出して待ち構えてた子供たちが一斉にステージに集まりだした。もちろん、カズーでも参加できる。亮佑も晃志も行きたがったので、送り出した。2階席だったのでステージまでは遠いが「あわてなくていいから」と言ってくれているので大丈夫だろう。亮佑と晃志が一階客席の通路に見えた頃、ふと気づくと、晃志のカズーはパパが預かっていた。ママがまだ間に合うから届けてあげてというので、パパは慌てて階下におりてステージ前にいくが、どこにいるのかさっぱり分からない。もうほとんどの子供たちがステージに上がりきっている。

途方に暮れて一階客席通路をうろうろしていると、ようやく亮佑がステージ最前列まで出て来たので、駆け寄って「晃志のカズー」と手渡すと、「晃志は2階まで取りに戻った」という。パパは1階席前方の左側の入口から入ったが、晃志は1階後方出入口から戻ったので出会わなかったのだ。晃志は間に合わないかもしれない。と残念がっていると、客席中央通路を晃志が入っていく。けどまた途中でもどりだす。パパを探しているな、と察して、晃志のところに駆け寄って、亮佑にカズーを渡したことを伝える。晃志は最後の一人としてステージにあがり、亮佑とならんで最前列でカズーをくわえた。

パパは自分の席に戻るタイミングを失い、一階席の出入口で立ったまま聴いた。自分の楽器を用意して来た学生・生徒たちはみんなそれぞれの楽器のパートをちゃんと練習して来ている。それに対して我が子は二人とも「星条旗を永遠に」なんて知っているのか? と思いつつも、実に楽しい「星条旗」。最後まで音楽の楽しさを満喫させてくれました。ありがとう。

ステージに立った晃志と亮佑は大興奮。とくに亮佑は演奏終了後に佐渡裕に頭をなでてもらったのだ。「今日、頭、洗わんでもいい?」などとぬかすのだ。晃志は「佐渡さんの楽屋に行こう!」と言い出す。それだけ佐渡裕を身近に感じたということだろう。なんともうらやましい。僕たちが子供だった頃、こんなに偉い指揮者を身近に感じる機会はなかった。

ロビーではテレビ局が子供たちにインタビューをしていた。それを羨ましそうに眺める亮佑と晃志。スタッフが晃志たちをさけるように他の子供たちにインタビューするので、晃志はインタビューされたかったなあ、と悔しがることしきり。ちょっとママに似てる? 実はこの日の様子は、9月にテレビ放映されるそうだ。インタビューを受けたがったのもそのため。でも二人とも最終的に最前列でアンコールに参加したので、テレビが楽しみ。


土 - 8 月 13, 2005   11:22 午後